Yoshitaka Tomura

デジタルインテリジェンス代表取締役。自動車、化粧品、トイレタリー、飲料、人材、家電、I…

Yoshitaka Tomura

デジタルインテリジェンス代表取締役。自動車、化粧品、トイレタリー、飲料、人材、家電、ITなど、様々な業界の「マス×デジタルマーケティング」の支援を行う。現在は、妻⼦2⼈とフレンチブルの4⼈で海の近くで暮らす。 デジタルインテリジェンスhttps://www.di-d.jp/

最近の記事

広告担当者・マーケターに伝えたい「テレビ」というメディアの価値

 テレビメディアは代替不可能なマスメディアである。それをマーケターは忘れてはいけない。前回の記事に引き続き、このことについて考えていきたい。  ジェフリー・ムーア氏の提唱する「イノベーター理論」は、市場の約2.5%と言われる「イノベーター(革新者)」から、市場の約13.5%を占める「アーリーアダプター(初期採用者)」、今で言うインフルエンサーを多く含む層へと製品やサービスが浸透し、そこから「マジョリティ」へと進化するためにはキャズムと言う溝を越えなければならない、というもの

    • テレビはマスメディアじゃなくなったのか?

      ■テレビの「ターゲティングメディア化」が進んでいる  テレビはマスメディアじゃなくなったのか?  と言うのも、最近の広告代理店やITベンダーのリリースを見ていると「ターゲットにあった出稿プラン」だとか「広告効果を最大化したテレビプランニング」といったコピーを見かける。もちろん、そうできたらいいね、という立場は私自身も変わらないのだが……  ここから感じるのは、デジタルが得意とする「ターゲティング」や「最適化」の視点が、マスメディアであるテレビの領域にも入り込んできてい

      • デジタル広告の効果測定で「CT・CVを追うのはもうやめよう」という話

        ■「クリックされた数」を追う意味がなくなってきている 前回の記事では、デジタル広告のKPIについて、「KPIを安易にクリック(CT)やコンバージョン(CV)に置かないことが大切だ」という話をした。  今回は、さらに一歩進んで、デジタル広告の効果測定の際に考えたいことをお伝えしていきたい。  最近のデジタル広告は、皆さんもよく知っている通りアルゴリズムによって最適化されている。つまり、その商品・サービスに興味がありそうな人をAIが判断し、広告が流される仕組みになっている

        • 「デジタル広告のKPI」について考えてみた

          ■デジタル広告の「KPI」について思うこと  今回は、「デジタル広告のKPI」について考えてみたい。  デジタル広告は、従来のメディアが抱えてきた「効果を定量的に把握できない」という問題を解決した。クリック、コンバージョン、CPAなど、広告効果を数字で語れるというメリットは、広告を売る側にとっても、打つ側にとっても非常に魅力的に映っただろう。 だが、その弊害とも言える現象が、今の広告業界では起きている。「広告のKPI」を短絡的にクリックやコンバージョンに置いてしまうと

        広告担当者・マーケターに伝えたい「テレビ」というメディアの価値

          「仕事は“人物相関図”でうまくいく」という話

          ●仕事の「質」以前に大切なのは関係者事情 私が思うに、複数の関係者がかかわるプロジェクトにおいて、仕事の「質」以上に大切なのは「関係者の事情や関係性」を把握し、配慮することである。 企業規模が大きくなればなるほど、そのプロジェクトに参加する関係者も増えてくるだろう。その中には、革新的なことを好む人もいれば、中立派の人、保守的な人もいる。課題観も人や部署によってさまざまだ。また、関係部署間の関係性の良し悪しも組織によって大きく変わってくる。 それらを「なんとなくの空気感」

          「仕事は“人物相関図”でうまくいく」という話

          広告担当者が知っておきたい「令和時代のペルソナの描き方」

          ■コモディティ化した市場の「ペルソナ設定」で大切なこと  マーケティングを考える際、「ペルソナ」を考えることがあるだろう。セグメント、顧客像などと言い方はさまざまだが、つまり自分たちの顧客や新たに顧客になってほしい人を定義することである。広告のターゲットがどういう人であるか、自社や代理店などとイメージを共有するためにつくる「群像」だとも言える。  ペルソナの設定では、まずプロファイルを決めることが多い。「40代男性。高学歴。年収は平均以上。結婚していて子持ち。お金には

          広告担当者が知っておきたい「令和時代のペルソナの描き方」

          デジタル広告はアカウントエグゼクティブの“質”を低下させた

          ■今、「広告主」と「AE」とのコミュニケーションが希薄化している  2021年、ネット広告がマス広告(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)を初めて上回り、話題を集めた。ここからもわかる通り、今はデジタル広告が主流の時代だ。  デジタル広告によって、広告の効果は数字で可視化できるようになった。これは素晴らしいことだ。だが、それによる弊害も生まれているように思える。  たとえば、広告主とアカウントエグゼクティブ(AE)とのコミュニケーションの希薄化がその一つだろう。従来に比べて、

          デジタル広告はアカウントエグゼクティブの“質”を低下させた

          「自社のバリュープロポジションは何か?」を考える際に、絶対に忘れてはいけないこと【広告・マーケティング・戦略】

          バリュープロポジションとは?  経験上、「戦略」という言葉の解釈は人によって違うと感じることが多い。もちろんフレームワークなどの戦略の作り方には様々なアプローチがあって良いと思う。ただし、私は基本的に戦略には次の3パターンしかないと考える。 ● 差別化(他者にはないものを充足する) ● 中立化(他者がもっている差別化要素を薄める) ● 生産性向上(自社の生産性をスピードとコストで効率を上げる)  多くの場合、まず成果が一番大きいと考えられる「差別化」戦略で考え出

          「自社のバリュープロポジションは何か?」を考える際に、絶対に忘れてはいけないこと【広告・マーケティング・戦略】

          広告主は"絶対"に知っておきたい「テレビCM出稿」で失敗しないコツ

          ★テレビCMの広告売上=広告在庫×単価  前回の記事で触れたように、テレビではCM総量の自主規制が設定されています。1週間におけるCM枠の総量は放送時間の18%以下です。このように広告在庫が有限なメディアでは、収益を右肩上がりに伸ばし続けるには限界があります。  テレビショッピングなどのマーチャントによる収益源は別とすると、テレビ局側から見た広告の収益源は以下のような変数で成り立っています(海外コンテンツのアウトバウンドやD V Dセールスなども除外します)。C Mの総

          広告主は"絶対"に知っておきたい「テレビCM出稿」で失敗しないコツ

          「広告メディア化」が進み過ぎたSNSは終わる。今、ネットでの広告規制が必要な理由

          ★「情報」と「広告」のバランス崩壊が引き起こす、メディアのユーザー離れ  昨今、S N S人気の推移を見てもわかるようにTwitter→Facebook→YouTube→Instagram→TikTokと、次々にS N Sメディアが生まれ、ユーザーによって“消費”されています。  ここで“消費”とあえて表現したのは、一般の生活者にとって有効な時間は有限であり、メディアに費やす時間は消費だからです。そのうちの幾分かをメディアから情報を摂取することに費やし、それが単なる「

          「広告メディア化」が進み過ぎたSNSは終わる。今、ネットでの広告規制が必要な理由

          大谷とヌートバー、どちらをCMに起用すべきか?【広告・マーケティング】

          デジタルインテリジェンスの戸村です。 大きな盛り上がりを見せたWBCがついに閉幕しました。劇的な逆転サヨナラで優勝を飾ってくれた侍ジャパン、本当にすごかったですね。 さて、以前の記事では、WBCの広告的価値について、視聴率とCM接触率をもとに分析していきました。 今回は、WBCで生まれた「新たな広告的価値」についてお話していきたいと思います。 新たなスター「ヌートバー選手」の広告的価値とは? WBCを通して改めて感じたのは、テレビというメディアの瞬発力

          大谷とヌートバー、どちらをCMに起用すべきか?【広告・マーケティング】

          WBCとサッカーW杯の広告的価値はどちらが高いのか?【広告・マーケティング】

          デジタルインテリジェンスの戸村です。 連日盛り上がりを見せているWBCは、ついに本日が決勝ですね。 今年は、バスケットボール、ラグビーでもワールドカップが開催されます。これらの運営を支えるスポンサー(広告主)にとっては、今後を見据える上でもWBCの動向は注目すべきイベントだと言えるでしょう。 では、WBCの広告的価値はどれくらいなのでしょう。 先日の記事では、WBCの視聴率からそれを読み解きました。 WBCの広告的価値とは? 「視聴率40%超」の裏側を紐解

          WBCとサッカーW杯の広告的価値はどちらが高いのか?【広告・マーケティング】

          WBCの広告的価値とは? 「視聴率40%超」の裏側を紐解く

          デジタルインテリジェンスの戸村です。 WBCが連日話題を集めていますね。本日のメキシコ戦で劇的なサヨナラ勝ちを収め、決勝に駒を進めた侍ジャパンへの注目は一層高まっています。 侍ジャパンの活躍とあわせて話題を集めているのが「視聴率」です。テレビやネットニュースで「視聴率40%超!」なんていうニュースを見た人も多いと思います。 では、WBCの広告的価値はいったいどうなのでしょう。 今回は、WBCの視聴率データを分析し、その広告的価値を考えてみたいと思います。 WBC

          WBCの広告的価値とは? 「視聴率40%超」の裏側を紐解く

          DXといいつつも変革に至らない理由

          DXというのは変革であり、前回NOTEに書いたようにDXは本質じゃないと思っている。 ではこれってなんだ?って話しになると思うのだけれど、従来「資源の再配分」と言われてきたことが「投資の再配分」に変わってきたということだと思ってます。もちろん投資はというのは資源の一部ではある。だが、資源にはヒト、モノ、カネなど企業を構成する全てが含まれている。これを再整理して再配分しましょうというのが今までだとすると、これから求められるのはDXによって投資配分を見直しましょうということだと僕

          DXといいつつも変革に至らない理由

          真実を追求すると人の問題にぶち当たる

          僕がデジタルインテリジェンスの代表を引き継いだのは昨年の7月で、今尚続くコロナ禍の最中でした。まぁそれからも色々とありましたし、今なお困難の中にいると思います。けれどこのNOTEにはそんなことを徒然と書きたいわけではなく、これから僕が描きたい未来とその過程なんかを社会に向けての意思表明として書いていきたいと思っています。もしかしたら、そのうちこのNOTEにもこうしたことを始めようと思ったきっかけや心境の変化など通り過ぎたことを書くこともあるかも知れませんが、それはそれで。改め

          真実を追求すると人の問題にぶち当たる