有科珠々

Paris在住の舞踏家。著書『踊れる身体』shorturl.at/cGHQV は和英仏…

有科珠々

Paris在住の舞踏家。著書『踊れる身体』shorturl.at/cGHQV は和英仏訳版が全世界の数十カ国で発売されている。舞台やダンス教育、イベントのあり方、身体づくりについてnoteで一緒に考えたい。公式サイトhttps://www.dansejaponaise.fr/ja

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  • 55歳以上の女性の美容

    55歳以上の女性の美容法、化粧法、アンチエイジング、生活の習慣を見直す方法などをまとめています。

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  • 2021年の日本一時帰国と隔離生活

    2021年12月フランスから関西国際空港に着いた際の検疫の様子、隔離状況について

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    ダンス公演、パフォーマンス、イベント、ダンスクラスをより良くするための考察をまとめたものです。

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「JOKER」は舞踏する。

封切りされて以来、話題が沸騰しているトッド・フィリップス監督の映画『ジョーカー』をようやく観に行った。この映画では、主人公のアーサー・フレック(ジョーカー)が踊…

有科珠々
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成長の節目を祝う

私の10歳、20歳、30歳、40歳、50歳、60歳の誕生日をどう過ごしたのか、人生の中でどのような変化が起こったかをまとめてみました。一生で何をしたか、ではなく誕生日に何を…

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60歳の誕生日に行なったこと

2023年の5月12日で60歳になった。私はずうっと日記をつけ続けているので、20歳、30歳、40歳、50歳の誕生日には何をしていたのかが記録されている。 これは今年の誕生日に…

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ドアノブが壊れて閉じ込められ、消防車を呼んだ話

閉じ込められたのが私でよかった。ドアの外に父がいてくれてよかった。もしも父が独りの時にドアが開かなくなって出られなくなったらと思うとぞっとする。 事件のあった夜…

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日本一時帰国(老父が要介護1に進んだ2021年12月−2022年3月)

2021年の初め兄の急遽で数ヶ月日本の実家に戻っていたのですが、今年も12月から3月まで帰国しました。「もう帰ってこないの?」と尋ねる父に「年末には戻るよ。冬が来れば…

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北極を通ってフランスまで飛んだ日

今年も老父の世話のため、年末年始を挟む数カ月間は日本で過ごしました。3月24日にフィンエアーで関西国際空港発→ヘルシンキ乗り換え→パリ到着の予定だったのですが、ロ…

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長時間の渡航で機内に持ち込むべきもの5選

2022年3月、ロシアのウクライナ侵攻の影響で普段なら12時間で飛べる大阪ーパリ間が27時間の渡航になりました。こういう長時間フライトで便利だったアイテムを挙げて今後に…

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2021年を振り返る。

明日で2021年も終わるので、2021年総括だあ! 1月: フランスは半ロックダウンで稽古場が閉鎖。舞台の仕事は壊滅。Onlineで活動を続ける。 兄が最期に近づき急いで日本に…

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強制隔離体験記・日航ホテル退所日

2021年12月19日、3日間の強制隔離最終日の検体検査で陰性結果が出、無事に退所できました。 フランスから関西国際空港へ飛び、日航ホテルに入所しフランスから関西国際空…

有科珠々
2年前
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強制隔離体験記・ 関西国際空港前の日航ホテル

2021年12月16日、フランスから関西国際空港へ飛び、日航ホテルに入所しました。ホテルに入るまでの入国の様子は前回のnoteをご覧ください。 関西国際空港に到着した帰国者…

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水際対策中の日本へ一時帰国。 関西国際空港から強制隔離宿舎まで

2021年12月16日、フランスからヘルシンキ経由で関西国際空港へ飛び、無事に日本入国(一時帰国)しました。続いて入国する人に役に立つかもしれないので入国手続きの状況や…

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2年前
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ソロのダンス公演はどうあるべきなのか。Pietragalla solo « La femme qui danse » を観て

昨夜(2021年11月26日)パリ8区のマドレーヌ劇場にてMarie-Claude Pietragallaの« La femme qui danse » を観て来ました。そこで思ったこと感じたことをつらつらと残した…

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作り手の視線は一致させよう(ライオンの眼差し)

2020年にコロナ禍でフランスがロックダウンされてから私はYouTubeチャンネルの制作をかなり本腰入れて行っています。ここでは自分が制作する際、他の人の動画を見るときの…

有科珠々
2年前

公演準備:忘備リストチェックの重要性を再認識した話。

リストを見ながら行ういつもの公演荷造りチェック。会場に向かう時、最後まで忘れていた裁縫道具。「今回は要らないかも」と思いつつスーツケースのポケットに入れた小さな…

有科珠々
3年前
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1日のルーティーン(コロナ禍の中、老父の世話をしていた日本の実家での2021年1−4月)

2019年パリで朝のルーティーンについて書いたのですが(あの頃はまだ犬が生きていたのだね)、これは兄の急遽で日本の実家に戻っていた2021年の1月から4月まで行っていたル…

有科珠々
3年前
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舞踏の即興パフォーマンス2020年9月5日

毎年9月、舞踏クラスの開校前にCarreau du temple(Paris3区の歴史的建造物)で即興パフォーマンスを行っています。Parisのダンス会場は3月のロックダウンからずっと閉館し…

有科珠々
3年前
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「JOKER」は舞踏する。

「JOKER」は舞踏する。

封切りされて以来、話題が沸騰しているトッド・フィリップス監督の映画『ジョーカー』をようやく観に行った。この映画では、主人公のアーサー・フレック(ジョーカー)が踊る。何度も踊る。 そのジョーカーの踊りは「舞踏」を感じさせた。

この映画はダンスをメインテーマとする作品ではない。実際、映画に出てくるダンスの多くが脚本の段階では計画されていなかったとフィリップス監督は語る。ダンスはアーサー・フレック役の

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成長の節目を祝う

成長の節目を祝う

私の10歳、20歳、30歳、40歳、50歳、60歳の誕生日をどう過ごしたのか、人生の中でどのような変化が起こったかをまとめてみました。一生で何をしたか、ではなく誕生日に何をしたのか、をピンポイントでフォーカスしました。これも延々日記をつけ続けているから書けることです。日記は大切。

0歳1963年5月12日

芦屋市民病院で生誕。父母と2つ年上の兄がいる。
生まれたときから濃い頭髪が生えていた。う

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60歳の誕生日に行なったこと

60歳の誕生日に行なったこと

2023年の5月12日で60歳になった。私はずうっと日記をつけ続けているので、20歳、30歳、40歳、50歳の誕生日には何をしていたのかが記録されている。

これは今年の誕生日に行ったことの記録である。たいした事はやっていない。

朝朝7時半に起きた。コーヒーを淹れて生徒たちに明日の舞踏クラスの確認メールを送る。

日本で暮らす父(91歳)にMessengerで電話する。「長生きしてね」と言われ

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ドアノブが壊れて閉じ込められ、消防車を呼んだ話

ドアノブが壊れて閉じ込められ、消防車を呼んだ話

閉じ込められたのが私でよかった。ドアの外に父がいてくれてよかった。もしも父が独りの時にドアが開かなくなって出られなくなったらと思うとぞっとする。

事件のあった夜

年末で日本に帰国し、私は神戸の実家にいる。夜自分の寝室に入ってドアを閉め、もう一度出ようとすると、あら、ドアノブが利かない。左に回しても右に回しても、押しても引いても戸が開かない。そういえば同じことが以前にもあった。自分のアパルトマン

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日本一時帰国(老父が要介護1に進んだ2021年12月−2022年3月)

日本一時帰国(老父が要介護1に進んだ2021年12月−2022年3月)

2021年の初め兄の急遽で数ヶ月日本の実家に戻っていたのですが、今年も12月から3月まで帰国しました。「もう帰ってこないの?」と尋ねる父に「年末には戻るよ。冬が来れば」と応え後ろ髪を引かれながら日本を後にしました。父は「冬が来ればまともな食事を作ってもらえる」ことを支えに7ヶ月間配食に耐えたのです。これは2022年版の一時帰国ルーティーンです。上の写真は母と兄が眠っている霊園をとぼとぼと歩く父。

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北極を通ってフランスまで飛んだ日

北極を通ってフランスまで飛んだ日

今年も老父の世話のため、年末年始を挟む数カ月間は日本で過ごしました。3月24日にフィンエアーで関西国際空港発→ヘルシンキ乗り換え→パリ到着の予定だったのですが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響でロシア上空が飛べなくなったのでフライトがキャンセルになりました。

フライトの変更

別の便を即座に提供してくれればいいのにフィンエアーったら「キャンセルになりました」というメイルをぶっきらぼうに届けただけ

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長時間の渡航で機内に持ち込むべきもの5選

長時間の渡航で機内に持ち込むべきもの5選

2022年3月、ロシアのウクライナ侵攻の影響で普段なら12時間で飛べる大阪ーパリ間が27時間の渡航になりました。こういう長時間フライトで便利だったアイテムを挙げて今後に役立てましょう。

1) 軽い室内靴

いつでも取り出せるキャリーのポケットに軽いルームシューズを入れ、機内はもちろん空港内でもこまめに履き替えました。27時間の渡航は空港への前後を入れれば32時間以上の外出です。32時間以上同じ靴

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2021年を振り返る。

2021年を振り返る。

明日で2021年も終わるので、2021年総括だあ!

1月: フランスは半ロックダウンで稽古場が閉鎖。舞台の仕事は壊滅。Onlineで活動を続ける。

兄が最期に近づき急いで日本に帰国。2週間の自主隔離。

2月: 兄の死去。葬儀、埋葬、老父の世話。

3月: 山のような死後の手続き。友人たちの助けを借りて遺品整理。フランスの業務は息子が支える。43kgまで痩せる。

4月末にフランスに戻る。鬼の

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強制隔離体験記・日航ホテル退所日

強制隔離体験記・日航ホテル退所日

2021年12月19日、3日間の強制隔離最終日の検体検査で陰性結果が出、無事に退所できました。

フランスから関西国際空港へ飛び、日航ホテルに入所しフランスから関西国際空港へ飛び、日航ホテルに入所するまで様子は下のnoteで。

日航ホテルの様子設備、食事等は下のnoteを御覧ください。

同じ日航ホテルでも状況は刻々と変わっています。例えばお弁当の仕出し会社や細かい点が今年の前半と後半では異なる

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強制隔離体験記・ 
関西国際空港前の日航ホテル

強制隔離体験記・ 関西国際空港前の日航ホテル

2021年12月16日、フランスから関西国際空港へ飛び、日航ホテルに入所しました。ホテルに入るまでの入国の様子は前回のnoteをご覧ください。

関西国際空港に到着した帰国者のため検疫所が確保した宿泊施設であるこの日航ホテルは24年前、フランスに移住する前に自費で泊まったことがあります。一泊二万円したような(うろ覚え)。朝出発する大韓航空に乗るのに神戸の家からでは間に合わないから前夜ここに泊まった

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水際対策中の日本へ一時帰国。
関西国際空港から強制隔離宿舎まで

水際対策中の日本へ一時帰国。 関西国際空港から強制隔離宿舎まで

2021年12月16日、フランスからヘルシンキ経由で関西国際空港へ飛び、無事に日本入国(一時帰国)しました。続いて入国する人に役に立つかもしれないので入国手続きの状況や隔離生活についてここに記します。長いので、何度かに分けます。

兄の死去その他想定外の事態が続き、今年の年末から数ヶ月は実家の老父のために日本に滞在する、それは前々から決めていたのですが、何かと忙しくついつい12月になってしまった。

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ソロのダンス公演はどうあるべきなのか。Pietragalla solo « La femme qui danse » を観て

ソロのダンス公演はどうあるべきなのか。Pietragalla solo « La femme qui danse » を観て

昨夜(2021年11月26日)パリ8区のマドレーヌ劇場にてMarie-Claude Pietragallaの« La femme qui danse » を観て来ました。そこで思ったこと感じたことをつらつらと残したいと思います。

まず58歳の女性がたった独りで一時間以上の舞台を、毎日踊り続ける体力に感服する。そしてマドレーヌ劇場(709席)を連日埋めている。昨日は全席6割ほどの入りでしたが、それ

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作り手の視線は一致させよう(ライオンの眼差し)

作り手の視線は一致させよう(ライオンの眼差し)

2020年にコロナ禍でフランスがロックダウンされてから私はYouTubeチャンネルの制作をかなり本腰入れて行っています。ここでは自分が制作する際、他の人の動画を見るときの気付いたことを共有していきます。

今日の気付きは「野生の獣が美しいのはメタ分析をしないから」

一般のYouTuberさんたちの動画は次のような工程で作られている。

1)アイデアをまとめる、調査、草稿
2)撮影
3)編集、サム

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公演準備:忘備リストチェックの重要性を再認識した話。

公演準備:忘備リストチェックの重要性を再認識した話。

リストを見ながら行ういつもの公演荷造りチェック。会場に向かう時、最後まで忘れていた裁縫道具。「今回は要らないかも」と思いつつスーツケースのポケットに入れた小さな袋には衣装と同じ色の糸と針、針通し、鋏。

これ、忘れると大変なことになっていた。想像するだに恐ろしい。

公演の二日目、ズボンを履こうとすると、破れ目に足を突っ込んでしまった。ああっ、股が裂けている!

このズボンはヴェトナムで作ってもら

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1日のルーティーン(コロナ禍の中、老父の世話をしていた日本の実家での2021年1−4月)

1日のルーティーン(コロナ禍の中、老父の世話をしていた日本の実家での2021年1−4月)

2019年パリで朝のルーティーンについて書いたのですが(あの頃はまだ犬が生きていたのだね)、これは兄の急遽で日本の実家に戻っていた2021年の1月から4月まで行っていたルーティーン。次回日本に戻ったときの参考、反省のために記したいと思います。写真は実家近くの公園。

これは兄の臨終の前後のバタバタが収まり、朝のルーティーンが定まってきた頃のものです。

八時までに起床。排泄の後、脱衣の状態で体重を

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舞踏の即興パフォーマンス2020年9月5日

毎年9月、舞踏クラスの開校前にCarreau du temple(Paris3区の歴史的建造物)で即興パフォーマンスを行っています。Parisのダンス会場は3月のロックダウンからずっと閉館していて、この9月のフォーラムも開催を危ぶまれたのですが、全員マスク義務によってやっと実行されたのです。この音楽は来年の2月公演予定の有科珠々舞踏ソロ『孤独のカンタータ』の為に作られた曲です。末部には作曲者のイン もっとみる