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仕事の基礎は高校時代、寮生活の食事当番で学んだ

練習が終わって選手たちが体育館から寮に戻ってきたとき、あったくておいしい夕ご飯をすぐに食べれる状態をつくる。

それが、夜の食事当番のリーダーを担当するマネジャーの役目だった。


食事当番の一般の寮生をマネジメントして、70人分のご飯づくりのディレクションをする。


いま思えば、食事当番には仕事の基礎がつまっていた。

食事当番をリーダーとして回す経験が、仕事をする中での、段取りや役割分担、任せるところと介入するところの見極め、突発的な対応力を鍛えてくれた。

食事当番を楽しくできる関係や雰囲気づくりなんかもあの頃に学んだ。


70人分のご飯をつくるのは、家で家族のご飯をつくるのとはちょっと違う。

ハンバーグをつくるとなれば、玉ねぎ4袋みじん切り(当時寮にはブンブンチョッパーはなくて包丁のみ)、つくるハンバーグの数はおかわりふくめて200個近く(それを手で成形してフライパンで焼いていた)、みたいな世界。


時間までに作れなければみんながお腹をすかせて待つことになるし、失敗しておいしくないご飯ができてしまうとご飯を楽しみに寮に戻ってくる選手たちも他の寮生もがっかりする。

マネージャーは、交代で体育館で練習を担当する日と食事当番リーダーをする担当の日があったのだけど、食事当番だから楽みたいなことはぜんぜんなく、まぁまぁプレッシャーがかかる仕事だった。


食事当番の日は、まずメニューと材料を確認して、全体の調理の進め方を考える。

煮るとか焼く作業は時間的にボトルネックになることが多いから、ボトルネックを解消するような段取りを考慮する。

料理の後片付けまで段取りするように、仕事をするときも必ず後工程まで作業を洗い出して計画を立てている。


次はその日の食事当番メンバーによって役割分担。

高校1年から3年、スキルもやる気もバラバラ。その中で最大のパフォーマンスが出る担当をふりつつ、ちょっとづつスキルが広がるような任せ方をしていく。

「食当めんどくさい〜」って子が楽しくやれるように声をかけたり、学校や恋愛の相談に乗ったりしながら楽しく、でも手はとめない。

このへんも、いま思うとリソースを最大化させないと達成できないとか、みんなのスキルが広がるとあとあと楽になると思って自然と工夫していたのだけど、仕事の中でも同じことをしてる気がする。


料理は達成がわかりやすい。

完成した、おいしい、おいしいありがとうと言ってもらえた。この3点セットが喜びや次へのモチベーションになる。

だから、味付けはみんなでして「おいしい」を確認したり、完成したらハイタッチしたり区切りをつけて祝う。みんなが食べてるときに、このきゅうりは誰が切ったとか、スープの味付けは誰がしたとか、食当メンバーの名前を出して共有したりしていた。

いまも仕事の中で、一緒に働く人たちには仕事の喜びや楽しさを感じてほしいなぁと願っている。


最近、この習慣やこの考え方はどこからきたんだろう?と自分自身を振り返ると、高校時代に原体験があることが多くて。

寮生活もマネジャーの経験もほんとうにわたしの基礎になってくれているんだなぁと思う。

寮の屋上で家に帰りたいと泣いた日々とそれを乗り越えた高校生のわたしをハグしたい。


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