雨の日の美術館Ⅷ
「雨の日の美術館」は、2017年のレールガン開発の顛末(サドガシマ作戦の4、5年前)を書いたものですが、なぜか、日本人男女のお付き合いという脱線になってます。
エレーナ少佐のサドガシマ作戦、時系列 R1
マガジン『エレーナ少佐のサドガシマ作戦』
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2017年9月のある日、智子
★ 真人と智子
「あ!しまった!」と真人がスマホを見て言った。「何が『しまった!』の?忘れ物?」と智子が背の高い真人を見上げて聞く。
「エクセルホテルのバーもダイニングももう閉店時間過ぎちゃってるじゃないか。バーに行くつもりだったけど・・・」
「そうっか、閉店時間か。残念だね」
「景色がいいから智子も楽しめると思ったのに・・・」
「真人、ほら、あそこのコンビニ。コンビニでお酒とおつまみを買って部屋で飲んで食べるのどうかな?」智子が傘の下からコンビニを指差す。
「コンビニ?それでいいの?」
「それでいい!夜も遅いんだし」
二人はコンビニで真っ先にお酒のコーナーに行った。「何にしようか?」と真人。「そうねえ、お店ではジャックダニエルだったから、I.W.ハーパーじゃどうかしら?」「俺もハーパーはよく飲むよ」「じゃあ、ハーパーで」
真人がカゴを持つよ、と言ったが智子が渡さない。買い物カゴを持つと主導権が発揮できるんだもん!とおかしなことを言う。その主導権で炭酸、袋入りの氷、アーモンド、ハーシーズのチョコ、鮭のおにぎり、いなり寿司をカゴにポンポン放り込む。それでレジにスタスタ行ってしまう。真人があわてて財布を出そうとする。
レジ前で「ダメ。ホテルは真人。お酒とおつまみは智子が出すの。主導権ってそういうものよ」と言う。ハンドバックからコンパクトなピンクの長財布を出した。だらしない女の子だとレシートなんかで膨らんでいるけど智子のお財布は現金とカードしか入ってない。「ゴメンね。自分の好きなものを買うんだから自分で払うのよ。ねえ?そうでしょう?」とレジの女の子に言う。女の子は一瞬キョトンとしたが「私もそうします」などと答えている。
エスカレーターで2階に行って、エレベーターで4階のロビーに。そこにレセプションがあって、朝食をサービスするトレントというバー&ダイニングがあった。もう閉店している。
レセプションで真人が「予約した近藤です」と受付嬢の前にクレカを差し出す。チェックインカードを書いた。智子は少し離れた後ろのチェアに座った。
ホテル階は9~13階。部屋は10階だった。広いエレベーターホールの横に靴磨きのサービスが有る。誰が利用するんだろう?と智子は思う。長い廊下を少し歩く。1026号室だった。ルームカードで真人が解錠する。
入って左に等身大の鏡があった。智子は真人の腕を掴んで鏡の前に立たせる。「え?何?」「記念写真だよ」と智子が言ってスマホでパチリと撮ってしまう。「証拠写真じゃありませんよ。智子の記念のため。真人、欲しい?」ウンと真人が頷くと智子がサッサと真人に送信した。
部屋はツインだった。ツイン?ダブルじゃないんだ、と智子は思う。
トイレとバスは別だ。ミニサイズの手洗い場がトイレにもついている。ふ~ん、バスルームでガッチャンコしないで済むわね、と智子は思った。窓は足元から天井までのガラス張りだった。夜景がキレイだった。窓からは首都高の立体交差と渋谷の街路が、遠くには東京タワーが見える。
ベッドはそれぞれ枕が3個。枕投げにちょうどいい。喧嘩しても投げられる。へへ。
窓の前にはソファーベッドがある。ソファーでもエッチできるんだね?智子は買い物したビニール袋を置いた。壁付きのテーブルの下の棚を探すとアイスペールがあった。優子との部屋では袋のままだけどね。洗い物が増えちゃうもの。でも、今はちゃんとアイスペールに氷を入れる。タンブラーグラスに氷を入れて買ったハーパーと炭酸でハイボールを作った。
真人は窓から外を見ている。智子は横に立って彼にグラスを渡した。「ああ、ありがとう。夜景、キレイだね」と智子を見下ろす。智子は真人に寄り添って体を押し付けた。真人はちょっと手を中に泳がせて躊躇したが智子の肩を抱いた。「へへ、真人、乾杯!二人の夜に!」と智子がニコッとしてグラスに合わせた。「智子、素敵な夜だね」
しばらく夜景を見ていた。「座ろっか」と智子が言う。ソファーベッドに脚を斜めにしてミニスカートの裾を整える。キレイな座り方だよな、と真人は感心して智子の横に座った。
「ああ、そうそう」と言って真人が財布を出す。「忘れない内に。タクシー代を・・・」と言ってお金を出そうとする。智子は真人の手を握って「いらないよ、タクシー代なんか」と言った。「真人、聞いたね?先輩の隆史さんから?智子ね、誰かとは寝るけど誰とでも寝るわけじゃないんだよ。このお金を受け取ったら真人とはそれだけの関係になっちゃうでしょ?」「だけどさ・・・」
「ねえ、なぜツインなの?」と真人の言うのを遮る。
「ええ?・・・それは・・・お互い、気が合わなかったらダブルの部屋だと気まずいじゃないか?だからこの部屋にしたんだ」
「うん、私もそうじゃないかと思った。気を使ってくれた」とグラスを揺すってグラス越しに夜景を見つめる。「こんなちゃんとしたホテルよ?初めて会ったガールズバーの女に?真人はそういう人なんだなあ、って思ったの。真人は『誰とでも』じゃないもん。『誰か』という人。だからお金なんかいらないわ。この意味、わかって」
「・・・わかった・・・ねえ、聞いていい?」
「答えられるならね・・・」
「その『誰か』って何人くらい?失礼だけど?」
「何人だと思う?」
「う~ん、そうだなあ・・・8人?」
「ま!結構な数だこと。でも、当たらずと言えどもというところかな?智子の人生で『誰か』は7人です。多い?引いちゃう?」
「いや、もっと多いと思った」
「そうでもないのよ。誰でもいいわけじゃないし。体目的の人が寄ってくるけど、それじゃあねえ・・・じゃあ、真人は何人なの?『誰か』と『誰でも』を合計すると?」
「あれ?何人だろう?・・・う~ん・・・『誰か』が5人で・・・『誰でも』も5人、かな」
「率直にお答えいただきありがとうございました。へへ。じゃあさ、今は『誰か』はいるの?」
「さっきも話したけど、独り寝が寂しいのが現状だよ」
「私も同じよ。でも、真人はガールズバーで出会った女なんてイヤでしょ?」
「ガールズバーで出会う『誰でも』の女性は困るけど、智子だからいいと思う」
「ふ~ん、私、あばずれで性悪女かもしれないよ?」
「今のところ、そう見えないよ」
「馬の脚は見透かされちゃうものよ」
「馬の脚?」
「馬脚を現す、ってさ。でも、今日は初めて。智子の馬の脚はいまのところうまく隠しているみたいだね?」
「俺だって智子のことは言えないかもしれないよ。本命の彼女がいるかもしれない」
「そうは見えないな。ま、いいじゃん?今夜は二人で馬脚を隠し合いしましょ?・・・真人、ソファーの後ろで手をブラブラさせてどうしたの?」と智子はピタッと真人に寄り添う。「その中途半端なお手々をあるべき場所に持ってこないの?」
「え?ああ・・・」と智子の肩に手を回して抱き寄せた。
「私、はしたない?へへ」と真人に顔を近づける。
「そんなことないよ」
「そぉお?じゃあ、キスしよ。おにぎりといなり寿司を食べる前に。初キスがおにぎりといなり寿司の味ってヤじゃない?」
真人が智子の唇に口を合わせた。バーボンの味がした。智子が口ほどにもなく震えている。真人はサマーニットのプルオーバー越しに彼女の背中をなぞった。背を反らせる智子。ああ、と小さく声をあげた。
智子が彼の首に両手を回して引き寄せた。軽く口が開く。舌がチョロっと真人の前歯をなぞる。真人は彼女の舌をおいかけた。絡み合わせる。彼女の舌を吸う。智子の鼻息が荒くなった。首に回した手をほどき真人の両頬をはさむ。智子が口を離して真人をじっと見据えた。そして、口をつけた。今度は乱暴に。真人の舌を智子がチュウチュウ吸う。唾液を啜った。真人も智子の唾液を啜る。智子の力が抜けたようだ。ぐったりと彼に体をあずけた。
真人が彼女をベッドに運ぶ。抱えてお姫様抱っこで彼女の体を横たえた。真人も体を寄せてキスをする。智子が彼の背中をさすっている。その手が真人のズボンのベルト、ズボンのボタンをはずして、ジッパーを下げた。智子の手が真人のパンツの中に入って、あれを触る。スゥッと根本まで指を滑らしてつかむ。真人も彼女のスカートを脱がして、ショーツに手をいれる。
「真人のあそこ、もうヌルヌルだね?私のは?」口を離して智子が言う。
「ベトベトしてるな。興奮したの?」
「あ!真人、ピクッとなった!」
「智子、我慢できない」
「まだダメ!真人、仰向けになって・・・」
智子は首筋から始めて、真人の体中を舐め回した、あそこ以外を。最後に、智子がお口に真人のを含んだ。二人共服を全部脱いでしまう。真人は智子の脚を開かせた。彼女の股にあてがう。右手で根本を握って、上下左右する。「真人、焦らしてるの?」「そうだよ。智子がしたように」「ガマンできないんだけど」「じゃあ、いただきます」
アレをクリの上まですりあげて、すりさげて、それで下に押し込むんだ。ニュルンと入ってきた!と智子は感じた。頭、入った!ゆっくりと根本まで押し込まれた。
「アア、ヤン、それだめ・・・真っ白になる・・・ま、真人、抜いちゃダメ、動いちゃダメ・・・止めて・・・抱きしめて・・・キスして・・・」と脚を交差させて彼の腰を締め付ける。
「我慢できないよ、智子。好きだよ」と彼女の唇を塞いだ唾液を口移しにして飲ませる。智子はジュルジュルと呑んでしまう。彼女も唾液を彼に飲ませる。確かに、セックスで体液って交換されるんだ、と関係ないことを智子は思う。
腰を左右に振って、彼女の交差した脚を振りほどいた。脚を広げさせる。智子の腕を上げさせて、手首をつかむ。動けないようにさせて、突いた。智子が顎を上げてイヤイヤする。
・・・上体を反らせて最後に根本まで深くひと突きした。真人が智子にのみ込まれるのがわかる。あそこがヒクヒクして、あれにまとわりつく。ああ、俺はこの人、好きなんだな、とこんな時におかしなことを思った。出し終わって、彼女の体に体重をあずけてしまう。智子が腕を振りほどいて、抱きしめた。ギュッとされて、爪が真人の背中に食い込む。智子が深い溜め息をついた。
智子がちょっと動いた。あれ?重かったかな、真人と思って、彼女の横にゴロッと仰向けに横たわる。智子が横向きに、真人の方を向いた。真人のほっぺたを両手で挟んで「真人、感じちゃったじゃない!困っちゃうじゃない!好きになっちゃうでしょう?」とキスしてくる。舌を絡ませて、唾を出して、飲ませる。真人も唾を出してた。彼女がチュウチュウ吸う。音を立てると、お互いますます興奮するようだ。
「あ!真人、中に出した!妊娠したらどうするつもり?」とキスしていた顔を離して智子が軽く言う。
「その時は、責任とるよ。結婚する」
「泣けるこというわね。でも、残念でした!生理痛予防で低容量ピルを飲んでるの。99%、妊娠しないって医者が言ってました。生理の時の新幹線ってキツイのよ。揺れるたびに吐き気がしちゃうから。避妊のためじゃないのよ。でもね、初めてガールズバーで出会った人とその日のうちに結婚の約束なんて、智子、しませんよ。へへ。セックスと妊娠を人質にはしないから安心してね、真人」
その後、備え付けのワンピースタイプの部屋着に着替えて、バスルームで二人は体を洗いっ子した。バスルームはコンパクトで二人で入るとちょっと狭い。フルサイズのバスタブにお湯を満たす。スポンジでお互いの体を洗った。
髪の毛をアップにした智子の体を隅々までスポンジで拭う。彼女の脚をバスタブの縁において、彼女のつまさきから腿まで洗う。ちょっと彼女のあそこをなであげてしまう。彼女は、またキスしてくる。彼女もぼくのをスポンジでくるんで、洗ってくれる。スポンジが落ちて、手でぼくのをつかむ。これではいつまで経っても終わらないな、と真人は思った。
二人で相手をタオルで拭きあって、バスルームを出る。智子はタオルで頭をおおっている。また、二人で抱き合って、ベッドに倒れ込む。そのまま抱き合って眠ってしまったようだ。
9月に二人はたびたび会った。どんどん真人に引かれていくのを智子は感じた。
だが、9月も中旬を過ぎて、真人からメッセが入った。「理由は言えないけど、もう会えない。ゴメン。お別れして欲しい」とあった。
この前会った時は普通だったじゃない?そんな素振りはなかったじゃない?理由は言えない?もう会えない?お別れして欲しい?なんなのよ!なに!私、なんか悪いことをしたの?隠し事なんてしてなかったじゃない!どうしてなのよ!私がガールズバーでバイトしているから?安っぽいの?
智子は理由を聞こうとレスをしようとした。だけど・・・結局、既読の付いた真人のメッセはそのまま智子のスマホに残った。それっきり真人からは連絡がなかった。智子はお店を変えた。
雨の日の美術館Ⅷ
2017年11月15日(水)
美香さんにメッセした。土曜日にデートしましょ、と送ったら、「私、お泊りでも構いません!」なんて返ってきた。日曜日にキスしたから盛り上がったんだろうか?処女だもんなあ。大切にしてやらないと。尾崎は「じゃあね、お泊りの下見をしに行こう」とレスした。「下見ですか!美香、幸せです!」なんて返ってくる。やれやれ。
「尾崎、どなたにメッセしたんですか?」と紺野が不調法に聞く。俺は紺野が研究所から駐車場に来るまでに美香さんにメッセしていたのだ。俺がスマホを覗き込んでいる時に紺野の野郎、ドアを開けやがった。「明細書に書いた比嘉(ひが)美香さんだよ。土曜にデートの約束をしたんだよ」
「おやおや、お熱いことで。その子、まだ調査していないからね」
「まあ、性格が天然だしシロだと思うけどなあ・・・」
「それは甘い。プロのハニトラはそんな演技は得意だからね」
「調査すればわかることだろ?まったく・・・まあ、無料のSPと探偵・興信所が役得でサービスされていると思えば気が楽だ。社民党党首だった福島瑞穂は『秘密取扱者適格性確認制度』について国会で問題にして自民党をつついていたが、SPを断ったという話は聞かないぜ」
「左翼系政党の党首でSPを断るのは共産党ぐらいだよ。その比嘉(ひが)さんも調査が終わるまで自然に振る舞えばいい」
※SP(セキュリティポリス)
紺野が自然に振る舞えというのだから美香さんともそのままでいいのだろう。とはいえ、国家権力が俺の女性関係に介入するのなら、俺だって・・・と思ったが、さて国家権力に対抗するのに俺個人で何ができるんだろう?と思った。
尾崎は、紺野に引きづられて分銅屋に連行された。分銅屋ののれんをくぐると公安警察の富田がカウンターで女将さんと飲んでいた。今日は節子も順子もいない。人払いでもしたのか?と尾崎は思った。でも、女将さんもいるけどなあ。彼女は国家機密に関する諜報の話を聞いてもいいんだろうか?
富田はSPの経験もあるらしい。だから身長は高い。SPの条件が身長173cm以上、柔道又は剣道、合気道3段以上、拳銃射撃上級、英会話ができることなど、一定の条件を満たした警察官だからだ。身長が高いのは仕方がない。
しかし、それ以外はこれと言って特徴はない。外見に目立った特徴がない方が尾行などの隠密行動には有利だ。地味で目立たない。顔も特別男前でもなく、不細工でもない。体型も太過ぎず細すぎず。髪型は普通の七三。ファッションはねずみ色のビジネススーツ。
どこにでもいる中年のおっさんで、口数も少なく、何度か会っている俺でも富田のイメージを思い出すのが難しい。街なかで偶然すれ違っても気づかないだろう。映画のアイアンマンに登場するフィル・コールソン捜査官をイメージして欲しい。フィル・コールソンよりもさらに目立たない。
だが、元SPだ。腕はめっぽうたつのだろう。俺など叶うわけがない。紺野でも負けると思う。
その夜、紺野と富田から国家機密情報の驚くような話をたくさん聞いた。
雨の日の美術館Ⅷ
2017年11月16日(木)、優子と智子、尾崎
★ 車内で
優子との約束通り尾崎は、新大阪17:09発のぞみ38号に乗車した。東京には19:36着だ。尾崎の座席はグリーン車の9号車12C。今朝、優子にはメッセを入れておいた。するとレスで、今晩の飲み会、同僚も連れてきていいか、と聞いてきた。ああ、紺野三佐の言っていた同居している子だろうな?小林智子って言っていたな。尾崎は「問題ないよ。三人でBAR官兵衛でたくさん飲みましょう」とレスしておいた。
グリーン車の乗車率は30%ほどだった。俺の周囲に乗客は居なかった。新幹線の車内販売は平均すると30~45分に1度くらいで回ってくる。グリーン車は普通車よりも頻度が多い。
京都駅を出て5分ほどすると車内販売のワゴンが来た。三國さんがお澄まししてワゴン車を押してくる。パーサーの制服を着ている三國さんは私服姿よりもキレイだ。化粧も多少濃い。「お客様、コーヒーはいかがでしょうか?それともビールはいかがでしょうか?」と他人行儀に聞かれる。
俺は「そうだなあ。東京で待ち合わせをしている美人がいて、酒を飲む約束をしているんだ。だから、ここでアルコールはとりたくない。暖かいお茶をいただけませんか?」と俺も他人行儀で言う。
「まあ、お客様のような方とデートできるなんて幸運な女性ですわね?」とお茶をカップに淹れながら優子。「どうなんだろうな?紙巻きタバコを吸うしお酒も好みが合うんで気があったんだろうね。彼女、東京駅でタバコを吸いにくるかな?」と俺が言うと、
「東京駅の到着は14番・15番ホームですわ。喫煙ルームは11号車付近のプレミアムキオスクの隣りにあります。だけど、その女性は到着ホームですとJR乗務員や同僚などの目もありますから、前回と同じ山形新幹線のホームの喫煙ルームがいいんじゃありませんか?」と三國さんが言う。
「なるほど。それは気が付かなかった。あなたの言われるとおりに山形新幹線のホームに行ってみましょう」
「いい出会いがありますように。では、お茶をお楽しみください。後で私の同僚も回ってくると思いますよ」
「ありがとう。じゃあ、また」
名古屋の手前でまた車内販売が回ってきた。三國さんと同じく黒髪でショートの女性だ。三國さんよりもちょっと背は低いが、まずまずの美人だ。彼女が紺野の言う小林智子なんだろう。
「お客様、お茶、コーヒーはいかがでしょうか?それともビールはいかがでしょうか?」と俺に聞く。「そうだなあ。さっきの女性にはこれからお酒を飲むからお茶をと頼んだが、少し飲みたくなってきた。ウィスキーはありますか?」「ミニチュアボトルなら山崎12年とジャックダニエルズがございます。あと角ハイボールがありますけれど?」「ああ、山崎12年にしましょう。3本」「3本ですか?」「度々頼むのも面倒でしょう?」「なるほど。水割りで?」「いえ、ロックで。それと炭酸がありますか?」「ウィルキンソンの缶ならございますが?」「じゃあ、それは1本。チェイサー代わりに」「承りました。お作りいたします?」「ああ、お願いします」
智子はウィスキーのロックを作りながら「お客様はタバコをお吸いになるそうですね?同僚が言っておりました。それで偶然ライターを忘れた女性とお知り合いになられたとか。私、タバコを吸いませんが、そういう出会いがあるなら吸ってみようかしら?」と言う。
「東京都知事に怒られますよ。でも『火を貸していただけます?』なんて美人に尋ねられるのは出会いとしてはいいシチュエーションですよね?」「羨ましいです」「いやいや。その女性と彼女の同僚と神田で飲む予定なんですよ」「いいですね、そういうの」「あなたの同僚の方もそのバー、ご存知じゃないですか?行かれるのも面白いですよ?」「行ってみようかしら・・・あ!ウィスキーと炭酸水です。では、お楽しみください。失礼いたします」
ふむ。ただ新幹線で移動するよりも、こういうのは面白いもんだ。
ああ、そうだった。尾行しているヤツがいるのかな?たぶん富田みたいな透明人間なんだろうな?これはどんなゲームになるんだろうか?ま、富田の部下がちゃんと見張ってくれているだろう。無料のSPに乾杯だ。
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フランク・ロイドのリンク
参照:フランク・ロイドのマガジン
私のトップページを見ても、続き物が多いので、何がなにやらわかりません。できれば、下記のマガジン一覧から追っていただければ幸いです。
マガジン「エレーナ少佐のサドガシマ作戦」
マガジン「フランク・ロイドの『総集編』」
マガジン「フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス」
マガジン「性同一性障害と勘違いして悩む義理の妹に悩むぼくの物語」
マガジン「縄文海進と古神道、神社、天皇制」
マガジン「ヒンズー教と仏教の原風景」
マガジン「フランク・ロイドのエッセイ集」
マガジン「フランク・ロイドのサイエンス」
マガジン「フランク・ロイドの音楽」
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