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青年海外協力隊🌍

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2019.1~2021.1 ザンビアで暮らす2年間の記録
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#国際協力

大切なひとのこと②

大切なひとのこと②

会えなくなって3か月がたちますね。
日本にいたころは1週間以上会わないことのほうが珍しかったのにね。
最近は1週間以上、電話ができないことも増えていますね。
私から連絡することもほとんどなくなりました。
愛情を表現する機会も減りましたね。

そんな私のことをあなたはどう思っているのでしょうか。

うまく思いを伝えることができなくてごめんなさい。
でも会えなくなってから、連絡の頻度が減ってからますま

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10年間変わらない想いと1年で変わった大切なこと

10年間変わらない想いと1年で変わった大切なこと

帰国して約2週間。

世界中のみんなが姿の見えない敵との終わりの見えない戦いに疲弊し、悲しみであふれる。

感覚や感性を麻痺させて、他人の言動に揺さぶれない強さを持たないと心が壊れそうになる日々。

日本のこと、これからのこと、ザンビアのこと

考えても答えはでないし、心がすり減るだけだからできるだけ考えないように気をそらして過ごす毎日。

”もういいかな..."

10年前から抱いてきた夢にも蓋

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緊急一時退避になりました。

緊急一時退避になりました。

一時帰国が決定した。

治安の悪化
研修の中止
アジア人へのヘイト

実は中間報告さえもできていない。

数週間前からすっかりペースダウンしていた私は、この一時帰国に対して悲しみや悔しさを感じられずにいる。

むしろそのことが悔しくて悲しい。

だって全力で向き合えてなかったってことだから。

1年目に区切りをつけることも、配属先と共有することもできず、周囲の状況に振り回されるようにして時間が流れ

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折り返し地点を迎えて思うこと

折り返し地点を迎えて思うこと

私は2019年の1月末に着任して、3月はじめに任地に本赴任した。

任期は着任した日から2年間。
本赴任からカウントすると任地で活動する期間は23か月弱になる。その間、分科会や総会、隊員の任地訪問、その他団体の活動先訪問、国内旅行に任国外旅行など任地を離れる機会も多い。

1年目はうまくいかないことばかりで、自分がここにいる意義を見失って、日本への未練にまみれていて、早く帰りたい、そんなことばかり

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ふたつの視点から見えること

ふたつの視点から見えること

今週から、クリニカルオフィサー(準医師)の学生の実習がはじまった。

ある学生と、同僚の看護師の会話。

👩🏽「ミナはボランティアとしてここで働いてるの。看護師だけど、報酬はもらってないんだよ。貯金でくらしていて、経験を得るためにここにいるの。」

👨🏾‍⚕️「俺も日本でボランティアがしたいな~」

👩🏽「そんなことできるの? ミナは兄弟はひとりしかいないし、養う必要はない。だから貯金

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9ヶ月間の振り返り

9ヶ月間の振り返り

活動開始6ヶ月で立てた活動計画。

あれから3ヶ月がたちなんだか中弛み期に突入している気がするので自分に渇をいれるために9ヶ月目の振り返り。

まだまだこのゴールには遠いけれど、地域ボランティアさんが体重増加が芳しくない子どもや低体重の子どもを見つけて私のところに連れてきてくれることが少しずつ増えてきて、ごくたまにだけどお母さんから「きっとこの子は低体重だからみてほしい。」と訴えてくることもある。

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喧嘩のあとに思うこと

喧嘩のあとに思うこと

毎週月曜日はクリニックで成長モニタリングの手伝いをしている。
私が活動の軸にしているのが成長モニタリング。

要請内容はクリニック周囲に点在する地域の健康課題を見つけ、支援すること。
主にアウトリーチ活動に重点を置いた要請内容だった。

アウトリーチでは、主に5歳未満児の成長モニタリングと予防接種を行っており、MCH(Mother and Child Health)の看護師と栄養士が活動のパートナ

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一つ歳を重ねて思うこと

一つ歳を重ねて思うこと

約2週間の首都滞在を終えて任地に戻ってきた。
久しぶりに自分の部屋で過ごす週末。
なんだかすごく1日1日が長く感じた。

首都ではたくさん食べてたくさん飲んでたくさん笑って、たくさん語った。

約7か月間の活動のなかで思ったこと、感じたこと、隊員としての在り方、生きにくさ。

みんなもがきながらいろいろな困難と闘っていた。
みんな違う環境、違う課題、違う仲間、違う苦しみのなかで活動している。
だか

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原点に触れ思うこと

原点に触れ思うこと

今日もアウトリーチは中止になった。クリニックにいても人手は足りているし、特にできることも見つからずアンケートの集計をしたり修正をしたりしながら時間をつぶすように過ごしていた。
なんのためにここにいるのかという無力感。
何もせずに時間だけが過ぎていく焦燥感。
物事がうまく進まないことへの虚無感。
そんな感情に心を覆われながら、気にしないように気を紛らわせながら。

そこにマラリア検査が怖くて泣いてい

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アフリカでの暮らしのこと

アフリカでの暮らしのこと

先週末に家の建築が終了し、やっと一人暮らしが始まった。

協力隊員の暮らしは地域や国、任地によって大きくことなる。電気がない、水道がない、電波が悪い、そんなないない尽くしの隊員もいれば、数世帯同居用の豪邸に住んでいる隊員もいる。
私の家は、水道と電気は使える。でも冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、洗濯機などの家電はない。あるのは電気ケトルと電熱線式のコンロだけ。

日本は元号が変わり令和の時代が始まった

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迷うことと決めること

迷うことと決めること

最近元職場の同僚がSNSに近況を投稿していた。
そこには先輩を交え、楽しく食事をしている写真があった。
私の退職で足りなくなった人員を補うために他病棟から移動してきた看護師のおかげで病棟の雰囲気はかなり変わったらしい。
私が働いていたころは、先輩を交えて休日に食事に行くなんて考えられない職場だった。休日どころか、仕事中でさえ先輩に一言話しかけるのに緊張していた。
元同僚の写真を見ながら、もっと雰囲

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日本人らしく暮らすこと

日本人らしく暮らすこと

おはよう、と言って起きる。
いただきます、といって食べる。
ごちそうさま、といって食事を終える。

最近、ひとりでこんなことをはじめてみた。

ザンビアに来たばかりのころは、ザンビアに適応することに躍起になっていた。

シマ(ザンビアの主食)を手で食べる。
食事の前には毎回お祈りをする。
日曜日には教会に行く。
チテンゲ(ザンビアの布)を身に着ける。
現地語を話す。

ザンビアの文化や習慣、この地

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今日出会った親子のこと

今日出会った親子のこと

今日出会った親子の話。

今日も遠隔地のコミュニティーにいって成長モニタリングの手伝いをしていた。
1組だけ、重度の低栄養状態の子どもがいた。

1歳2か月になる男の子の双子。
体重は6kgと5.6kg。通常生後2~3ヶ月でこのくらいの体重になる。1歳2ヶ月かの平均体重は8~11kg。重度の低体重だった。
2人ともぐったりとしていて、時折視線が合わない。泣く力も弱く、声もほとんど発さない。歩くこと

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夢と経験と興味と想いが重なること

夢と経験と興味と想いが重なること

この国が嫌い。

そういったザンビア人の青年。
彼の言葉と希望を失ったような表情が喉の奥に刺さった小骨のように心に引っかかっている。

日本に連れて行ってくれ。
お金をくれ。ものをくれ。仕事をくれ。毎日のように言われるそんな言葉

クリニックにあふれるドナーのステッカーが貼られた医薬品や事務用品
ドナーから与えられたものを着服したり期限を切らして破棄したりする同僚たち

医療スタッフに高圧的な態度

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