ロシア文学秘話:プーシキンとゴーゴリ
十九世紀に活躍した詩人で小説家のアレクサンドル・プーシキンはロシア文学の祖と呼ばれている文学者である。ロシア文学はプーシキンが一人で作ったものと言っていい。勿論彼と同時代にも文学者はいた。しかしそれら作家や詩人の作品はフランスやドイツものの模倣でしかなかった。プーシキンはロシア語でロシアに生きる者たちの姿を描いた最初の文学者であった。彼以降に出てきた文学者は皆プーシキンが切り開いた道を歩んで行った。それはトルストイやドストエフスキーのような世界文学の最高峰に立つ作家も例外で