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だいじにしたい

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成功と幸福

成功と幸福

先日の岸見一郎先生の記事で「成功と幸福」を考える機会を得られました。

三木清の「人生論ノート」の一部を引用しながら以下のように。

新たな観点を得られました。成功は一般的で量的。だから他の人にもわかりやすくて、幸福は性質的で各人のものだから他の人にはわかりづらい。ほんとそう。というか、他の人に自分の幸福を伝えたくなるものかな?

「成功と幸福は違うでしょ?」と言われると「あたりまえでしょ」と誰も

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『風のかけら』 06 彼奴は暗闇に棲んでいる - He, Who Lives in The Night

『風のかけら』 06 彼奴は暗闇に棲んでいる - He, Who Lives in The Night

サンフランシスコの冬でも、やはりそれなりに冷え込む。

「The coldest winter I ever spent was the summer in San Francisco」
「私の人生におけるもっとも寒い冬は、サンフランシスコの夏だ」

文豪 Mark Twain の名文句を知ったのはずっと後のこと。太陽の熱い夏でも霧が街にやってくると不意打ちのように冷え込む。砂漠性気候なのだから夜

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仕事の基礎は高校時代、寮生活の食事当番で学んだ

仕事の基礎は高校時代、寮生活の食事当番で学んだ

練習が終わって選手たちが体育館から寮に戻ってきたとき、あったくておいしい夕ご飯をすぐに食べれる状態をつくる。

それが、夜の食事当番のリーダーを担当するマネジャーの役目だった。

食事当番の一般の寮生をマネジメントして、70人分のご飯づくりのディレクションをする。

いま思えば、食事当番には仕事の基礎がつまっていた。

食事当番をリーダーとして回す経験が、仕事をする中での、段取りや役割分担、任せる

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今ある筋肉をいかに使うか。

今ある筋肉をいかに使うか。

ギターレッスンにて、スケール練習(ドレミファソラシドを綺麗にリズムよく鳴らす)をしていた時。

「ずっとやっていると、右手が痛くなってくるんですよね」

そう伝えると、ギターの先生に言われたこと。

「瀬戸さんの場合、筋トレだと思わない方が良さそうだね。」

スケール練習はひたすら同じフレーズをやりまくる練習なので、確かに自分の中で筋トレっぽさがあった。

だが、僕は過去の人生で「体を強くしたい!

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福祉を突き詰めた先にある景色

福祉を突き詰めた先にある景色

時々仕事をしていて違和感を感じます。
語弊や誤解が生まれるかもしれないけれど、「なんでまるで特別なことのように支援をしているんだろう」と。
 
 
高齢者介護の仕事をしていた時にも感じました。「高齢、という当たり前に誰にでも起きることでなぜうっすらと社会から切り離されるんだろう」と。
介護の専門職が片膝ついて丁寧に接してくれる高齢者施設。でもそこの景色はややもすると日常からはちょっと切り離されてい

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「武道的思考と身体の息吹」という話

「武道的思考と身体の息吹」という話

第Ⅰ章:禅の副作用と精神主義 私は、近代以降の日本人はあまり身体というものを大事にしていないのではないかと考えています。というのも、日本人は身体以上に精神を大事にしすぎる傾向があるからです。

 もちろん精神は大事です。精神が大事じゃないというようなことを言うつもりは毛頭ありません。ただ、精神を大事にしすぎて身体をあまりにも軽んじるようになっているのではないかと思うのです。

 具体的に言えば、日

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「自分リテラシー」の提案

「自分リテラシー」の提案

2000年代になって、あらゆるリテラシーが提唱されてきました。ところでそもそも「リテラシー」とはなんなのか。こういう時大変お世話になるウィキペディアの引用を見てみますね。

リテラシー(英: literacy)とは、原義では「読解記述力」を指し、転じて現代では「(何らかのカタチで表現されたものを)適切に理解・解釈・分析し、改めて記述・表現する」という意味に使われるようになり(後述)、日本語の「識字

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対峙

対峙

 抽象論は時として、その範疇を大きく超えた具体性を持って身に迫ってくる。工場の煙のような灰色の空から見えない無数の水滴が降り、パチンコ屋の前を通る中年の男が理由なくぼくを睨みつける。もしかしたら理由があるのかもしれない。若い女性が、広場でタバコをふかしている。空、というかどこでもない空間を見上げながら、ふぅーっ、と煙を打ち上げる。彼女の意識は煙のようにぼんやりとしていた。雨はすべての人々と建物を音

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できそうなことを、すぐやる。

できそうなことを、すぐやる。

「#自分にとって大切なこと」というお題があったので書いてみようと思います。自分にとって大切なことってなんだろう。すぐ浮かぶのは、「アイデンティティ」とか「時間」なのですが、そうえば、僕の行動原則は「できそうなことを、すぐやる」です。

いつかやってみよう、ではなく、いますぐやる僕はこれまで、大小あらゆる決断において、“入念に計画し、熟慮を重ねて実行” したことがほとんどありません。目の前にある、「

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相手のタイミングをただただ待つということ。

相手のタイミングをただただ待つということ。

「えっ食べるの?ほんとに?」

自分で「食べる?」と聞いたくせに聞き返してしまった。

小1息子は偏食男子で、食べられるもの、食べたいもののストライクゾーンがめちゃくちゃせまい。

そして気に入ったものはずっと食べ続ける。

1歳の頃はずっと「バババーー!(バナナ)」と、バナナがないとおこっていた。

その後、たまごかけご飯期やぎょうざ期などをへて最近はぜっさん唐揚げ期。

保育園の給食のおかげで

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「どんな考え方をクセにすれば自分がもっと頑張れるのかを考えるといいよ」の話

「どんな考え方をクセにすれば自分がもっと頑張れるのかを考えるといいよ」の話

「それと、自分にとっていい法則をたくさんつくれるといいよ。ちょっとしたことが考え方のクセになってしまうことがあるからね」
 私にそう言ったのはデンマークに暮らすアートコレクターの老人だった。彼の家には小さなアート作品がいっぱい飾られている。チーズを食べ終わった老人は、オレンジを輪切りにして持ってきてくれ、私はジンジャーエールを飲みながら赤いオレンジの身をおいしくいただいていた。ここにいると、いろん

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相手を大事にするために、自分を大事にする。

相手を大事にするために、自分を大事にする。

我が家には結婚式の誓いの言葉としてつくった夫婦のミッションステートメントがある。

そして、そのステートメントの最初に「お互いに自分の心と身体を整えること」といれているくらい、コンディショニングを大切にしている。

それをいれた背景は話し出すと長くなるくらいいろいろなエピソードがあるのだけど、かんたんに言うといくらお互いのことが好きで大切でも、自分の体調よくなかったら相手を大事にできないよね、と思

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笑顔でバイバイをする。

笑顔でバイバイをする。



正月に財布を新しく買い替えた。いつも使っている財布の色違いをアマゾンでアマったんだけど、ご丁寧に前回の購入日を教えてくれる。前回は3年前に購入したらしい。古い財布からカード類を取り出して、新しい財布のおなじ場所へ移動する。

まだ新品なので革が硬く、全てのカードを移動するのは難しい。使用頻度の低いナナコカードは一軍落ちとなった。カードだけでなく、よく財布を無くすのでカードタイプのGPSやドラえ

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人が「言葉を選ぶ」時間が好きだ

「うーん」

目の前に、さっきからずっと唸っている人がいる。

金欠を理由に入った渋谷の鳥貴族、なぜかハイペースでお酒を飲み、だいぶ酔いが回った。そんな僕の目の前で唸る彼女はいま「言葉を選んでいる」。

***

数分前、彼女は「早川さんの文章が好きです」と言った。

「僕の文章ってどういう文章だと感じます?」と返した。

彼女は「うーん」と考えこみながらも、慎重に、そして少しずつ言葉を紡ぎはじめ

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