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#歴史

インドについて

インドについて

 ①独創性

 私は一時期、図書館学の勉強をしていたことがあるが、インドの本の分類法を知って驚きを隠せなかった。日本の分類は米国の十進分類法の応用、日本化でしかないのだが、インドのものは米国の分類とはまるで異なり、非常に独創性に富んだものであった。それはコロン分類法という呼称を持ち、数字と記号とアルファベットからなっていて、一緒に勉強していた学生から「まるで数学みたいだ。」という声が出たほどだ。

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平成3年(1991年)

平成3年(1991年)

この年も後に大きな影響をもたらす出来事が発生した。

①ソ連解体

超大国であり、世界最初の共産主義国家だったソビエト連邦が、この年、解体した。ただ当時の人々には意外な印象はなかったであろう。解体の2年前の1989年に、東欧の共産主義諸国が次々と1党独裁を放棄し民主化されていたし、1年前の1990年にドイツが統一されていたからだ。ロシアが再び、西側諸国にとって現実的な脅威となったのは、日本の年号で

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平成元年①

平成元年①

 1989年1月7日、長い昭和が終わったが、昭和から平成への変化は、平成から令和へのそれとは比較にならないほど大きかった。

①平成元年4月~6月

日本はバブルの最盛期で、このままいくとGNPが米国を抜き、世界一になると言われていた。一方、中国はまだ貧しい国で、中国人の多くは自動車ではなく、自転車に乗っていた。

この頃、日本人が中国を訪れると、中国人はもてなしてくれた。日本人の対中感情もよく、

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平成2年(1990年)

平成2年(1990年)

 ①成田離婚

 この年の流行語。新婚旅行からの帰途、成田空港で三行半。女性の側からの離婚。

 今では信じ難いが、実際にあった。女性に慣れていない男性が、新婚旅行で問題行動をとり、離婚となった。今なら、そういう男性は結婚には至らないのだが、何故こんなことか起きたのだろうか。
 当時は、まだ見合い結婚が行われていたため、このようなことがあり得たのである。(7人に1人が見合い結婚だった。)離婚された

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歴史は繰り返すー2020年代は1960年代のリバイバル➀

歴史は繰り返すー2020年代は1960年代のリバイバル➀

➀「我々は両親よりも祖父母である」という言葉を読んだことがある。歴史には30年周期と60年周期があり、この言葉を歴史に適用すると、30年周期(両親に似る)と60年周期(祖父母に似る)のことを指しているという解釈が可能である。

➁30年周期は、1950年代、1980年代、2010年代が保守化の時代だったことをかえりみると、理解しやすい。60年周期は、景気循環のコンドラチェフの波や時計の一周の60分

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西ヨーロッパ=東アジア 

西ヨーロッパ=東アジア 

前にロシア東欧はヨーロッパの東南アジアという文章を書いたので、今回は東アジア(東北アジア、外務省の分類だと北東アジア)と西欧の比較を書いておきたい。

①中国は東アジアのギリシャ、ローマ

 中国は、この地域の基層文化を創造したから、ギリシャ、ローマに該当する。これには異論はないだろう。ギリシャの哲学者に当たるのが中国の諸子百家で、ローマ帝国に当たるのが漢である。

②韓国、朝鮮は東アジアのアイル

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民主主義vs権威主義ではない

民主主義vs権威主義ではない

現在、国際社会で起きているのは民主主義vs権威主義ではない。またハチントンが唱えたような地域ごとの異なった文明の問題でもない。

① 

1942年、当時の代表的思想家、文学者、歴史家、美術評論家などが一堂に会した座談会のテーマは近代の超克であった。すでに太平洋戦争は勃発していた。この座談会で小林秀雄は「ニーチェを読んでいると、近代に衝突しないわけにはいかない。これを避けて通ることはできない」と語

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日本とは何か

日本とは何か

日本が歴史に遺したものは何だったのだろうか。

①アジアに西欧の近代文明を移植

 これが1番、普通の答えに違いない。日本が西欧の近代文明の移植に成功していなければ、他のアジア諸国は近代化に成功しなかっただろうし、西欧の近代文明も、世界文明にはなれなかったであろう。したがって、日本の歴史的役割は、それなりのものだったということは言える。しかし、近代文明は日本の自前のものではないから、それでは寂しい

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