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2020年11月の記事一覧

命の残滓

命の残滓

行かないでください

あなたがあなたであるように
あなた自身が守ってきた世界から

行かないでください

あなたがいなくなったあと
あなたの残滓を組み立てて
部屋に飾って眺めることは

あなたに期待し
あなたに幻滅し
あなたを歪曲し
あなたを誇張し
あなたからあなたを奪った人々の群れに
私も無闇に迎合することになる

計り知れないためらいの数々

大切なものが多すぎて
守りたいものが多すぎて
生き

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この命に最高の意味を見出だすために

この命に最高の意味を見出だすために

                                                     

満を持して響き渡るスタート音

好スタートでも

出遅れても

胸の中を文字だらけにして焦らずに

いつも通りに

一歩を重ねてくんだ

                                                     

動きの一つ一つに

想いを乗せ

命を乗せ

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想い織る 思い出編

想い織る 思い出編

この空の向こうに在る
輝く彼らに想いを馳せると
想いの糸が 一筋
金色に光り生まれます

それは今この瞬間に
幾多の胸の内に生まれ
彼の地に向かって
一筋また一筋と翔けるのです

時を追うごと
光は煌めき勢いを増し
流星群のようにして
彼らの元へ降り注ぎます

王蟲の掲げる触手の如く
金色に輝く球となって
想いの光は彼らを包む
糸は織られて強さを増して
想う心を繋ぐでしょう

今宵 輝くその球体は

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自分探し

自分探し

秋の夕焼け

春のような

柔らかい風が

夕焼けに伸ばした

手のひらを

ふわりと抜けていく

その心地よさ

命の喜びの感覚

そして思う

この人と自然の

営みの中で

私の生きる意味を

知れたなら

どんなに嬉しいだろう

知りたい

いまは

自然の中で

自分探しの途中

〖作詞〗『planetarium』

〖作詞〗『planetarium』

『planetarium』
作詞 : S0U

規則に少し 反抗し
自由時間に 外に出る
2人で決めた 暗い場所
君と秘密の 待ち合わせ
はぐれぬ様に 手を繋ぎ
灯りも乏しい 自然に溶ける

背徳感とも 罪悪感とも
思えるような
感じたことない感情に
2人の心も繋がって
声を殺して 笑い合った

君と見た あの日の夜空
アンドロメダや カシオペア
七つの星に 三角形
アルタ

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月の光が砕け消え、闇の粒子が沈んでいく

月の光が砕け消え、闇の粒子が沈んでいく

月の光が砕け消え、闇の粒子が沈んでいく
時計の秒針がとまるほどゆっくりふかく
底の見えない海溝に沈んでいく

波のうねりに溺れた鳥は
喰われ朽ち分解されて海の雪
音も光も吸い込んで
はらりほろりとおちていく

舞う雪は闇の粒子と引きあって
しんしんと深深と
はるか虚空にふりつづく

闇の壁に穴が開き
七色に輝く海月が漂い来る
雪の欠片がわずかに浮かび
光の穴は針の先に消え失せる

雪夜のしじまにぽ

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光

光 それは 命
途絶えることもなく
留まることもない

光 それは 願い
一切の差別なく
あまねく命に降り注ぐ

光 それは 智慧
分厚い疑情を取り払い
本当の姿を照らし出す

光 それは 言葉
意味でも概念でもない
久遠の誓い 全託の信心

ああ、言葉こそ光

生死を超えて 
人間を明らめる
真実への道標

♯子どもの詩 ある晴れた休日

♯子どもの詩 ある晴れた休日

あなたがまっすぐ線を引いた
もういろいろ描かれた紙の上が
さらに埋まっていく

もう冬のようで
暖かい日差しと
冷たい風が
混じっている
そんな昼下がり

あなたはパパを待っている
あなたのご飯を買いに出掛けたパパ

大きく風が吹いた
あなたの短い髪が大きくなびいた
風を振り切るように
あなたは立ち上がる

あなたは
走り出した
もう待っていられなくて
靴も履ききっていないまま

どこにいるかわか

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小鳥のしごと

憂鬱な
曇り空を
盛り上げようと
しきりに鳴く
小鳥たち

負けず嫌い

負けず嫌い

いろいろな事が押し寄せて
さまざまな事情が重なると

心がギザギザになったり
言葉がトゲトゲしたりする

そのギザギザやトゲトゲを
わたしの心でキャッチして
ふんわりとほんわりと
どれだけ包み込んでいられるか

自分で自分に挑戦状!

ふふん♪
やってみせるけどね!

勝ち負けにしてみると
ちょっとだけ
面白くなって来たんだよ

わたしは応援者なんだけど
やっぱり負けず嫌いみたいです

自分の力不

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整える

整える

忙しくなってくると
「自分」を
疎かにしてしまうから

今を大切に心を整えよう

姿勢を正そう
踵を揃えて真っ直ぐ立とう
翼の付け根を意識しよう

言葉を大切にしよう
語尾を整えよう
詩や物語を丁寧に読もう

静けさの中で食事をしよう
珈琲をゆっくり淹れよう
風纏う服を着て歩いてみよう

わたし自身の在りようを
振る舞いを整え正すことで
心の真ん中に取り戻そう

ヒューマニズム

ヒューマニズム

いつもの朝
いつものホームが
人でごった返していた

「○○駅でお客様が列車と接触し…」
「大幅な遅れが見込まれ…」
「大変ご迷惑をお掛け致します…」

確かに列を成すのは
迷惑そうなしかめっ面ばかり

ひとつの思い詰めた命が
    その肉体と精神が
冷たい塊に引き裂かれ
そこにあったはずの
たくさんの時間が奪われた

いつもと変わらない 最期の朝

数十分の時間と引き換えに
命さえ値踏みされる

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身土不二

身土不二

落ち葉たちは

自然のアーティスト

美しく

この黒い大地を

飾ってゆく

その落ち葉も

土に還ってゆく

そっと大地に

手を触れてみた

土の匂いがする

懐かしい匂い

土の匂いが

懐かしいのは

ここが命の

根源だから

私たちは土に

生かされている

身土不二

そんなことを思って

落ち葉のアートを

しばらく眺めていた

運命の化け物

来るなら来てみろ!
運命の化け物
何もかも喰い潰す
竜巻のような侵入者
この眼球の底にある
水面に映る脅迫者
全てを飲み込む
巨大な絶望への入口を
叩き壊して塞いでやる
見えない怪物なら
初めからいやしない