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福岡を拠点に、歴史学と郷土史を発信しています。

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久留米歴史散策

本日はお日柄もよく、ふらっと久留米まで行ってきたよ。 最寄りの大橋駅から西鉄大牟田線特急でわずか2駅24分、西鉄久留米駅からJR久留米駅までもバスで10分程度。あっというまに筑後の国・久留米にやってきた。 JR久留米駅水天宮口っていうんだから、水天宮まで徒歩数分、これまたすぐに目的地の水天宮に着く。 東京では地下鉄水天宮前駅チカにある水天宮が有名で、「情け有馬の水天宮」なんて洒落が江戸時代からあるのだけれども、総本宮はここ久留米の水天宮で、江戸の水天宮は、あまりに総本宮に

    • 国会図書館に行ってきた

      私は図書館が好きだ。 村上春樹の小説のようにメタファーとして図書館が好きなのではなくて、単に数多くの本に出会え、探している情報を仕入れられるからだ。 とはいえ市民図書館は児童書や一般書ばかりなので、本気で資料を漁るときは、東京にいた時は広尾の都立中央図書館、福岡の時は福岡市総合図書館を利用している。印刷業界に関しては東京・新富の印刷図書館である。 ところが今回、「月刊マーチャンダイジング」という雑誌を探すことになったのだが、どこにもない。というわけで今回、上京した機会に、思い

      • インド概説

        中国は日本の歴史に深いかかわりを持ってきたがゆえに、その近現代史についても比較的学んだ記憶がある。国共内戦とか文化革命とか天安門事件とか。しかしインドについてはよう知らん。というわけで、ざっくりインドの現代史をみなさんと学ぼうと思う。 インドはアーリア人が原住民のドラヴィダ人を駆逐したと学んだような気がするが、現代のインドは南インドに追いやられたドラヴィダ系インド人の方が教育水準が高く、治安もよく、バンガロールやハイデラバードなどのIT集積地も擁している。 よく知られている

        • 今さらながらのミラン・クンデラ追悼

          チェコの作家ミラン・クンデラが亡くなったのを、最近、小さな書店の書評コーナーで知った。大型書店でもそんなに大きな扱いではなかったのかもしれない。それとも私が文学に無頓着になったからかもしれない。おそらく両方だろう。 クンデラといえば『存在の耐えられない軽さ』で有名であり、私が文学部に在籍していた頃はジュリエット・ビノシュ主演の映画とともにとても持て囃されていた。私も同作は読んだし、デビュー作の『冗談』から比較的最近の『無意味の祝祭』までを読んだ。しかし記憶が朧げなのは、私にと

        久留米歴史散策

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          キンドル出版の今昔

          キンドル・ダイレクト・パブリッシング(KDP)で3冊のペーパーバックを2023年6月に出版して4カ月、ようやく銀行口座に最初のロイヤリティが入金された。数万円であるがまあほっとしたし、嬉しかった。 入金までに4カ月もたったのは紆余曲折がある。そもそもキンドル・ダイレクト・パブリッシングは月末締め翌々月末払いであり、最短でも売上が発生してから60日後にしか入金されない。そんなことも調べもしないで、毎月末銀行に記帳に行って「おかしいな、入金されてないな」ともやもやしていたのである

          キンドル出版の今昔

          ビートルズのアビイ・ロードについて

          私は音楽は好きですが、機微のある方ではなく、ポピュラーな曲を特にこだわりもなく聴いています。10代はBOOWYとかユニコーン、20代は小沢健二などの渋谷系の一方でNIRVANAなどのグランジロックにはまったこともありましたが、今では気紛れにspotifyに溜めた曲を聴くくらいです。米津玄師とか、斉藤和義とか。 例外はビートルズかなあ。特に彼らの事実上最後のアルバム、「アビイ・ロード」は熱心に聴いてきたし、聴いてます。私は音楽通でもないし、彼らのバックグラウンドなんてまるで知ら

          ビートルズのアビイ・ロードについて

          なぜ印刷会社がコーヒー牛乳を作っているのか

          解説しよう!紙製で筒状の飲料容器を見たことがあるとしたら、それはほぼ間違いなく、トッパングループの千葉県袖ケ浦工場で作られている。紙製で筒状の飲料容器「カートカン」はトッパンの日本国内の専売特許だからだ。なんで飲料容器を印刷会社が作っているのという素朴なご質問についてお答えすると、もちろん容器の外装の印刷を行っていることもあるが、それ以上に内側のバリアフィルムというフィルムを製造、貼り合わせしているからだ。バリアフィルムを内側に貼らなければ、中身の飲料はあっという間に腐ってし

          なぜ印刷会社がコーヒー牛乳を作っているのか

          キンドルで本を出版したところ講演依頼が来た話

          私は2004年から15年間、印刷業界新聞記者やフリーライターをしていた過去があるが、現在はしがない一事業主である。それでも書きたいことが次々と思い浮かび、「note」にて執筆活動を継続してきた。そしてある程度原稿がたまったところで、キンドル出版(KDP)にてペーパーバックを出版してきた。『愛ゆえの福岡市』 『とりとめのない歴史』などがそれである。 ところが、売れない。郷土史家としても歴史ライターとしてもまったく無名の私の本を、親戚や友人以外に誰が買ってくれるだろうか。いや、

          キンドルで本を出版したところ講演依頼が来た話

          らたいがしぶいぶしがいたら(回文)『またたび浴びたタマ』(村上春樹)より。回文だけで本を書くところが、ふざけた作家と思われるところなんでしょうな。ハルキストより。

          らたいがしぶいぶしがいたら(回文)『またたび浴びたタマ』(村上春樹)より。回文だけで本を書くところが、ふざけた作家と思われるところなんでしょうな。ハルキストより。

          2年前に中古車売ったのだが、やっぱりビッグモーター怪しかったな。と言ってもどこもかしこも怪しげだったが。。。https://note.com/oyamadak/n/na4618ca31ab3

          2年前に中古車売ったのだが、やっぱりビッグモーター怪しかったな。と言ってもどこもかしこも怪しげだったが。。。https://note.com/oyamadak/n/na4618ca31ab3

          幻の「大坂幕府」構想

          それは綱渡りの勝利だった。 徳川秀忠隊3万8000余の遅参により、関ケ原における東軍の前線部隊3万強のうち、徳川の主力部隊は6000余人しかいなかった。 結果的には勝ったのだからよかったではないかと言われると、そうではない。戦後処理において西軍の諸大名から没収した632万石のうち、実に80%強にあたる520万石を関ケ原で活躍した豊臣系大名に与えなければならなかったのである。例えば福島正則には安芸・備後約50万石という破格の厚遇を用意したのだが、それでも家康側は不服に思われ

          幻の「大坂幕府」構想

          日帰り兵庫県の旅

          今まで生真面目に歴史エッセイを書いてきましたが、今後はブログ的にnoteを使おうかなと思います。そういったユーザさんがほとんどのようですし。 私は右翼でも過激思想家でもないのですが、3月に「尊王攘夷の旅」を行った際、行きそびれてしまった神戸市の湊川神社に行こうと思い立ち、今日日帰りで行ってきました。湊川の戦いで自害した楠木正成公の墓があり、明治になって神社になった地ですが、水戸学の祖とも言える徳川光圀公が、半ば強引に楠公の墓を立てたのですな。 博多駅から新神戸駅に降り立ち

          日帰り兵庫県の旅

          【暴露系noter?】有名人の思い出

          私は業界紙の記者だったこともあり、いろんな有名人にお目にかかりもした。オフレコに抵触しない限りで、有名人とのエピソードを話したいと思う。(敬称略、肩書は当時。小池栄子編、宮崎あおい編、青山真治編、柴田元幸編はリンクの通り) 浜田幸一(コメンテーター) 大学1年生のころ東大の本郷キャンパス近くの歩道を歩いていたところ、ボディガード付きの浜田幸一に出くわした。テレビ映りどおりの人相だったので、思わず指を指して「あっハマコーだ」と叫んだら、「よう、東大生」といって腹を殴られた。こ

          【暴露系noter?】有名人の思い出

          東京・水戸「尊王攘夷の旅」3日目(最終回)

          (2日目後編から続きます) 3日目は昼食会と飲み会を元同僚のみなさんと開く予定だったので、朝に慌ただしく皇居(旧江戸城)に行ってきたよ。 前述のように、井伊直弼が「安政の大獄」で目論んだのは徳川斉昭はじめ水戸一派の一掃でしたが、水戸一派は「桜田門外の変」というテロで報復に出ます。テロでは何も生まれないとも言いますが、実際このテロによって、尊攘派は息を吹きかえし、幕府の権威は失墜します。 桜田門外の変の詳細についてはここでは省きますが、桜田門、行ったことありますか?私はあ

          東京・水戸「尊王攘夷の旅」3日目(最終回)

          東京・水戸「尊王攘夷の旅」2日目後編

          (前編より続きます) 水戸駅まで戻ってきて、北口から「水戸学の道」を歩く。1周2.5キロの散策路なんだけれども、かつての水戸城の二の丸・三の丸のほぼ外周を辿る道なんだね。ネットの旅行ガイドとかを見ると、弘道館に隣接した別スポットとして説明されているけれども、水戸城は弘道館どころか、現在の筑波大学付属小学校、同幼稚園、県立水戸第三高校、市立第二中学校、市立三の丸小学校、県立図書館、県庁三の丸庁舎などの敷地を内包する巨大な城塞でした。35万石の水戸藩で、江戸では諸藩1、2位の上

          東京・水戸「尊王攘夷の旅」2日目後編

          東京・水戸「尊王攘夷の旅」2日目前編

          (1日目から続きます)。 2日目はついに水戸へと旅立ちました。といっても上野駅から特急で1時間強で着くんだけどね。 私は水戸について完全に不勉強なので、もろもろの史跡をとりあえずスルーして、まずは茨城県立歴史館に行きました。 若き日の徳川光圀が実はグレていたことはけっこう有名かもしれません。具体的には「かぶきもの」だったわけですね。色とりどりの派手な服装を着、風紀を乱すといわれる三味線を弾き、下々と下ネタ話をし、風俗通いで変装して朝帰り。徒党を組んで刀で脅し、時には罪な

          東京・水戸「尊王攘夷の旅」2日目前編