東西 七都

東西 七都(とうざい なつ)です。長編やホラーと純文のショートショートを中心に創作して…

東西 七都

東西 七都(とうざい なつ)です。長編やホラーと純文のショートショートを中心に創作しています。 神奈川県出身、その後、幼少期の大部分を千葉で過ごしました。 カクヨムでも作品を何点か掲載しています。 少し考えたり、日常に触れるようなお話が好きです。 よろしくお願いします。

マガジン

  • 言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~

    市立善理高校に入学した和渡部 愛唯(わとべ めい)は、幽霊部員だらけの文学部に入部する。そこには、出徳 司(でとく つかさ)と言う女生徒がいて、時々ちょっとした推理や論理を展開して愛唯(めい)を驚かせるのだった。 人の死なないコージーミステリーで、一話完結の連作短編小説。ありそうでない、文学部部員がつづる日常。

  • 純文 ショートショート集

    純文でつづられたショートショート集。名前のない語り手によるお話。

  • 「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」

    2022年夏に起きた未解決事件を追ううちに、過去に消えてしまった、才能にあふれた人間ばかりを生み出す私立『マギ ルミネア』中学校が、なぜかその影を行く先々で落とす。 事件、霊視、過去の記憶、謎が複雑にからみあうサスペンスミステリー。

  • 雑記

    作品解説や色々まとめた記事を掲載。

  • 幻影記録 完結済み

    ホラー雑誌編集者として働く守美日和は、ある日、差出人不明の手紙を複数受け取る。誌面上で何度も呼びかけるが返答はない。 名前のない語り手によるショートストーリー。

記事一覧

創作大賞2024に「言葉をみすてないで ~文学部部員の日常~」を投稿しました!
タイトルも「推理」を「日常」に変えました。
ジャンルは迷ったのですが、「オールカテゴリ部門」です。
楽しんでいただけたら嬉しいです😊🌟

東西 七都
1か月前
6

最近、資格勉強で更新がはかどりません…(-_-;)
夏には完全に戻ってくる予定です💧
雨の日が続きますが、道に咲いているあじさいを見ると、元気づけられます💕
白いあじさいも人気なのか、良く見かけます(私だけ?)。
暑い日も続きますが、夏本番の青空を見るのが待ち遠しいこの頃です🌟

東西 七都
2か月前
5

最近、忙しくてnoteの更新まで手をつけられない状況です。
早く色々片付けて戻ってきます…😊✨!
暑い日や雨の日が続きましたが、皆様もお体ご自愛下さい😌

東西 七都
2か月前
11

【SS】金魚鉢 Goldfish Bowl #シロクマ文芸部

「金魚鉢」  お祭りの日に、金魚すくいをした思い出がある。誰しも、日本に住んでいれば持っている思い出の一つだろう。  和紙をぴんと張ったすくい網、ポイで金魚をす…

東西 七都
3か月前
17

いつも見てくださってありがとうございます!
こんなわたしですが、明日が誕生日になります🎂🌟
スキやメッセージがもらえば励みになります😊!

再度、「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」に修正を加えました。
読んでもらえると嬉しいです🤗✨
https://note.com/tozai_natu/m/m19f9dd45e418

東西 七都
3か月前
6

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #07

第三話 二  もう少し歩けば、駅が見えてくる。そんなときだった。  あたしは司の気分を変えようと、明るい話をしようとしていた。 「ねえ、司——」  左横の歩道から…

東西 七都
3か月前
8

「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」の全面改稿・修正しました!
伏線や推理のおかしな部分も直したのでぜひ、読んでみてください😊
タイトルも少し変更しました。
内容は学園もので、主人公(大学生)は幽霊が見える特殊設定です。
https://note.com/tozai_natu/m/m19f9dd45e418

東西 七都
3か月前
1

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #06

第三話 一  市立善理高校には占い部と言う怪しげな部活があり、司はなぜか、占い部部長をやたら気に入っていた。  どうも、かなり当たる占いをしてくれるらしい。  占…

東西 七都
3か月前
7

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の推理~」第三話目、鋭意執筆中です!
ネタと推敲のために、少々お時間をいただきます。
皆さんのおすすめの本などありましたら教えてください~😊!

東西 七都
3か月前
3

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #05

第二話 二  駅で用事を思い出したと言う司と別れ、あたしは有頂天でアイスケーキを家まで持って帰った。 「ただいまぁ」  家のドアを開け、キッチンの冷蔵庫に手をかけ…

東西 七都
3か月前
10

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #04

第二話 一  ゴールデンウイーク三日目に入り、あたしは、またしても司と遊ぶ約束を取り付け、近くの大型ショッピングモールを見て回った。  司との関係は順調に進展し…

東西 七都
3か月前
8

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #03

第一話 二  ゴールデンウイーク一日目になって、あたしと司は一緒に遊びに出かけることになった。  高校近くの駅に小さなアンテナショップができて、同時に、無人の自…

東西 七都
3か月前
8

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #02

第一話 一  四月から時間が経ち、あと三日で五月になるという頃だった。  五月と言えばゴールデンウイークだから、学校の生徒の中には、一週間前から休みの予定を話し…

東西 七都
3か月前
13

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #01

プロローグ  学校の廊下を歩き、つきあたりの部屋の扉、一歩手前。  そこで、あたし——和渡部愛唯は立ち止まった。    図書室のそばにある小さな部屋。  ここは、市…

東西 七都
3か月前
8

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」の第二話までカクヨムに先に投稿しました。noteには連続投稿をさけて後で上げます。
内容は全年齢対象、女子高校生二人のコージーミステリーです✨
略して「コトミス」をよろしくお願いします💕

https://kakuyomu.jp/works/16818093076580109005

東西 七都
3か月前
5

【SS】春の夢 The Dreams of Spring #シロクマ文芸部

「春の夢」  最近、春なのに、あまり良い夢を見ることができていない。  一昨日は、過去に言い争いをした人との夢。昨日は、知らない公園の中を、ぐるぐると歩いていた…

東西 七都
3か月前
10

創作大賞2024に「言葉をみすてないで ~文学部部員の日常~」を投稿しました!
タイトルも「推理」を「日常」に変えました。
ジャンルは迷ったのですが、「オールカテゴリ部門」です。
楽しんでいただけたら嬉しいです😊🌟

最近、資格勉強で更新がはかどりません…(-_-;)
夏には完全に戻ってくる予定です💧
雨の日が続きますが、道に咲いているあじさいを見ると、元気づけられます💕
白いあじさいも人気なのか、良く見かけます(私だけ?)。
暑い日も続きますが、夏本番の青空を見るのが待ち遠しいこの頃です🌟

最近、忙しくてnoteの更新まで手をつけられない状況です。
早く色々片付けて戻ってきます…😊✨!
暑い日や雨の日が続きましたが、皆様もお体ご自愛下さい😌

【SS】金魚鉢  Goldfish Bowl #シロクマ文芸部

【SS】金魚鉢 Goldfish Bowl #シロクマ文芸部


「金魚鉢」

 お祭りの日に、金魚すくいをした思い出がある。誰しも、日本に住んでいれば持っている思い出の一つだろう。
 和紙をぴんと張ったすくい網、ポイで金魚をすくう。
 ただ、それだけのことなのに、上手く金魚をすくえず、しかも金魚の方も心得たように、さっとポイを滑るように逃げていく。
 紙は濡れ、金魚には逃げられ、手元には、破れたポイしか残らない。
 呆気ないと言えば、呆気ない。
 だが、子ど

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いつも見てくださってありがとうございます!
こんなわたしですが、明日が誕生日になります🎂🌟
スキやメッセージがもらえば励みになります😊!

再度、「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」に修正を加えました。
読んでもらえると嬉しいです🤗✨
https://note.com/tozai_natu/m/m19f9dd45e418

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #07

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #07

第三話 二

 もう少し歩けば、駅が見えてくる。そんなときだった。
 あたしは司の気分を変えようと、明るい話をしようとしていた。
「ねえ、司——」
 左横の歩道から出てきた女の子がいた。ランドセルを背負っている。
 その子は、どうもあわてているようで周囲を見渡した後、司の顔に目をとめて驚いていた。
「つ、司お姉ちゃん!」
 女の子は司の名前を呼んだ。司は一瞬の間をあけて、女の子に言った。
「友美ち

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「霊視調査 ~マギ ルミネア編~」の全面改稿・修正しました!
伏線や推理のおかしな部分も直したのでぜひ、読んでみてください😊
タイトルも少し変更しました。
内容は学園もので、主人公(大学生)は幽霊が見える特殊設定です。
https://note.com/tozai_natu/m/m19f9dd45e418

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #06

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #06

第三話 一

 市立善理高校には占い部と言う怪しげな部活があり、司はなぜか、占い部部長をやたら気に入っていた。
 どうも、かなり当たる占いをしてくれるらしい。
 占い部に話がうつると、司はいつも話が長くなった。
「そんなに当たるの、その部長のタロット占い」
「ああ。愛唯も、どう? 当たるって言うより、予知だね。あれは」
 あまり占いには良い印象を持っていないし、司の話を聞いてもあまり心を動かされな

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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #05

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #05

第二話 二

 駅で用事を思い出したと言う司と別れ、あたしは有頂天でアイスケーキを家まで持って帰った。
「ただいまぁ」
 家のドアを開け、キッチンの冷蔵庫に手をかける。
 冷蔵庫の中にアイスケーキをしまおうとして、はっと気がついた。
 まずい、アイスケーキからドライアイスを抜いていない。
 あたしはあわてて、まず一旦、アイスケーキの箱の上部にあるドライアイスを取り出し、箱を閉めた。このままでは、ア

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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #04

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #04

第二話 一

 ゴールデンウイーク三日目に入り、あたしは、またしても司と遊ぶ約束を取り付け、近くの大型ショッピングモールを見て回った。
 司との関係は順調に進展していた。
 買い物もあまりせず、色々なお店を見て回った、その帰り。
 
 近くの駅までの巡回バスに乗り、あたしは窓の外に映る交通量の多い道路から、横に座っている司に視線を移した。
 司はいつもの通り、ポニーテールに眼鏡をかけていた。服装は

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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #03

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #03

第一話 二

 ゴールデンウイーク一日目になって、あたしと司は一緒に遊びに出かけることになった。
 高校近くの駅に小さなアンテナショップができて、同時に、無人の自動販売機が立ち並ぶお店もできたらしい。
 冷凍食品が食べられる自動販売機だと聞いているが、中には、アイスやジェラート、温かいうどんやカレーも食べられるらしい。最新式だと聞き、あたしの期待は、けた外れに上がっていた。
 
 駅構内のアンテナ

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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #02

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #02

第一話 一

 四月から時間が経ち、あと三日で五月になるという頃だった。
 五月と言えばゴールデンウイークだから、学校の生徒の中には、一週間前から休みの予定を話している者もいるくらいだった。
 授業が終わり、部活の時間になって、あたしは文学部部室の中へ入った。
 相変わらず、部活動をしているのかしていないのか、不明な部ではあった。
 いつ行っても、部長の姿は見えない。
 司が言うには、二、三回会っ

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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #01

「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」 #01

プロローグ

 学校の廊下を歩き、つきあたりの部屋の扉、一歩手前。
 そこで、あたし——和渡部愛唯は立ち止まった。
 
 図書室のそばにある小さな部屋。
 ここは、市立善理高校文学部の部室で、部として定員数をやっとそろえたぐらいの文学部にはふさわしい、活動の場所だ。
 あたしは、扉に二回、こぶしを軽くぶつけてノックをする。返事はない。
 扉には中をのぞく窓があるものの、すりガラスが、ぼんやりとしか

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「言葉を、みすてないで ~文学部部員の日常~」の第二話までカクヨムに先に投稿しました。noteには連続投稿をさけて後で上げます。
内容は全年齢対象、女子高校生二人のコージーミステリーです✨
略して「コトミス」をよろしくお願いします💕

https://kakuyomu.jp/works/16818093076580109005

【SS】春の夢  The Dreams of Spring  #シロクマ文芸部

【SS】春の夢 The Dreams of Spring #シロクマ文芸部


「春の夢」

 最近、春なのに、あまり良い夢を見ることができていない。
 一昨日は、過去に言い争いをした人との夢。昨日は、知らない公園の中を、ぐるぐると歩いていた夢。
 夢だから、漠然としか覚えていない。
 
 わたしはベッドから立ち上がり、カーテンを開ける。
 見慣れた風景が窓の奥に広がり、わたしはほっと息をつく。
 目の覚めるような青空に白雲がたなびいて、夢の世界を吹き飛ばすような、鮮やかな

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