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学び

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#読書感想文

関係代名詞主格の省略に関する一考察

関係代名詞主格の省略に関する一考察

最近、Kazuo Ishiguro の
'The Buried Giant'(忘れられた巨人)を再読している。

作品の内容を楽しむというより、文章を追って文法的に面白いところを探すという楽しみ方をしている。

カズオ・イシグロの英語の文体は、私が思うに「受験英語」を極めた人の英語のようだ。方言はほとんどなく、そのまま暗唱して覚えれば、受験や資格試験の英語の答案で模倣して借用しても良さそうだ。そ

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助動詞 shouldの用法

助動詞 shouldの用法


最近暑くなってきて、難しいことを考えるのが少し億劫。けれど、英語学習は続けたい。だから、ここ1ヶ月くらいの間は、普段より軽めの英語本を読んでいる(眺めている?)。

日常会話での「should」の使い方

いま読んでいるのは、デイビッド・セイン(著)「『なんで?』はWhy?じゃいけない!」(新星出版社)という図書館で借りた本。

この本の最初のほう(前掲書pp.14 - 17)には、助動詞「sh

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書評 | 英作文ナビ

書評 | 英作文ナビ

 大学受験はもう関係ないし、英検1級にも合格してから時間が経つから、英語の問題集や参考書に目を通すことがほとんどなくなった。グダグダと洋書を読んだり、TEDを聞いたり、『地球ドラマチック』を副音声で聞いたりしている。だから、英語を勉強しているという意識はあまりない。
#TED
#地球ドラマチック

 ただ、そのような「読む」「聞く」だけだと「受け身」というか、情報を受信するというインプットばか

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読書 | 読む力・聴く力

読書 | 読む力・聴く力

 先日、『読む力・聴く力』(河合隼雄・立花隆・谷川俊太郎、岩波書店、2006年)という本を読んだ。それぞれの方の言葉や読書への思い、対談などが収録されている。

 前掲書の冒頭には、河合隼雄さんの「『読む 聴く』の大切さ」というエッセイが掲載されている。

河合隼雄、「読む 聴く」の大切さ、前掲書pp.3~5より引用

 「読む 聴く」というと、何らかの文章を読む、他人の話を聞く、というので

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書評&句読法のまとめ | セシリア・ワトソン著「セミコロン」

書評&句読法のまとめ | セシリア・ワトソン著「セミコロン」


(1) セレンディピティ?

 図書館で面白そうな本を見つけた。

 セシリア・ワトソン(著)[萩澤大輝/倉林秀男(訳)]「セミコロン」(左右社)、2023年。
#セシリア・ワトソン #セミコロン #左右社

 図書館に行ったときは、必ず(と言っていいほど)、語学コーナーを覗く。

 英語に限らず、未知の言語であっても新刊書がないか確認している。英語本はやはり本の数は多いが、同工異曲の本が多い

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読書 | 小説作法 📖スティーヴン・キング

読書 | 小説作法 📖スティーヴン・キング

 去年の暮れの頃から、文章の書き方の本を読んでいる。
 清水幾太郎、筒井康隆、三島由紀夫とつづいた。今はスティーヴン・キングの「小説作法」(邦訳でね😊)を読んでいる。

 たいてい、繰り返し読む本ならば、図書館で借りて一読したとしても手元に置きたくなって購入する。しかし、この本はまだ購入していない。というのも、図書館に行くとあまり借りる人がいないようで、読みたくなったときにはいつでも借りられるか

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三島由紀夫 | 小説読本(中央公論新社)

三島由紀夫 | 小説読本(中央公論新社)


はじめに

 最近、まともな物語がまったく書けない。「いや~あんたは前からまともな作品なんて書いてないじゃないか」と言われればグウの音も出ないのだが、少なくとも自分で納得のいくものが書けていないという意味でスランプ状態である。

 それなりに多くの小説らしきものはたくさん書いてきたが、長編小説と呼べるようなものは皆無であり、思い付いたことを、ただ何の構想も練ることなく、書き連ねてきただけに過ぎな

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わたしのオススメ自己啓発書10冊

わたしのオススメ自己啓発書10冊

 いわゆる「自己啓発書」と呼ばれている本は読まない。その理由はいくつかある。


しごく当たり前のことしか書かれていない。

成功体験を語る著者の臭気が嫌なこと。

仮に万人に実行できることならば、もう他にすでに実行に移しているだろうから、自分が実行しても二番煎じに過ぎず、決して自分の成功にはならないから。

一度読む、というか、目次を見れば本の内容が分かってしまうので、本文を読んでも時間

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保存版 | 英語学習法 | 新書で英語を学ぶ。

保存版 | 英語学習法 | 新書で英語を学ぶ。

 英語を独学するならば、受験や資格試験の問題集を解いたり、原書のペーパーバックを読んだり、映画・ニュースを見たりして、文法に関しては、参考書を読んで理解するというのが、スタンダードな方法だろう。

 ただ、いま上に書いたような方法は、単語・熟語を覚えたり、例文を覚えたりという反復練習を伴うもので、「飽き」が来るときがある。

 そういう時には、無理して英語の勉強を継続せず、いったんリセットして再開

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英語 | 方言と標準語

英語 | 方言と標準語


(1)日本の翻訳文化

 日本の翻訳文化は、漢文で書かれた仏典を書き下し文(かきくだしぶん)として読む頃から始まる。また、江戸時代には、前野良沢・杉田玄白らによって「ターヘル・アナトミア」が「解体新書」として出版されたが、和漢混淆文ではなく漢文で邦訳された。

 言ってみれば、日本の翻訳文化は古くは飛鳥時代からあった。イソップ物語など欧米諸国の物語が訳されたのは、安土桃山時代の頃だが、現代に至る

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対訳 | Irene Adler / "the" woman

対訳 | Irene Adler / "the" woman

To Sherlock Holmes she is always the woman. I have seldom heard him mention her under any other name. In his eyes she eclipses and predominates the whole of her sex. It was not that he felt any emotio

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