デジタル広告の効果測定で「CT・CVを追うのはもうやめよう」という話
■「クリックされた数」を追う意味がなくなってきている
前回の記事では、デジタル広告のKPIについて、「KPIを安易にクリック(CT)やコンバージョン(CV)に置かないことが大切だ」という話をした。
今回は、さらに一歩進んで、デジタル広告の効果測定の際に考えたいことをお伝えしていきたい。
最近のデジタル広告は、皆さんもよく知っている通りアルゴリズムによって最適化されている。つまり、その商品・サービスに興味がありそうな人をAIが判断し、広告が流される仕組みになっているのだ。
このような時代において、「クリックされた数」を追って効果を分析しても、あまり有意義な課題は見出せないと言えるだろう。そこはすでにAIが最適化しているからだ。
■「クリックしなかった人」「クリックしたけど買わなかった人」にこそ、課題が隠れている
こんな時代にマーケターが介在する余地があるとすれば、「クリックしなかった人」、もっと言えば「クリックしたけれど買わなかった人」の“なぜ”を考えることではないか。
なぜクリックされなかったのか、なぜクリックしたのに買わなかったのか。そこに広告の課題が隠れていることが多いのだ。
たとえば、「クリックしなかった人」を想像すれば、訴求ポイントのズレなどの課題に気づけるかもしれないし、クリエイティブ面での改善点に気づくこともあるだろう。
「クリックしたけど買わなかった人」を想像することはもっと大切だ。その数が多ければ多いほど、商品自体に何か問題があったり、誘導したサイトの内容が魅力的でなかったりする可能性がある。その場合、いくら広告を打ち、クリック数を稼いだとしても、無駄な広告費用を使ってしまうことになる。
KPIをクリック数、コンバージョンに置いて一喜一憂していると、これらのことに気づくことはできない
だから覚えておいてほしいのは、「クリックやコンバージョンはAIによってある程度最適化され、数を出せるようになってきている」ということだ。
そんな時代に、マーケターとしてどうあるべきか、どうすれば価値を出せるか。それを考えて、広告の効果測定、振り返りを行う。それがAI時代のマーケターに求められるものだと思う。
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