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歴史あれこれ

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歴史ウラ話集。表の歴史に隠れたような歴史のこぼれ話が大好物です。 妄想や独自の見解話などの収集帳。
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2022年10月の記事一覧

「直違の紋に誓って」~こぼれ話2

「直違の紋に誓って」~こぼれ話2

涙・涙の場面が続いた第2章を、全て公開しました。
多少はフィクション要素も入っていますが、ほぼ二本松藩史に登場するエピソードを基に小説にしています。
私にしては結構残酷な場面が多めということもあり、書いている最中、二本松藩史を読み返しては涙ぐんだこともしばしば。

さて、上記の悩んだ点の回答を。

剛介と一緒に生き延びる人を誰に設定するか?

二本松少年隊研究者の第一人者と言えば、紺野庫治氏。

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アメリカの「対中国関与政策」の誕生と破綻

アメリカの「対中国関与政策」の誕生と破綻

ナポレオンは中国のことを「眠れる獅子」と呼んだそうですが、1994年に亡くなったニクソン元大統領は晩年、中国について「われわれはもしかするとフランケンシュタインの怪物を作り出してしまった」と回顧しました。この言葉は予言めいていて検索すると無数に記事が出てくるほどですが、要は「アメリカの脅威をアメリカ自ら作ってしまった。それが中国だ」という意味になります。

1972年ですからちょうど50年前、ニク

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歴史フィクション・幕末Peacemaker 【06】~生麦事件(01)=その日=~(2249文字)

生麦事件で殺害されたチャールズ・レノックス・リチャードソン(1833-1862)[以下リチャーソンと記述]が、いつ日本にやってきたかー。
1862年はわかっているが、何月何日である、とまでは特定されていない。
歴史学者の町田明広氏は『7月初め頃であったらしい』と著わしている。

宮澤眞一氏の『「幕末」に殺された男』によると、リチャードソンの両親は『両家ともにジェントルマンの階級に属し、決して豊かで

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どこまでも黒い「三浦義村」

どこまでも黒い「三浦義村」

和田殿~~!

次回で「鎌倉殿…」の癒しキャラがついに最期を遂げる。

和田義盛(横田栄司)は源頼朝挙兵以来の功臣であり歴代の鎌倉殿に尽くし、合議制13人の一人にも選出され、初代侍所別当となる重要御家人でした。

ダークサイドに堕ちた北条義時による執拗な挑発で蹶起し、ついに滅亡してしまいます。

「和田合戦」といわれるその戦後、境川には234もの和田一族の首級が晒されたと記録にあります。

234

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■【より道‐112】戦乱の世に至るまでの日本史_時代を超えた因果応報「永正の錯乱」

■【より道‐112】戦乱の世に至るまでの日本史_時代を超えた因果応報「永正の錯乱」

中世・戦国期の時代がややこしいのは、有力大名のお家騒動に加えて、家格が「下の者」が「上の者」打ち負かす。つまり、下剋上がおきたことになりますが、これまた、あっちこっちで、いろんな問題が起きているのでなかなか頭の整理がつきません。

足利将軍家でも「応仁の乱」や「明応の政変」「船岡山合戦」とよばれるお家騒動がおきていますし、有力武家の六角氏、畠山氏、斯波氏、京極氏などのお家騒動が複雑に絡みあったりも

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9.11はどこまでパールハーバーか―ジョン・ダワー『戦争の文化』を読む―

9.11はどこまでパールハーバーか―ジョン・ダワー『戦争の文化』を読む―

はじめにジョン・W・ダワーの『戦争の文化』の日本語訳が2021年12日3日に刊行された。副題は「パールハーバー・ヒロシマ・9.11・イラク」とあるから、一見すると日本の真珠湾攻撃、アメリカの原爆投下、アルカイダの9.11テロ、イラク戦争を同列に見立てて、共通する戦争の心性を導き出そうとする試みのように思える。しかし監修の三浦陽一が「この本の主役は(…)アメリカである」と指摘しているように、(ときお

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特別展「独眼竜 伊達政宗」

特別展「独眼竜 伊達政宗」

先週のことですが、福岡市博物館で開催中の特別展「独眼竜 伊達政宗」を観てきました。

仙台市博物館が休館中で、東北まで行かないとまず見られない伊達政宗関係のお宝が、はるばる九州入りした今回の展覧会。展示は前期、後期で入れ替えがあり、私が前期に行ったのは、国宝に指定された慶長遣欧使節関係資料の「支倉常長像」をどうしても観たかったからです。

まずは福岡市博物館の外観。3年ぶりぐらいに行きました。市立

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謎の石垣は70キロ

謎の石垣は70キロ

紀伊半島、和歌山県の熊野地方に不思議な石垣があるんだって。
それはね、自然の石をつんで作った石垣で、70キロも続いているというんだよ。
それはね、いろんな形の大きな石がパズルのようにじょうずに組み合わされているんだ。
高さは1.5から2メートルもあって、幅もしっかり50から80センチもある
りっぱな石垣さ。この謎の石垣は、那智山、妙法山、烏帽子山、大雲取山の4つの山を囲むような形で作られているんだ

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天の岩戸

日本の神話は上手く作られていると思います。

例えば、アマテラスの天の岩戸の話。

海原を治める弟のスサノオが、母がいる根の国に行きたいと泣き続けたためイザナギによって追放される。そこで、根の国に行く前に姉のアマテラスへ挨拶をしようと高天原に上る。でもアマテラスは、弟が高天原を奪いに来たと思い武器を手にして待つ。

スサノオは、誤解ですと誓約をして身の潔白を晴らす。だけど、図に乗って乱暴を働いたの

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歴史学とアイデンティティについて

歴史学とアイデンティティについて

執念深いわけではないんです。重ねていいますけれども、問題提起をいただいた方には感謝しなければなりません。

歴史学とアイデンティティの関係についていろいろ考えたのですが、アメリカの歴史学者リン・ハントの言葉を引用するのが一番適していると思いました。

「集合的記憶が、書物や博物館からテレビ番組やインターネットの噂まで、多用なかたちをとって形成されている。トラウマ的な出来事であろうとも、国民的偉業で

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水 魚

水 魚

こんなコラボはめったにお目にかかれない、と思わされた。
youtubeを漁っていて巡り合ったばかりなのだが、投稿させて頂く。

以前、何かの記事で取り上げさせてもらったストリートピアノ弾きのハラミちゃんと押尾コータローさんというギタリスト。
(某下着メーカー・女社長のヒモを思い出してしまったが、コータローさんに失礼だ・・・)

すごくいい交わり方(ちょっと表現が下品か?)をしている。

余韻がたま

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■【より道‐109】戦乱の世に至るまでの日本史_時代を超えた因果応報_ 日野富子という女

■【より道‐109】戦乱の世に至るまでの日本史_時代を超えた因果応報_ 日野富子という女

平安時代末期に後白河法皇の息子、以仁王が平家討伐を企てると、それを知った検非違使たちが、以仁王を捕縛しようと、兵をあげ内裏に向かいました。

そのころ、内裏の警護を担当していた、滝口武者の長谷部信連は、騒々しい気配を察知すると、以仁王に女装して脱出するようにと進言して近江国の三井寺まで逃しました。

そして、自らは内裏に残ると単身、検非違使たち相手に大太刀振る舞いをしたと言われています。しかし、多

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北条一族の血脈の謎

北条一族の血脈の謎

今年の大河・「鎌倉殿…」もいよいよクライマックスです。
先週は北条家族プラス比企能員の演者さんたちによるトークスペシャルでした。

裏話もたくさん聞けて、とても面白かったですね。
特に北条義時の最期の展開の意外性を匂わせていて、いったい三谷さんはどんな脚本に仕立てたのか、今からワクワクしてしまいます。

さて、やっと主役である義時の執権が始まります。

今までの濃い「ネタふり」をふまえて、これから

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妄想メモ〜桶狭間の戦い〜

妄想メモ〜桶狭間の戦い〜

noteでたくさんの知見をいただいている「千世さん」や「はーぼさん」の素晴らしい記事に刺激されて、私にも桶狭間ブームがきました!(笑)

◆千世さんの記事ご紹介

◆はーぼさんの記事ご紹介

https://note.com/think_easily/n/ne083923fb6d6

上記のお二方の記事を読んで、感想コメントを考えていたら、素朴な疑問として、「広い三河領において、なぜ桶狭間だったの

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