Yoshitaka Tomura

デジタルインテリジェンス代表取締役。自動車、化粧品、トイレタリー、飲料、人材、家電、I…

Yoshitaka Tomura

デジタルインテリジェンス代表取締役。自動車、化粧品、トイレタリー、飲料、人材、家電、ITなど、様々な業界の「マス×デジタルマーケティング」の支援を行う。現在は、妻⼦2⼈とフレンチブルの4⼈で海の近くで暮らす。 デジタルインテリジェンスhttps://www.di-d.jp/

記事一覧

都知事選「石丸伸二氏2位」は、本当にネットの力を証明したのか?  

   7月7日、東京都知事選の投開票が実施された。史上最大の立候補者数、掲示板騒動など、何かと話題の多い都知事選だったが、とくに注目を集めたのは「ネットの力」だ。S…

1

【ブランディング】「認知を上げる」ことより大切な広告の視点

■「伝えたいこと」以上に大切なのは「どう伝わったか」  広告とは、企業や商品の情報を広く知ってもらうための活動であり、それらは音や映像、コピーなどの表現を通じ…

Yoshitaka Tomura
1か月前
1

広告担当者・マーケターに伝えたい「テレビ」というメディアの価値

 テレビメディアは代替不可能なマスメディアである。それをマーケターは忘れてはいけない。前回の記事に引き続き、このことについて考えていきたい。  ジェフリー・ムー…

Yoshitaka Tomura
2か月前
2

テレビはマスメディアじゃなくなったのか?

■テレビの「ターゲティングメディア化」が進んでいる  テレビはマスメディアじゃなくなったのか?  と言うのも、最近の広告代理店やITベンダーのリリースを見ている…

Yoshitaka Tomura
3か月前
5

デジタル広告の効果測定で「CT・CVを追うのはもうやめよう」という話

■「クリックされた数」を追う意味がなくなってきている 前回の記事では、デジタル広告のKPIについて、「KPIを安易にクリック(CT)やコンバージョン(CV)に置かないこ…

Yoshitaka Tomura
3か月前
1

「デジタル広告のKPI」について考えてみた

■デジタル広告の「KPI」について思うこと  今回は、「デジタル広告のKPI」について考えてみたい。  デジタル広告は、従来のメディアが抱えてきた「効果を定量的に把…

Yoshitaka Tomura
5か月前
5

「仕事は“人物相関図”でうまくいく」という話

●仕事の「質」以前に大切なのは関係者事情 私が思うに、複数の関係者がかかわるプロジェクトにおいて、仕事の「質」以上に大切なのは「関係者の事情や関係性」を把握し、…

Yoshitaka Tomura
6か月前
2

広告担当者が知っておきたい「令和時代のペルソナの描き方」

■コモディティ化した市場の「ペルソナ設定」で大切なこと  マーケティングを考える際、「ペルソナ」を考えることがあるだろう。セグメント、顧客像などと言い方はさま…

Yoshitaka Tomura
7か月前
6

デジタル広告はアカウントエグゼクティブの“質”を低下させた

■今、「広告主」と「AE」とのコミュニケーションが希薄化している  2021年、ネット広告がマス広告(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)を初めて上回り、話題を集めた。ここ…

Yoshitaka Tomura
8か月前
2

「自社のバリュープロポジションは何か?」を考える際に、絶対に忘れてはいけないこと【広告・マーケティング・戦略】

バリュープロポジションとは?  経験上、「戦略」という言葉の解釈は人によって違うと感じることが多い。もちろんフレームワークなどの戦略の作り方には様々なアプロー…

Yoshitaka Tomura
11か月前
10

広告主は"絶対"に知っておきたい「テレビCM出稿」で失敗しないコツ

★テレビCMの広告売上=広告在庫×単価  前回の記事で触れたように、テレビではCM総量の自主規制が設定されています。1週間におけるCM枠の総量は放送時間の18%以下で…

3

「広告メディア化」が進み過ぎたSNSは終わる。今、ネットでの広告規制が必要な理由

★「情報」と「広告」のバランス崩壊が引き起こす、メディアのユーザー離れ  昨今、S N S人気の推移を見てもわかるようにTwitter→Facebook→YouTube→Instagram→TikTok…

7

大谷とヌートバー、どちらをCMに起用すべきか?【広告・マーケティング】

デジタルインテリジェンスの戸村です。 大きな盛り上がりを見せたWBCがついに閉幕しました。劇的な逆転サヨナラで優勝を飾ってくれた侍ジャパン、本当にすごかったですね…

7

WBCとサッカーW杯の広告的価値はどちらが高いのか?【広告・マーケティング】

デジタルインテリジェンスの戸村です。 連日盛り上がりを見せているWBCは、ついに本日が決勝ですね。 今年は、バスケットボール、ラグビーでもワールドカップが開催さ…

8

WBCの広告的価値とは? 「視聴率40%超」の裏側を紐解く

デジタルインテリジェンスの戸村です。 WBCが連日話題を集めていますね。本日のメキシコ戦で劇的なサヨナラ勝ちを収め、決勝に駒を進めた侍ジャパンへの注目は一層高まって…

12

DXといいつつも変革に至らない理由

DXというのは変革であり、前回NOTEに書いたようにDXは本質じゃないと思っている。 ではこれってなんだ?って話しになると思うのだけれど、従来「資源の再配分」と言われて…

4
都知事選「石丸伸二氏2位」は、本当にネットの力を証明したのか?  

都知事選「石丸伸二氏2位」は、本当にネットの力を証明したのか?  

 
 7月7日、東京都知事選の投開票が実施された。史上最大の立候補者数、掲示板騒動など、何かと話題の多い都知事選だったが、とくに注目を集めたのは「ネットの力」だ。SNSを駆使した活動で無党派層を取り込んだ石丸伸二氏が2位という結果は、メディアでも多く取り上げられ、驚きの声が集まっていた。

 従来メディアであるテレビでは、「放送法」によって告示後の報道が制限されてしまう。選挙期間中は、意図的に特定

もっとみる
【ブランディング】「認知を上げる」ことより大切な広告の視点

【ブランディング】「認知を上げる」ことより大切な広告の視点


■「伝えたいこと」以上に大切なのは「どう伝わったか」

 広告とは、企業や商品の情報を広く知ってもらうための活動であり、それらは音や映像、コピーなどの表現を通じて伝達することになる。

 受け手には、これらの表現を通じて得た解釈が単純化されたイメージとして蓄積していき、「きっかけ」または「興味」の心理が生まれる。その結果、その企業や商品について記憶に留めたり行動を促したりすることになる。

 つ

もっとみる
広告担当者・マーケターに伝えたい「テレビ」というメディアの価値

広告担当者・マーケターに伝えたい「テレビ」というメディアの価値

 テレビメディアは代替不可能なマスメディアである。それをマーケターは忘れてはいけない。前回の記事に引き続き、このことについて考えていきたい。

 ジェフリー・ムーア氏の提唱する「イノベーター理論」は、市場の約2.5%と言われる「イノベーター(革新者)」から、市場の約13.5%を占める「アーリーアダプター(初期採用者)」、今で言うインフルエンサーを多く含む層へと製品やサービスが浸透し、そこから「マジ

もっとみる
テレビはマスメディアじゃなくなったのか?

テレビはマスメディアじゃなくなったのか?


■テレビの「ターゲティングメディア化」が進んでいる

 テレビはマスメディアじゃなくなったのか?

 と言うのも、最近の広告代理店やITベンダーのリリースを見ていると「ターゲットにあった出稿プラン」だとか「広告効果を最大化したテレビプランニング」といったコピーを見かける。もちろん、そうできたらいいね、という立場は私自身も変わらないのだが……

 ここから感じるのは、デジタルが得意とする「ターゲテ

もっとみる
デジタル広告の効果測定で「CT・CVを追うのはもうやめよう」という話

デジタル広告の効果測定で「CT・CVを追うのはもうやめよう」という話


■「クリックされた数」を追う意味がなくなってきている

前回の記事では、デジタル広告のKPIについて、「KPIを安易にクリック(CT)やコンバージョン(CV)に置かないことが大切だ」という話をした。

 今回は、さらに一歩進んで、デジタル広告の効果測定の際に考えたいことをお伝えしていきたい。

 最近のデジタル広告は、皆さんもよく知っている通りアルゴリズムによって最適化されている。つまり、その商

もっとみる
「デジタル広告のKPI」について考えてみた

「デジタル広告のKPI」について考えてみた


■デジタル広告の「KPI」について思うこと

 今回は、「デジタル広告のKPI」について考えてみたい。

 デジタル広告は、従来のメディアが抱えてきた「効果を定量的に把握できない」という問題を解決した。クリック、コンバージョン、CPAなど、広告効果を数字で語れるというメリットは、広告を売る側にとっても、打つ側にとっても非常に魅力的に映っただろう。

だが、その弊害とも言える現象が、今の広告業界で

もっとみる
「仕事は“人物相関図”でうまくいく」という話

「仕事は“人物相関図”でうまくいく」という話


●仕事の「質」以前に大切なのは関係者事情
私が思うに、複数の関係者がかかわるプロジェクトにおいて、仕事の「質」以上に大切なのは「関係者の事情や関係性」を把握し、配慮することである。

企業規模が大きくなればなるほど、そのプロジェクトに参加する関係者も増えてくるだろう。その中には、革新的なことを好む人もいれば、中立派の人、保守的な人もいる。課題観も人や部署によってさまざまだ。また、関係部署間の関係

もっとみる
広告担当者が知っておきたい「令和時代のペルソナの描き方」

広告担当者が知っておきたい「令和時代のペルソナの描き方」



■コモディティ化した市場の「ペルソナ設定」で大切なこと

 マーケティングを考える際、「ペルソナ」を考えることがあるだろう。セグメント、顧客像などと言い方はさまざまだが、つまり自分たちの顧客や新たに顧客になってほしい人を定義することである。広告のターゲットがどういう人であるか、自社や代理店などとイメージを共有するためにつくる「群像」だとも言える。

 ペルソナの設定では、まずプロファイルを決め

もっとみる
デジタル広告はアカウントエグゼクティブの“質”を低下させた

デジタル広告はアカウントエグゼクティブの“質”を低下させた


■今、「広告主」と「AE」とのコミュニケーションが希薄化している

 2021年、ネット広告がマス広告(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)を初めて上回り、話題を集めた。ここからもわかる通り、今はデジタル広告が主流の時代だ。

 デジタル広告によって、広告の効果は数字で可視化できるようになった。これは素晴らしいことだ。だが、それによる弊害も生まれているように思える。

 たとえば、広告主とアカウントエグ

もっとみる
「自社のバリュープロポジションは何か?」を考える際に、絶対に忘れてはいけないこと【広告・マーケティング・戦略】

「自社のバリュープロポジションは何か?」を考える際に、絶対に忘れてはいけないこと【広告・マーケティング・戦略】



バリュープロポジションとは?

 経験上、「戦略」という言葉の解釈は人によって違うと感じることが多い。もちろんフレームワークなどの戦略の作り方には様々なアプローチがあって良いと思う。ただし、私は基本的に戦略には次の3パターンしかないと考える。

● 差別化(他者にはないものを充足する)
● 中立化(他者がもっている差別化要素を薄める)
● 生産性向上(自社の生産性をスピードとコストで効率を上

もっとみる
広告主は"絶対"に知っておきたい「テレビCM出稿」で失敗しないコツ

広告主は"絶対"に知っておきたい「テレビCM出稿」で失敗しないコツ

★テレビCMの広告売上=広告在庫×単価

 前回の記事で触れたように、テレビではCM総量の自主規制が設定されています。1週間におけるCM枠の総量は放送時間の18%以下です。このように広告在庫が有限なメディアでは、収益を右肩上がりに伸ばし続けるには限界があります。

 テレビショッピングなどのマーチャントによる収益源は別とすると、テレビ局側から見た広告の収益源は以下のような変数で成り立っています(

もっとみる
「広告メディア化」が進み過ぎたSNSは終わる。今、ネットでの広告規制が必要な理由

「広告メディア化」が進み過ぎたSNSは終わる。今、ネットでの広告規制が必要な理由

★「情報」と「広告」のバランス崩壊が引き起こす、メディアのユーザー離れ

 昨今、S N S人気の推移を見てもわかるようにTwitter→Facebook→YouTube→Instagram→TikTokと、次々にS N Sメディアが生まれ、ユーザーによって“消費”されています。


 ここで“消費”とあえて表現したのは、一般の生活者にとって有効な時間は有限であり、メディアに費やす時間は消費だか

もっとみる
大谷とヌートバー、どちらをCMに起用すべきか?【広告・マーケティング】

大谷とヌートバー、どちらをCMに起用すべきか?【広告・マーケティング】

デジタルインテリジェンスの戸村です。

大きな盛り上がりを見せたWBCがついに閉幕しました。劇的な逆転サヨナラで優勝を飾ってくれた侍ジャパン、本当にすごかったですね。

さて、以前の記事では、WBCの広告的価値について、視聴率とCM接触率をもとに分析していきました。


今回は、WBCで生まれた「新たな広告的価値」についてお話していきたいと思います。


新たなスター「ヌートバー選手」の広

もっとみる
WBCとサッカーW杯の広告的価値はどちらが高いのか?【広告・マーケティング】

WBCとサッカーW杯の広告的価値はどちらが高いのか?【広告・マーケティング】

デジタルインテリジェンスの戸村です。

連日盛り上がりを見せているWBCは、ついに本日が決勝ですね。

今年は、バスケットボール、ラグビーでもワールドカップが開催されます。これらの運営を支えるスポンサー(広告主)にとっては、今後を見据える上でもWBCの動向は注目すべきイベントだと言えるでしょう。

では、WBCの広告的価値はどれくらいなのでしょう。

先日の記事では、WBCの視聴率からそれ

もっとみる
WBCの広告的価値とは? 「視聴率40%超」の裏側を紐解く

WBCの広告的価値とは? 「視聴率40%超」の裏側を紐解く

デジタルインテリジェンスの戸村です。
WBCが連日話題を集めていますね。本日のメキシコ戦で劇的なサヨナラ勝ちを収め、決勝に駒を進めた侍ジャパンへの注目は一層高まっています。

侍ジャパンの活躍とあわせて話題を集めているのが「視聴率」です。テレビやネットニュースで「視聴率40%超!」なんていうニュースを見た人も多いと思います。

では、WBCの広告的価値はいったいどうなのでしょう。

今回は、

もっとみる
DXといいつつも変革に至らない理由

DXといいつつも変革に至らない理由

DXというのは変革であり、前回NOTEに書いたようにDXは本質じゃないと思っている。
ではこれってなんだ?って話しになると思うのだけれど、従来「資源の再配分」と言われてきたことが「投資の再配分」に変わってきたということだと思ってます。もちろん投資はというのは資源の一部ではある。だが、資源にはヒト、モノ、カネなど企業を構成する全てが含まれている。これを再整理して再配分しましょうというのが今までだとす

もっとみる