桐ヶ谷忍

詩を書いてますが、ここでは投稿しないかも。 青色専従者という名の専業主婦。 双極性障害…

桐ヶ谷忍

詩を書いてますが、ここでは投稿しないかも。 青色専従者という名の専業主婦。 双極性障害、神経症いくつか。 読書が趣味。

記事一覧

幻覚を見ていた

私にとって特別な猫、リオを亡くして今年で6年になる。 リオは、知っている方は知っているだろうけれど、夫と離婚するかどうかで別居して精神に異常をきたして実家に居候…

桐ヶ谷忍
1か月前
13

壊れない湯気

子供時代、ちゃぶ台を使ってご飯を食べていた時期があった。 小学校三年生くらいまでだろうか。 実家は自営業で、父が在宅している確率が高かったとはいえ、両親が顔をつ…

桐ヶ谷忍
6か月前
15

幸せってなに

昔、いつ言ったのかも思い出せない昔、干した洗濯物が日を浴びて風に揺れている光景を見て、多分Twitterで「幸せ」って呟いたことがある。 多分その呟きを覚えていた誰かに…

桐ヶ谷忍
7か月前
15

人殺しの心理

字が読めるようになった頃から家庭・学校の環境から、現実逃避するために読書に耽溺していた。 主に読んだのが、ファンタジーと推理ミステリ系。 ファンタジーはまあ現実逃…

桐ヶ谷忍
8か月前
16

罪人レプリカ

「罪人レプリカ」 眼を 抉りました ナイフで この眼はもう二度と 何も、映さない 醜いものが 私は、嫌いです けれど永遠にうつくしいものなどは 無いのだと解った …

桐ヶ谷忍
9か月前
9

「桃源郷」詩とショートショート

Online Wrters' Club(略してOWC)の花緒さんに、先々週に続いて またしても私の書いた詩を土台に戯曲化して頂きました! 戯曲(モノローグ)は生意気ながら野暮な発言で改稿し…

桐ヶ谷忍
11か月前
12

詩を戯曲にして頂いた話

以下の詩は10年位前(多分)に書いた詩です。 自分ではすごく気に入っていて、書いた当時のことを思い出すと、今でもあの時はこんなにも辛かったんだなーと感慨にふけって…

桐ヶ谷忍
11か月前
12

表現者は魂の露出狂

表現者というのは、魂の露出狂だと思っている。 私を見てほしい、くまなく見てほしい、見せていないところまで想像して私で頭をいっぱいにしてほしい。 とにかく見てほし…

桐ヶ谷忍
1年前
10

言葉を装う

綺麗な言葉遣いは無料でできるおしゃれ、とはよく聞く言葉で、誰が言ったのかと調べてみたらカズレーザーだった。最初に聞いた時から良いこと言う人がいるなあと思っていた…

桐ヶ谷忍
2年前
18

詩についてのとりとめもないこと

自分を指して「私は詩人です」という人のことが長らく大嫌いだった。谷川俊太郎や最果タヒなどの一般に膾炙された人などが言うなら、それは自他ともに認める詩人だろうと思…

桐ヶ谷忍
2年前
19

された側は一生覚えている

一週間前から毎日、朝起きると実家の事を思い出してしまって鬱になってた。昨日、おとといはもう耐えきれなくて朝から頓服飲んで、家事もできずソファに寝転がっていたり、…

桐ヶ谷忍
2年前
26

悲鳴の詩

最近フォロワーさんが立て続けに詩の投稿サイトびーれびについてツイートしていたので、久しぶりにのぞいてみた。 いくつか読んだけれど、そういえば人様の詩を読むのも久…

桐ヶ谷忍
2年前
10

男と女の手料理

うちの夫は料理を趣味にしてくれるような理想的な男ではない。 最初に作ってくれたのは13年位前、私が自殺未遂をしたとき、手首をホチキスの針みたいなもので27か所皮…

桐ヶ谷忍
2年前
12

詩は降ってくる

そもそも私が詩を書き始めたのは、PCをボーナスで買ったのが始まり。 PCに触ったことがなかった私はPCに慣れるため色々ネットサーフィンしたり興味のあることを検索したり…

桐ヶ谷忍
2年前
10

下ネタ好きの男って

以前の記事、「私はバイセクシャルです」でも書いたが、私はいわゆる男らしい男性は恋愛対象にならないばかりか、人間的に苦手だ。女性成分多めの男性に好意を抱くし、安心…

桐ヶ谷忍
2年前
9

正常の越境者

うちには刃物がない。 正確に言うなら包丁とハサミと夫の髭剃り以外の刃物はない。「カミソリなんてあったら君簡単に切ろうとするだろう」って、カミソリ、カッターの類は…

桐ヶ谷忍
2年前
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幻覚を見ていた

幻覚を見ていた

私にとって特別な猫、リオを亡くして今年で6年になる。
リオは、知っている方は知っているだろうけれど、夫と離婚するかどうかで別居して精神に異常をきたして実家に居候していた時、私のためにと親がペットショップで買ってくれた猫だ。
動物嫌いの親が動物を飼うというか、猫に助けを求めるほど、私は相当おかしかった。

リオを迎えた時のことを昨日のように思い出せる。

リオのおかげで、包帯が取れる度に切っていたリ

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壊れない湯気

子供時代、ちゃぶ台を使ってご飯を食べていた時期があった。
小学校三年生くらいまでだろうか。

実家は自営業で、父が在宅している確率が高かったとはいえ、両親が顔をつきあわせるのは夕飯時だ。
そこで当然のように罵倒の応酬が始まる。
私と妹はうつむいて無言でビクビクしながらご飯だけをちょっとずつ食べる。
おかずもあるのに、腕を伸ばさなければならないから、おかずはあまり食べられなかった。
少しずつしかご飯

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幸せってなに

昔、いつ言ったのかも思い出せない昔、干した洗濯物が日を浴びて風に揺れている光景を見て、多分Twitterで「幸せ」って呟いたことがある。
多分その呟きを覚えていた誰かに(誰に言われたのか覚えてない。記憶障害持ちなので)「チープな幸せ」って言われた。(そういう非難や嘲笑、悪罵だけは覚えてる)

洗濯物を干す、という普通の人なら当たり前にできるであろう行為だからチープと言われたんだろうけれど、私には当

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人殺しの心理

人殺しの心理

字が読めるようになった頃から家庭・学校の環境から、現実逃避するために読書に耽溺していた。
主に読んだのが、ファンタジーと推理ミステリ系。
ファンタジーはまあ現実逃避するのにうってつけだ。
けれど、推理ミステリ系はなぜあそこまで執着して
読んでいたのかということを疑問にも思わず、ひたすら読み続けた。

ざっと30年以上、推理ミステリに耽っていたことになる。
40歳近くになって文学に目覚め、それからは

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罪人レプリカ

「罪人レプリカ」

眼を
抉りました
ナイフで
この眼はもう二度と
何も、映さない

醜いものが
私は、嫌いです

けれど永遠にうつくしいものなどは
無いのだと解った

春の雨と風に翌日の道一面に散った桜の
淡い薄紅だった満開のうつくしいものが
踏みにじられ黒ずんだ無数の花弁
汚れて、穢れて

右目を抉りました

雪が降り積もっていた、うつくしい朝
夜には泥だらけで道端に除けられていた

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「桃源郷」詩とショートショート

「桃源郷」詩とショートショート

Online Wrters' Club(略してOWC)の花緒さんに、先々週に続いて
またしても私の書いた詩を土台に戯曲化して頂きました!
戯曲(モノローグ)は生意気ながら野暮な発言で改稿してもらうという一拍を挟んで、昨日その改稿版を見て飛び上がらんばかりに嬉しくなっちゃった。
もう凄いの!! この詩からこの戯曲が!? って感動しちゃった!
同時になぜこの作品を私は書けなかったんだろうと歯噛みする

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詩を戯曲にして頂いた話

詩を戯曲にして頂いた話

以下の詩は10年位前(多分)に書いた詩です。
自分ではすごく気に入っていて、書いた当時のことを思い出すと、今でもあの時はこんなにも辛かったんだなーと感慨にふけってしまう。
その当時の私の近辺に関することなんて一行も書いてないのに、当時抱いていた魂を込めたから読むたびに辛さが蘇ってしまって、それがまた、愛しいのです。

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表現者は魂の露出狂

表現者は魂の露出狂

表現者というのは、魂の露出狂だと思っている。

私を見てほしい、くまなく見てほしい、見せていないところまで想像して私で頭をいっぱいにしてほしい。

とにかく見てほしいのである。
見られることの快感たるや何物にも代えがたい。
そうして、見ている側のどんな反応もまた快楽に結び付く。
うっとりみられる、賛辞を贈られる、冷静につくづくと眺められる、醜悪なものを見た、と言わんばかりに露骨に顔を背けられるのも

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言葉を装う

言葉を装う

綺麗な言葉遣いは無料でできるおしゃれ、とはよく聞く言葉で、誰が言ったのかと調べてみたらカズレーザーだった。最初に聞いた時から良いこと言う人がいるなあと思っていた。

大事なことほど丁寧な言葉遣いで言うと、誠意や真心といったものが相手に届きやすい。大事なことじゃなくても、普段から丁寧に話す習慣を持っている人はそれだけでその人を信頼できそうだと思える。

おしゃれ、というのは装うということだ。第一印象

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詩についてのとりとめもないこと

詩についてのとりとめもないこと

自分を指して「私は詩人です」という人のことが長らく大嫌いだった。谷川俊太郎や最果タヒなどの一般に膾炙された人などが言うなら、それは自他ともに認める詩人だろうと思っていたけれど、ネットで細々と書いているだけのような人で、実際にその人の作品など読んでみても「これで自称詩人ですか…」と失笑してしまう人ばかりに遭遇したせいかもしれない。どれだけ「詩人」なめてるんだと思っていた。

でも最近考え方がほんの少

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された側は一生覚えている

された側は一生覚えている

一週間前から毎日、朝起きると実家の事を思い出してしまって鬱になってた。昨日、おとといはもう耐えきれなくて朝から頓服飲んで、家事もできずソファに寝転がっていたり、夫のそばで一日中読書をしたりと甘えた生活を送っていた。

私の朝は早い。睡眠障害なので、だいたい午前3時くらいに起きる。一時間か二時間、換気扇の下でぼんやり煙草を吸いながらとりとめのないことを考えている。それに疲れて一時間くらいこたつで寝よ

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悲鳴の詩

悲鳴の詩

最近フォロワーさんが立て続けに詩の投稿サイトびーれびについてツイートしていたので、久しぶりにのぞいてみた。

いくつか読んだけれど、そういえば人様の詩を読むのも久しぶりだなあと感慨にふけった。あまり好みの詩はなかった。

詩というものは小説と違って、どうしたって自分の魂の一部なりと宿っているのが透けて見えてしまうものだ。小説はその長さによってごまかすことも可能だが、詩はその短さによって端的に表れて

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男と女の手料理

男と女の手料理

うちの夫は料理を趣味にしてくれるような理想的な男ではない。

最初に作ってくれたのは13年位前、私が自殺未遂をしたとき、手首をホチキスの針みたいなもので27か所皮膚を閉じ合わせていた時に、2回作ってくれた。すごく美味しかった。すごく簡単な料理だったのだけど。

折に触れて、あの時食べたご飯は美味しかった、と言ってきたのだが、調子に乗って「じゃあまた作ってみるよ」ということにはならなかった。

そこ

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詩は降ってくる

詩は降ってくる

そもそも私が詩を書き始めたのは、PCをボーナスで買ったのが始まり。

PCに触ったことがなかった私はPCに慣れるため色々ネットサーフィンしたり興味のあることを検索したりして、習うより慣れろ精神で好きなことをすることでいつのまにか使いこなせるようになろうとしてたのだ。

そのなかで目に留まったのがニフティの詩の掲示板だった。詩なんてこれまでの人生で手に取る機会はなかった。国語の教科書でちらりと習った

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下ネタ好きの男って

下ネタ好きの男って

以前の記事、「私はバイセクシャルです」でも書いたが、私はいわゆる男らしい男性は恋愛対象にならないばかりか、人間的に苦手だ。女性成分多めの男性に好意を抱くし、安心する。で、男らしい男性って、高確率で下ネタが好きだと見立てている。

私は女の前で下ネタを話す男が大っ嫌いだ。

なんでこんなに生理的に受け付けないのだろうと考えてみたら、下ネタ好きの男って、要するに女を「モノ」扱いしているからだなと結論し

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正常の越境者

正常の越境者

うちには刃物がない。

正確に言うなら包丁とハサミと夫の髭剃り以外の刃物はない。「カミソリなんてあったら君簡単に切ろうとするだろう」って、カミソリ、カッターの類は全て捨てられてしまった。安全カミソリさえ捨てられた。無邪気に安全カミソリの刃を覆っているプラスチックの部分を外そうとしてみて外れなかったので、ああ本当に安全なんだなあと感心して夫にそれをそのまま言ったら、分解するなんて怖いなにやってるんだ

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