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コント集

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オチのない世界で僕らは一体何を語ればいいのだろう。
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もしも世界からうどんが消えたなら

 閉店ギリギリのはなまるうどんに入ってきた男と女は店の閑散とした光景に唖然としてしばし立…

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無縁坂

 鬱々とした曇り空が名前通りの陰気さを醸し出していた。ここは無縁坂。坂といいながらさほど…

秋(空き)時間
1時間前
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ロシア文学秘話:プーシキンとゴーゴリ

 十九世紀に活躍した詩人で小説家のアレクサンドル・プーシキンはロシア文学の祖と呼ばれてい…

秋(空き)時間
7時間前
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ロシア文学秘話:マヤコフスキーの後悔

 ロシア革命が起こり人類初の社会主義国家ソビエトが誕生してから五年以上経った。革命の熱狂…

秋(空き)時間
21時間前
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ロシア文学秘話:トルストイを訪ねて

 汽車がヤースナヤ・ポリャーナの駅に着いたのでチェーホフは汽車からホームに降りた瞬間突然…

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ロシア文学秘話:ドストエフスキーの改心

 ロシアの大文豪ドストエフスキーは若かりし頃社会主義者ペトラシェフスキーに深い影響を受け…

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ロシア文学秘話:トルストイの家出

 トルストイ家では何もかもが混乱していた。世界的な大文豪であり、その名声はニコライ皇帝を超えるとさえ言われているレフ・トルストイは妻のソフィアと口も聞かないようになりとうとう屋敷から出て離れで寝起きするようになってしまった。子供らはみな母親の味方につき、偉大なる大文豪でありその名声は君主であるニコライ二世を超えると呼ばれるこの父はひたすら妻を避け外で出くわすとすぐに離れに逃げ込む有様であった。  その偉大なる大文豪レフ・トルストイは今かつて自分のライバルとされていたドストエ

文学とジャズ

 この間大学時代の親友と久しぶりに会った。道端でバッタリあってしばらく立ち話をしていたら…

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私の旅路

 住む場所から離れると不思議と自分が裸になっていくような感覚を覚える。それはきっと自分が…

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異文化交流

 江戸後期、黒船来航前の太平の世の我が国のとある島に一隻の難破船が漂流してきた。朝起きて…

秋(空き)時間
2週間前
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マイヒーロー 〜警視庁隠密捜査官美月恭平の事件簿

「オラ!いつまで黙りこくってんだあ〜!さっさと吐けよ!もう証拠は上がってんだぜ!」 「こ…

秋(空き)時間
2週間前
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ボクの考えた最強のラスボス

 絶対的主人公道理満と悍ましきラスボス盆地大蔵のラストバトルは終結へと向かっていた。盆地…

秋(空き)時間
2週間前
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最期の一筆

 日本文学最後の文豪冬耳論外は今死の床で最期の小説を執筆していた。今病室の冬耳のベッド周…

秋(空き)時間
3週間前
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十二音列

 現代音楽の創始者シェーンベルクが確立した十二音列技法は西洋音楽に歴史的な変革をもたらした。このシェーンベルクが確立した十二音列技法とは、ざっくり言えば十二の音を平等に扱って作曲するという技法である。今までの西洋音楽はバッハからワーグナーに至るまで作曲家は好みの音ばかりを使用し、彼らの好みでない音は等閑にされていた。シェーンベルクはそのどうでもいいように扱われていた音たちに手を差し伸べたのである。それは西洋音楽におけるヒエラルキーの打破であった。作曲家たちの好みの音が王侯貴族