作曲家・湯浅譲二さんの自宅を訪ねたのは2014年夏。長文のインタビュー記事を「サライ」誌に掲載し「そこにはいつも、音楽と言葉があった」(写真)にも再掲載。音楽のみならずあらゆる隣接芸術に詳しい教養人。アカデミズムへの反抗心も顕わに、前衛の本質を熱く語られていた。ご冥福を祈ります。
「『わからない』人のための現代アート入門」(藤田令伊著 大和書房)。現代アートの最先端について平易に解説。1980年を分水嶺とする視点もいい。難解さを尊ぶ玄人筋の上から目線の「スノビズム鑑賞」が一般の人々を遠ざける現状をやんわり批判。音楽にも該当する点が多く、とても面白く読んだ。
(次世代スタンダードになる楽譜浄書ソフトでは無茶な特殊奏法が記譜できない仕様になっていますように……)
近藤譲「時の形」「撚りⅢ」「二重奏曲」「静物」を収めたLPからの復刻版CD。すっかり気に入って何度も聴いた。1曲目は高橋アキ(ピアノ)と黒岩英臣指揮N響。冒頭からすぐに心を掴まれた。1980年代録音だが、研ぎ澄まされたクールな美しさがある。クレーの抽象画のような懐かしい雰囲気も。