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動物の問題

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#ヴィーガン

「野宿者にヴィーガン弁当を配ろう!」企画レポ①準備編

「野宿者にヴィーガン弁当を配ろう!」企画レポ①準備編

アメリカには「ブラック・ヴィーガニズム」というムーブメントがあります。安い加工肉食品による健康被害が、低所得者層のアフリカン・アメリカンに偏って生じてしまうという社会問題が起きており、そういった健康不公正への対抗と同時に、「ヴィーガニズム=白人の中流階級・上流階級による排他的な思想」といった固定観念を打ち壊すような動きです。

*詳しくは以下の記事参照のこと

日本においても現在のヴィーガニズムは

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京都ヴィーガングルメレポ【後半】——「食べられる」ということを巡って

京都ヴィーガングルメレポ【後半】——「食べられる」ということを巡って

* 前半の続きです。

3日目 烏丸→京都河原町

① Whitely by Toriba Coffee 京都大丸店

万全の態勢で挑みたいので、朝は空腹を我慢し、ホテルで仕事をしつつ、お昼を食べに京都河原町から大通りを烏丸方面へ歩きます。

京都大丸店の3階にあるWhitely by Toriba Coffeeに到着。

東京にもあるトリバコーヒーのやっているカフェ・レストラン。東京のトリバコー

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京都ヴィーガングルメレポ〜食べながら大学の在り方についても考えた3泊4日【前半】

京都ヴィーガングルメレポ〜食べながら大学の在り方についても考えた3泊4日【前半】

京都はヴィーガンオプションがかなり普及しているらしく、「正直東京より便利」と以前他のヴィーガンの方から聞いたことがあります。とはいえわたしは「いやいや、ゆうて東京が一番便利でしょう」と思い、関東を出る可能性を考えていなかったのですが、せっかく関西に来たし、実際のところはどうなのか、京都ヴィーガン事情を検証してみました。

(文責:深沢レナ)

*大阪からの続きです。

1日目 大阪→四条河原町→洛

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大阪ヴィーガングルメレポ〜たこ焼きからラーメンまで食べ尽くす2泊3日の旅

大阪ヴィーガングルメレポ〜たこ焼きからラーメンまで食べ尽くす2泊3日の旅

昨年からわたしたちと一緒に「動物問題座談会」をやっている関西在住の活動家・生田武志さんと、前々から「ヴィーガンの炊き出しをやりたいね」と話していたのですが、ついにお弁当という形で企画実現! 路上生活者の方へヴィーガン弁当を配るため、いざ大阪釜ヶ崎に!!! ・・・しかし、同時に、わたしたち自身が食べるのも大事だよね。ということで、大阪から京都まで、関西のヴィーガングルメを探求しにいきました。

(文

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ヴィーガン・ベジタリアンの人権③「植物はかわいそうじゃないのかよ?」に答えます

ヴィーガン・ベジタリアンの人権③「植物はかわいそうじゃないのかよ?」に答えます

※②の続きです。

ヴィーガン・ベジタリアンへの偏見や不快な質問

——引き続きアンケートを見ていきます。

「実生活の中で偏見を持たれることや不快な質問されることありますか? 具体的なエピソードやセリフがあれば教えてください」という質問がありました。これに対して一番多かった回答は、皆さん薄々おわかりかと思いますが・・・

「植物はかわいそうじゃないんですか?」ですね。

「宗教と思われる」「変な

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ヴィーガン・ベジタリアンの人権——アンケート調査結果② 知られていない苦悩編  【ゲスト:ASー動物の倫理と哲学のメディア】

ヴィーガン・ベジタリアンの人権——アンケート調査結果② 知られていない苦悩編  【ゲスト:ASー動物の倫理と哲学のメディア】

*①の続きです。

ヴィーガン・ベジタリアンの抱える苦痛
——ではアンケートの後半を見ていきましょう。

今も話が出たように、“偉そうな存在”みたいに見られがちなヴィーガンですけども、普段どれくらい我々ヴィーガンやベジタリアンが苦しんでるかということって、一般の人に全然知られていないと思うんです。今回はぜひ、わたしたちがどういったところで苦しんでいるのかを明らかにしていきたいと思います。

まず、

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ヴィーガン・ベジタリアンの人権——アンケート調査結果① 悩みごと&トラブル編 【ゲスト:ASー動物と倫理と哲学のメディア】

ヴィーガン・ベジタリアンの人権——アンケート調査結果① 悩みごと&トラブル編 【ゲスト:ASー動物と倫理と哲学のメディア】

動物問題連続座談会第5回目。これまでさまざまな問題や運動の様子をみてきましたが、運動をやる上で、活動家のバーンアウト(燃え尽き)というものが大きな障害になっているということも見えて来ました。ヴィーガン・ベジタリアンは今の日本社会では超マイノリティ。その人権を向上させるということも、動物の運動を促進する上で重要なのではないか。それと同時に、ベジタリアンやヴィーガンに興味を持ちながらも実現できていない

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世界の動物運動から⑤不完全さをシェアする【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から⑤不完全さをシェアする【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

*④の続きです。

友達を運動に巻き込む方法
関 わたしは今26歳くらいなんですけど、どうやって友達をヴィーガニズムや社会運動に巻き込んでいけるかなと考えます。小中学校は普通の公立高校に通ってたんですが、教室の中でさえ自分の意見を言えない子ばかりで、ちょっとでも目立つと気まずい雰囲気になったり、変な目で見られたりする環境がありました。クラスの中の1人や2人が、レナさんやわたしみたいに何か表現を始め

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世界の動物運動から④アジア諸国での比較【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から④アジア諸国での比較【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

*③の続きです。

運動と資金の問題

生田 活動とお金の問題は非常に大きな問題だと思います。僕は主に野宿者ネットワークで活動しているんですが、基本的に全部ボランティアです。寄付の他は、寝袋を買うための助成金を取ったこともあるぐらいで、活動は無給です。これはいい面も悪い面もあって、もらうお金がないと、紐がつかないので自由にできる。行政への批判とかは気にせずできる。一方で、フルタイムで活動することが

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世界の動物運動から③カナダ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から③カナダ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

*②の続きです。

批判的動物研究

——では次にかほさん、ヴィーガンになった理由や、活動の経験について教えてください。

かほ わたしは日本の岐阜県で生まれ育って、高校を卒業後にカナダに留学して、それからずっとカナダに住んでいます。ヴィーガンになった大きなきっかけは、学部生のときに社会学を専攻していたんですけど、社会学ではいろんな社会問題を扱うので、人種差別や性差別、資本主義や植民地主義によって

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世界の動物運動から②イギリス編(あとちょっとスペイン)【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から②イギリス編(あとちょっとスペイン)【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

*①の続きです。

アニマル・アライアンス・アジアの設立まで

——では、次にエリーさん。ヴィーガンになったきっかけや活動の経験について教えてください。

エリー わたしは日本で生まれ育って、18歳の時に大学にいくためにイギリスに渡って、それから20年ぐらい住んでいました。去年1年は色々動いてたんですけど、今年からパートナーの関係もあってスペインに移住することになり、今はスペイン語を学んでいるとこ

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世界の動物運動から①アメリカ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

世界の動物運動から①アメリカ編【ゲスト:アニマル・アライアンス・アジア】

動物問題連続座段階第4回目。今回は世界の動物運動を知るために、海外での活動経験豊富なアニマル・アライアンス・アジアの方々にゲストに来ていただきました。アメリカ、イギリス、カナダやアジア7カ国(+ちょっとスペイン)と、日本での活動を比較し、どういった運動が効果的か、日本にはどのような問題があるかなどを議論していきます。

※動画の内容を一部、加筆・修正しています。

アニマル・アライアンス・アジアの

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ヴィーガン・ベジタリアン、もしくはそれらにご興味のある方へ、アンケート実施中です!

ヴィーガン・ベジタリアン、もしくはそれらにご興味のある方へ、アンケート実施中です!

日本でも少しずつヴィーガニズムが普及し、「ヴィーガン」という言葉もめずらしいものではなくなってきました。しかしながら、まだまだヴィーガンやベジタリアンにとって住みやすいとはいいがたいのが現状。今回は、ヴィーガンやベジタリアンの人権という観点から、動物運動の広め方を考えてきます。

動物問題連続座談会 視聴者募集※ヴィーガン・ベジタリアンや、それらを目指しているけど悩んでいる方限定。

2月1日(木

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動物から考える日本の暴力構造③後半 壁を打ち崩すために 【ゲスト:アニマルライツセンター】

動物から考える日本の暴力構造③後半 壁を打ち崩すために 【ゲスト:アニマルライツセンター】

*前半の続きです。

なんで日本はアジアの中でも遅れているの?

関 わたしは今年、台湾に行く機会があったのですが、台湾ではヴィーガンレストランもたくさんあるし、どのレストランに行っても1品は必ずヴィーガン対応のご飯がありました。さっき、韓国とタイはブロイラーの飼育面積にちゃんと法律があるという話もありましたが、欧米だけではなく他のアジアの国と比べても日本は遅れているんだと驚いています。それにはい

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