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アポロが超泣いたお気に入り🍀

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超泣けるやつをここへ入れとこ〜っと♬
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#小説

わたしの可愛いキンクマくん

わたしの可愛いキンクマくん

推しごと、推している物事。

現在はわたしが設定したショートの主人公、
「キンクマ」を心の中で推している。

キンクマがかわいくて仕方ない。
ネズミの目線、知能を持ったハムスターなら、
何を考え、行動するだろう。

わたしはキンクマへ役割を持たせた。
「俯瞰している」「線対称の線」

実験的にキンクマを当事者にしてみたが、
物語が入り組んでしまい、わたしは消化不良のまま
自動投稿へセットしている。

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【小説】革命の日

【小説】革命の日

 昨夜遅くまで降り続いていた雨は、夜明け前に止んだようだ。塵や埃が洗い流されたみたいな、すっきりとした青空が広がっている。グランドの水はけも、思ったよりは状態が良さそうだ。

 小学校最後の運動会だから、と、担任の石川先生が熱心に誘ってくれて、休みがちだった正樹も参加する気になったようだった。
 正樹がはじめて「学校に行きたくない」と言い出したのは、六年生に進級してすぐのことだった。

「行きたく

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小説: ペトリコールの共鳴 ㊱

小説: ペトリコールの共鳴 ㊱

←前半                <<最初 ①

最終話 ペトリコールの共鳴 ⑤
 都心へ向かう帰りの電車は土曜日で空いていた。
膝に乗せたリュックのポケットはメッシュ素材になっており、キンクマが熟睡する姿が見える。

 ペットショップでひとりぼっちだったキンクマと
妻に依存していた俺は、人生において最悪な状況や事件を一緒に乗り越えた家族だ。

 キンクマはキンクマで、人間との生活は言語とネッ

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名もなき夜に【#夜行バスに乗って】

名もなき夜に【#夜行バスに乗って】

帰る、ということは
帰る場所がそこにあるということだ。

帰る場所には待っている人がいる。
それで初めてそこがホームとなる。

僕の帰る場所と呼べるところは、
もうどこにもない。

東京の部屋はただそこに居を構えているだけで、帰る場所という言葉には値しない。僕の帰る場所はずっと、生まれた時から住んでいたあの家しかなかった。

だけど、父を追うように安らかに空へ還った母の葬式を終え、実家を処分して荷

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短編: 最期の言葉 最初の別れ

短編: 最期の言葉 最初の別れ

スーパーの軒先ではカーネーションが半額で売られ
母の日が過ぎたのを曜日以外で知る。
今年はカーネーションすら買わなかった。

うちの母は去年、ちょうど今の時期に他界した。
母の日を祝った数日後だった。
思ったより早く、思ったより静かに、思ったより呆気なく母は私の元から居なくなり、そして今日が来る。

母からの最期は
「凛は本当にかわいい」
瞼を閉じたまま、かろうじて聞こえる声は
『さようなら』でも

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【小説】手紙⑨

【小説】手紙⑨

 前略 お元気ですか。
 すっかりご無沙汰してしまいました。
 早いもので、加奈子さんが亡くなってから、もうすぐ一年が過ぎようとしています。私たち家族の生活も、少しずつ日常を取り戻し、加奈子さんのいない日々に、ゆっくりゆっくり慣れていっているところです。

 今朝、遺品を整理していた母が
「懐かしいものが出てきたのよ」
 と、古いスケッチブックを見せてくれました。そっと開いてみると、どのページにも

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それでも私が小説を書く理由

それでも私が小説を書く理由

私は小説家に向いていない。

そもそも小説家に向いている人ってどんな人だろう。
文章を書くのが上手い人?
小説が大好きで何万冊も読んでいる人?
創作のアイデアが次から次へと浮かんでくる人?
オリジナリティ溢れる表現ができる人?
人を楽しませるのが好きな人?

そんなのよくわからないけど、
終わりまで書く、それができない人は向いていない。
というのは、間違いないだろうな。

そういう意味で言っても、

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ねねこグラフィカルについて語りたいのだよ

ねねこグラフィカルについて語りたいのだよ

今日は有給休暇を取得した。
「ねねこグラフィカル」を読むためだ。

最初に書いておこう。太陽氏(アポロン)は大切なnote仲間であり、リスペクトしているのは確かだが、この記事は友情による宣伝ではない。才気溢るるクリエイターによる、渾身の娯楽小説の面白さを伝えたい。ただその思いで書いている。ま、noteでオイラが宣伝したところで、劇的に読者が増えるわけがないのは、太陽氏が一番分かっているだろう。

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読書感想文『ねねこグラフィカル』を読んで(939字)

読書感想文『ねねこグラフィカル』を読んで(939字)

アルファポリスというサイトで、
noter でもある アポロ さんが
小説を発表しました。

リンク先

そちらでも感想を書かせていただいたの
ですけれども、
ネタバレしない感じで、私なりの感想を
ここ note でも書きたいと思います。

最近、読書を再開しつつある私にとって、
この作品『ねねこグラフィカル』は、
うってつけの小説でした。

自分の気持ちに率直に従って書かれた、
とてもクリエイテ

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絵描きの掌編 胡桃シリーズ 第二話 〜向日葵の心のままに〜

絵描きの掌編 胡桃シリーズ 第二話 〜向日葵の心のままに〜

向日葵の心のままに

 今日は僕たちの結婚式である。
 この春、二年あまり一緒に生活をした彼女にプロポーズして、今日という日を迎えたのだ。残暑の厳しい八月にしたのは、夏と向日葵が大好きな彼女が望んだからだ。まあ、実際式場が空いていたこともあるが。
 温泉リゾート内設えの瀟洒なチャペル。着慣れない白いタキシードにもぞもぞしながら、我が新婦を待つのである。
 定番のオルガンによるメンデルスゾーンの結

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ただ、純粋に創作したい

ただ、純粋に創作したい

実際のところ
実生活にかける時間がより増えて
たまにnoteへ入ると、妙な倦怠感がくる

以前は罪悪感があった、スキ制限にかかると
今は、開放感がある(←窓を開けた感じ)

今のわたしは、文章に手ぐせが出て
直そうにも、直しようがなく
全ては読み手がどう思うか、なので
わたしが個人攻撃をしていると思うなら
自由にわたしを磔にしなさいと、諦めた

様々な思いを巡らせながら
他の素晴らしい創作を拝見す

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春霖が穴をくだってゆく

春霖が穴をくだってゆく

春の長雨を「春霖(しゅんりん)」と呼ぶ

関東が強風続きの日
広島は雨が降りしきった

特に理由がないのだが、春霖になると
無性に聴きたい曲があり
透明な線が降りてくるのを、冬との別れに感じる

季節の変わり目は、雨がカーテンをひく

心胆へは敏感に重さを得てゆく
寂しさや悲しさが重力になる
これといった憂鬱がないのに
表と裏のあいだには、底が見えない穴が開いて

埋めようとせず、春霖が穴を降って

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有料記事は書かない信念なので

有料記事は書かない信念なので

ネットに書いてない、境界性人格障害について

診断されたときは、暫く誰にも言えなかった
「人格障害」って、人間失格の烙印に思えた

まずは幼なじみに話し、それから母ヘ話した
去年、noteで告白したときは
半分、noteを辞めてしまって良いと考えていた

境界性人格障害の前触れは、加害恐怖症だった
外へ出るのも、生きているのも申し訳なく
肘の裏にある、大きな血管を刃で切りつけた
今でもケロイドにな

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真実を知る、いのちを繋いで

真実を知る、いのちを繋いで

本を手に取る
自分好みの作家やタイトルを棚から抜き出し
副題や帯で、どんな話なのか期待を膨らませる

もし、副題より濃い真実が隠されていたなら
いま、自分が見ていた“真実”が変わるかもしれない

noteで活躍中の琥珀ベイビーさんの著書
『リキ~9つの命を繋いだ運命の犬~』が発売され
わたし達の中では、ちょっとした話題になっている

著書の上巻・下巻には
琥珀ベイビーさんのお子さま(愛犬)・リキく

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