「雨の日の美術館」/「雨の日の拾い者」
雨降る日曜日、俺は上野の森美術館の展覧会を見に出かけた。
俺は展覧会の目玉の作品の前で独り言で絵の評論をつぶやいていた。それを耳にした女性がいた。彼女に「私にいろいろと教えていただけませんか?」と言われ「俺も雨の日曜日に一人で美術館をウロウロするよりも道連れが居たほうがいい」と答えて一緒に絵を見て回った。
男性いない歴、イコール年齢という彼女。
それから、居酒屋で酒を飲んだ。「もっと一緒にいたいです!」と彼女に宣言されて、行きつけの小料理屋に行く羽目に。俺は自分で意識しないで変顔をする女性に興味を持って、お付き合いを申し出た。
問題は俺が国家機密を扱う防衛省の公務員ということ。