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WBCとサッカーW杯の広告的価値はどちらが高いのか?【広告・マーケティング】

デジタルインテリジェンスの戸村です。
 
連日盛り上がりを見せているWBCは、ついに本日が決勝ですね。
 
今年は、バスケットボール、ラグビーでもワールドカップが開催されます。これらの運営を支えるスポンサー(広告主)にとっては、今後を見据える上でもWBCの動向は注目すべきイベントだと言えるでしょう。
 
では、WBCの広告的価値はどれくらいなのでしょう。
 
先日の記事では、WBCの視聴率からそれを読み解きました。
 
WBCの広告的価値とは? 「視聴率40%超」の裏側を紐解く
 
ただし、ここでの考察は、あくまで「番組視聴率」をもとにしたものであり、番組視聴者すべてがその間に流れるCMにそのまま接触したとは言えません。
 
そこで今回は、CM接触率を分析し、WBCの広告的価値についてさらに紐解いていきましょう。

WBCにCM出稿した企業のリーチ率


以下のグラフは、3月8~12日の期間中に、WBCの中継に30秒CMを5本出稿した、とあるクライアントの性年代別のCM接触率(関東地域)を可視化したものです。

黄色がCMで接触できなかった非接触(非リーチ)率、それ以外は色別に複数回の接触(リーチ)率を表します。例えば、男性20代を見ると、19.4%へリーチできたということになります。
 
関東地域の20代男性の人口が約250万人弱なので、CMとしての接触は約50万人弱という計算になります。
 
スポンサー費用が不明のため、コストパフォーマンスについての言及を避けますが、ターゲットが20代の場合、費用対効果(到達レベル)の良し悪しは、「約50万人へ、CMを平均2回程度到達させるコスト」と考えることができるでしょう。

カタールW杯にCM出稿した企業のリーチ率

ここで、サッカーワールドカップのCM接触率についても見ていきましょう。
 
以下のグラフは、2022年カタールW杯の日本戦にCMを放映した、とあるクライアントの性年代別CM接触率を可視化したものです。WBCと同じく、期間中に30秒CMを5本出稿しています。

WBCと比較をしてみると、男性20代へは12.4%にリーチできたということになります。こちらも関東地域のデータのため、20代男性へのCMとしての接触は約30万人強という計算になります。

WBCのほうが、若年層へのCMリーチ率は高かった

これらのデータを比較すると、WBCのほうが総じてCM接触率が高いという結果になりました。サッカーのほうが若年層へリーチできると考えられますが、CM接触率でみると、実はそうでもないことがわかります。
 
テレビCMでの広告効果を検証する際は、世帯・個人番組視聴率、そしてCMでの接触率を考える必要があります。さらには広告主として「何に投資したのか」を考える必要もあるでしょう。あくまで広告主にとってのスポンサーシップは、企業への経済効果を期待した投資だと思いますが、どんな経済効果や相乗効果を期待するかなど、KPIによっては、視聴率だけでは測れない動向を踏まえる必要もあるのです。


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