mojo_sugiyama

1954年生まれ デジタルハリウッド大学・学長 11歳から音楽を聴き続けている。

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1954年生まれ デジタルハリウッド大学・学長 11歳から音楽を聴き続けている。

最近の記事

Column-8 Remastering

リマスターの凄さが世界的に認識されたのは、2009年9月のBeatlesの全アルバムのリマスターだろう。何と4年の歳月をかけてデジタルリマスターを完成させたというのだ。すべてのアルバムをリマスター版で聴き直ししなければならない。EPもLPもCDも持っているというのに、リマスター版CDを買うことなった。昭和40年代のステレオで聴いた音の記憶が鮮明だから、出てきた音には驚いたし、ポールのベースとリンゴのドラムの凄さが浮かび上がっていた。 ところがさらに2009年12月に出たUS

    • SSoM-26 New Cool Collective

      生まれも育ちも関係無いのに、ある国や地域の音楽をこよなく愛してしまうことが、ごく普通なのが音楽の本当に素晴らしいところだ。 New Cool Collective は、アムステルダムで1993年に結成された8人組のジャズバンド。アムステルダムという国際都市が影響しているのだろう。様々な国の音楽が折り重なったサウンドが特長だけど、キューバを感じる。紹介するのは、2022年の、 Yunikōn(Deluxe Edition) にぎやかに始まる音楽から、だんだん独特な世界に引

      • SSoM-25 Pink Floyd

        ここ数年、過去の名アルバムがリマスターされた上で、ハイレゾ化されてストリーミング音源となることが増えてきた。新譜の時はレコードで聴き込んでいるから、その音の記憶がある。リマスターでハイレゾの音は異なる。物凄く解像度が高くクリア、また新たな気持ちで音楽に向き合えるのが良い。 数々の名アルバムを残してきたPink Floyd。The Dark Side of the Moon の50周年記念で、リマスター・ハイレゾ化された音源。24bit/192KHzで配信中だ❗️ The

        • SSoM-24 Eliane Elias

          世界各地から、より大きな市場や可能性を求めてアメリカに渡るミュージシャンは後を経たない。Eliane Eliasは1960年サンパウロ生まれ、15才の時にはピアノを教えていたという。81年にジュリアード音楽学院で学ぶためNYCに移住、その直後からプロとしての音楽活動が始まる。多くのアルバムがあり、グラミー賞も獲っている。 紹介するのは、世界で大ヒットした、 Made in Brazil 2015年以来、毎年夏の夜に聴いてしまうヘビーローテーション。大人が創る音楽。やっぱ

        Column-8 Remastering

          SSoM-23 Miles Davis

          ジャズを聴き始めたら誰でも1957年の「Birth of Cool 」あたりからのMiles Davisの数々の名盤と出会い、これぞジャズと思うはず。しかしMiles Davis は、常に新しいミュージシャンを起用しながら、新しい音楽を作り続ける。1970年の「Bitches Blew」、そこにはエレクトリックな音楽があった。ジャケットが素晴らしく、どこのレコード店にも飾られていた。最初は音楽が理解できず何度も聴いた。 紹介するのは1974年の「Big Fun」。なかなか次

          SSoM-23 Miles Davis

          SSoM-22 VEDO

          2013年、「The Voice」の出演から注目を集め、デビューした。VEDOは、アトランタを拠点とするシンガーソングライターだ。Usherをビッグブラザーと慕い、曲も提供し全米No.1ヒットを生んでいる。 近年のR&Bはベットルームポップと評されたりもして、すっかり傾向が変わってしまった感はある。そんな中VEDOの音楽にはR&Bの伝統が基盤に感じられ、そこから現代への進化が感じられる。デビュー10年にして、次の段階へ進む気持ちが表れたアルバムが出た。 Next Chap

          Tweet-2 Losing You

          実は訳あって、XGのことは、デビューからYouTubeをメインにずっと追いかけて来た。子供の頃からアスリートのような訓練を受けると、どこまで行けるのか? 教育という観点から非常に興味がある。また世界を目指すとは何か?についても考えてしまう。もちろんXGを推したい。 XG論は、いつかゆっくりやるとして、二大ボーカルと言えば、天賦の才を持つJURIA と努力の人CHISAこの二人の凄さは、2年前Justin BieberのPeaches のカバーで驚愕したわけで、外人からも本家

          Tweet-2 Losing You

          SSoM-21 Yaya Key

          アメリカの音楽産業は、90年代以降、ヒップホップとR&Bが牽引していると良い状態だ。アメリカの各地から、ひっきりなしにアーティストがデビューし続ける。彼らはアメリカの現代文化を作り、世界の人々の世界観に深い影響を与えてしまう。 Yaya Keyは、ニューヨーク市のクィーンズ育ちの35才でブルックリンに住んでいる。父は1968年生まれのラッパーで2022年に亡くなっている。ブルックリンはラップ発祥の地、生粋の育ちと言えるミュージシャンが、どんな音楽を聴かせてくれるのだろうか?

          SSoM-21 Yaya Key

          Column-7 Lacquer Master

          最近、中森明菜が次々とレコーディング風景をYouTubeに上げ、往年のファンが騒ついている。それに呼応するかのように、2013年に出たBest Collection が「Lacquer Master Edition 2024」として再リリースされている。 レコードを作る時、マスタリングされた音は、カッティングマシンに送られ、ラッカー盤に音楽信号を刻んでいく。マスターの音楽信号には生々しい情報が含まれており、これを全て刻み込むには、大変な職人技が必要となる。これがカッティング

          Column-7 Lacquer Master

          SSoM-20 Grateful Dead

          ベイエリアのパラアルトで65年に結成され95年に解散したロックバンドGrateful Dead。ドラッグの使用を積極的に行いピッピー文化を牽引してしまったバンドだ。2300回にも及ぶライブ。1500回ほど録音が残っている。最盛期、彼らがツアーに出るとファンたちも大移動。社会現象として認識されていた。 彼らはステージの上で、即興的に気が済むまで演奏を続ける。時に半日にもおよぶライブが数日にも及ぶ。観衆は大麻を燻らしビールを飲み、ただただ音楽に身を晒す。録音は自由。カセットテー

          SSoM-20 Grateful Dead

          SSoM-19 Justice

          エレクトリックミュージックと言われるジャンルでは、昔からヨーロッパから新しいサウンドが出てくる。2007年、アルバム「CROSS 」が世界的大ヒットとなり、グラミー賞を獲得したフランスのデュオJustice が6年ぶりのアルバムを出した。メンバーのRodnayもAugeも40歳台になった。円熟のエレクトリックミュージック❗️ Hyperdorama 文明しか感じない音楽、まさにアルバムタイトルどおりだ。大音量で聴きたい。実は、人間の聴覚は低音から高音までフラットに聴こえる

          SSoM-19 Justice

          Column-6 Four Characters

          Jill Bolte Taylor は、ハーバード大の脳科学者だ。1996年、37歳の時に脳溢血を起こし、4時間の間に徐々に左脳が停止していく様子を体験する。言語がわからなくなり、博士としての自分も全て失われていく。右脳だけになった彼女は、体の境界を感じなくなり宇宙まで広がる自分を感じて感動する。その後8年のリハビリにより左脳の機能を完全に取り戻す。その体験を2008年TEDで話すと世界中でとんでもない再生数となり、一躍、彼女とTEDを有名にしてしまう。 その後、研究を進め

          Column-6 Four Characters

          SSoM-18 Taylor Swift

          もはや無双状態のTaylor Swift。 ニューアルバムは、最後の1曲だけ異なる3バージョンのCDアルバム。3枚買うのが推し活?日本じゃないんだから、と思った瞬間、配信されたのが、 The Tortured Poets Department The Anthology 全31曲、2時間3分。いつものスィフト節といえるメロディーに、等身大の悩み傷付くスーパースターの言葉が綴られる。 Delivered as internal content on April 21,

          SSoM-18 Taylor Swift

          SSoM-17 Peter Gabriel

          1960年代から活動するPeter Gabriel、ジェネシスのボーカルを経てソロとなり、1986年のアルバムSoの世界的大ヒット、どこへ行ってもSledgehammerが流れていた。Pixar「WALL-E」の主題歌で、アカデミー賞ノミネートとグラミー賞。 紹介するのは、なんと21年ぶりのアルバム‼️ 24bit/96KHz I/O ジャンル分けは好きじゃないけど、やっぱりUKを深く感じる。ロックもクラシック並みに音楽家としての寿命が伸びてきた。74歳、様々な音楽をやっ

          SSoM-17 Peter Gabriel

          SSoM-16 Melody Gardot

          音楽の素晴らしいところは、継承され続けるところだ。時代を超えて、ジャンル、サウンド、スタイルが現代の音楽家たちの中に生きている。 Melody Gardot は、19歳の時、SUVにはねられ、1年間寝たきり、視聴覚過敏と慢性の痛みを抱えることに。音楽セラピーにより症状が改善する中、ギターを始め作曲も開始。ベットサイドで作った曲がラジオで流れると大反響、そしてメジャーと契約。アルバムはヨーロッパで凄いセールスを記録。 紹介するのは、2020年のアルバム、 Sunset In

          SSoM-16 Melody Gardot

          SSoM-15 Fred again..

          ブライアン・イーノにスタジオワークを教わり、さまざまなアーティストの楽曲をプロデュースして、今やUKを代表するプロデューサー/DJのFred again.. のアルバム。ヒットを狙うプロデュースワークとは違いFred自身が作りたい音楽をやっている。 24bit48KHz, 55min. USB 意識の一部が、脳深部に向かって分け入って行く。RAVE が始まって以来の30年間のダンスミュージックの深化を感じる。 大音量に包まれるクラブのカウンターでMacBookを開いて、

          SSoM-15 Fred again..