反富裕層の誤ち
みなさんこんにちは。今回は富裕層叩きについて解説していきます。
昨今の日本の政治では「富裕層」や「新自由主義」を叩いている政治家や経済左派がいます。
例えば、「富裕層に累進課税強化しろ!」や「富裕層が貧困者を生んでいる!」などの批判があります。いわゆる、新自由主義やグローバル経済に反対する人達は、貧困層を最優先に考え、累進課税を強化して富裕層に厳しくするなどの思想や政党を支持しています。
富裕層叩きの間違い
富裕層は貧困を生んでいるのか?
よくある一般的な主張は”富裕層は貧困者を生んでいる”点です。彼らは「富裕層は労働者を搾取し、貧困者を生んでいる」と富裕層を批判しています。
これに対して私が疑問に思ったのは「中間層や貧困層は富裕層からの投資がなければ、雇用や賃金を貰うことができないのでは?」ということです。
基本的に労働者は富裕層が投資して経営している会社に就職して、そこで労働生産をし、賃金を貰いながら生活しています。つまり、富裕層がなければ労働者が成立しないのです。しかし、たまに「労働者がいなければ富裕層は存在できない」と反論してきます。だが、それに対しては、富裕層の財産で何らかのビジネスを始めなければ、庶民に働く場所が生まれないので、富裕層なしに富を生み出すことはできないのです。
かつて、社会主義者が労働生産を国に任せれば問題ないと主張して、旧ソビエト社会主義共和国連邦(現:ロシア)や朝鮮民主主義人民共和国や初期の中国のような社会主義国は"中央主権的計画経済"で平等な経済社会を目指しました。しかし、政府が多種多様の市場を全て把握やコントロールをすることは不可能ですし、需要と供給に合わない生産をし続け、国民に適切な財とサービスの提供はできません。また、賃金は労働生産性や労働分配率、労働市場によって、決まるもので、全ての職業が公務員の場合、民間企業と違って労働生産性が限られるので、賃上げは不可能です。労働者にもまともな生活を提供することができず、ほとんどの社会主義国は崩壊か、中国やベトナムのように資本主義市場に転換した国もいます。このように、政府が富裕層を縛って、市場に介入する政策をしても、貧困者は救われません。
資本家誕生で生活水準を上げた
1760年代にイギリスで産業革命が起きました。産業革命によって、生産手段が機械になり、大量消費•大量生産を実現しました。また、資本を所持する資本家(富裕層)や労働を行う労働者が生まれ、資本主義社会が成立しました。
この資本主義社会の成立によって、資本家や労働者の間で格差が生まれました。このことに、経済左派の人達が「資本主義成立で貧困を生まれて、格差を広げた」と主張しています。確かに、産業革命による資本主義の成立によって格差が広がったのは事実です。ですが、資本家が雇用に投資してくれたお陰で、一般庶民は働く場所を見つけることができ、中間層を増やしました。
それ以前の社会では、貴族や小作農しか存在せず、現在にいる一般的な中間層は存在していませんでした。また、小作農は現在のような一般的な文化的娯楽をすることができず、なかなか快適に楽しめない生活でした。しかし、先程も説明したように資本主義社会の成立で、庶民が資本家の投資によって、安定した雇用や賃金を貰うことができ、格差は広まったものの、その分国全体の生活水準が向上し、庶民が文化的娯楽を楽しむことができ、またインフラ施設の使用やまともな飯を食えることができ、庶民の生活を豊かにしていきました。
貧困率は減り続けている
産業革命による資本主義の発達のおかげで、中間層が誕生し増加しました。それと同時に貧困率も産業革命からずっと下がり続いています。
このデータを見れば分かりますが、貧困率は世界中で減り続けているのが分かります。よく、経済左派は「資本主義が貧困を拡大させた!」と主張していますが、データをみれば資本主義社会下で貧困率は減っている。
日本の貧困率はそんなに増えてない
日本は最近、貧困問題が話題になっています。特に相対的貧困が問題視されており、日本は「6人に1人が貧困」と言われています。
上のデータを見てみると、貧困率はそれなりにあるものの、そんなに増えていません。データを見れば、"子どもがいる現役世帯のうち大人が一人の世帯"てば、1991年から1997年までは一度増加したものの、これ以降は低下しています。それ以外でも、少し上がったり下がったりなので、基本的に横ばいです。
「格差=貧困」ではない
一般的には「格差=貧困」と認識されています。しかし、それは間違っています。
例えば、アメリカでは世界トップクラスの格差大国だか、平均年収は約670万円です。同じ高所得国で格差は大きいものの、平均所得が高い国があり、またその逆の高所得で格差が小さい国もあり、アフガニスタンのパキスタンのような格差は小さいものの、平均所得が低い国もあります。
格差と貧困は基本的に関係ありません。貧困率を減らす上で大切なのは、格差を是正するのではなく、一人一人の経済活動の能力を上げて、平均所得を増やし、国全体の生活水準を上げることです。例え、いくら格差是正をしたところで、平均所得が増やせなければ意味がないのです。また格差を拡大しても、低所得者がインフラやスマホなどの使用や、コーラやマクドのバーガーを飲食ができれば、格差なんてどうでもいいのです。もう一度言いますが、大切なのは国全体の「生活水準」を上げることです。
資本家が「大きな政府」や「マルクス経済学」を拡散させた
SNSでは経済左派の人達が「大きな政府」または「修正資本主義」や「資本論」などの思想をTwitterやnote、YouTubeなどで発信したり、拡散をしている。相変わらずSNSで「富裕層叩き」が経済左派の界隈で流行っています。
では、この気楽に発信させるように可能にしたのは誰なのでしょうか?紛れもなく"資本家"です。
IT産業や情報業の発達により、我々は気楽に情報を入手できるようになり、また、この記事のように自らメディアとして情報発信をすることが可能になりました。一昔前までは情報や本の入手は一部の層に限られ、また入手することが非効率でした。しかし、現在はスマホやパソコンで、YouTubeで学問を学べることができるし、政治経済ニュースを見たり、遠い場所から会議をすることも可能です。
資本家による投資によって、企業が市場競争で様々なイノベーションを行い、我々に多種多様で高度な財やサービスを提供してくれました。もし、資本家がIT産業に投資をしてくれなかったら、経済左派の人達は気楽に「富裕層叩き」をすることは不可能でした。自由市場や資本主義のおかげで、貧困層は働く場所を得ることができ、サイゼリヤや吉野家、百円ショップのような格安で便利な商品を提供することができました。
「資本論」は単なるマルクス貴族による金儲けの道具
本屋に行くと「資本論」のようなマルクス系の本がたくさんあり、私が見た中で、基本的には安くて1000円から2000円あたりで販売していました。そこで私が思うのは、貧困を無くすと言っているのに、マルクスを支持する貧困層から金を巻き上げて、金儲けしている点です。
別に合法なら金儲けは悪くありません。ただ、あんなに「貧困を救え」と言っているマルクス系の本の著作者が、貧困層が気楽に買えることができない値段で販売しているのは疑問です。貧困層に自分の発言を発信させたいのあれば、駅前で本を配ったり、図書館に全て寄付したり、サイゼリヤや百円ショップのように格安で販売すればいいのです。しかし、それをしないのです。資本論またはマルクス経済学は情弱や貧困層から金を巻き上げるには最適な"ビジネス道具"なのです。
それに、資本家が経営している"本屋"で販売している時点で、資本家がいなければ、資本論を出版し、そこから収入を得るの不可能ですし、マルクスや大きな政府を支持している人達もその本屋が無ければ、本を購入することもできません。結局、資本主義や富裕層を批判している人達は資本家がいなければ、生活を送ったりや主義主張を発信することはできないのです。
富裕層に課税しても貧困者は救われない
経済左派の人達は「富裕層に課税して、貧困者に再分配を!」と主張しています。だか、これは非現実的です。例え、富裕層に課税して、所得の再分配をしても一時的に少し効果でるだけで、長期的には効果がありません。課税によって富裕層の存在感が縮小すれば、所得の再分配は出来なくなります。富裕層の課税で所得の再分配は、接続可能だと思えません。
そもそも、富裕層及び資本家は既に自らの資産を使って、雇用や賃金に投資をし、労働者に再分配を自主的に行っています。政府が強制的にやらなくても、資本家は更なる金儲けの為に、労働者に雇用と賃金で再分配をしています。政府が富裕層に課税をすれば、投資する金額が限られるようになり、余計に労働者の生活に悪影響を及ぼします。富裕層課税は一般的な労働者にとっても意味がないのです。
そもそも日本は新自由主義ではない
よく経済左派は「日本は新自由主義によって貧困になった」と主張しています。しかし、日本が新自由主義国家という主張はあまりにも間違っています。
まず新自由主義というのは、20世紀後半から21世紀に台頭した思想で、ケインズ政策の見直しをし、規制改革や税率引き下げ、民営化などで企業に自由な商売をさせ、国民の負担を減らし、自由市場を加速させることです。有名な新自由主義政策として、レーガノミクスやサッチャリズムなとがあります。日本では中曽根元総理による規制改革や民営化などで有名です。
経済左派はこの「新自由主義」によって、日本が低迷したと主張しています。ですが、先程も言った通りにその主張は間違いです。
まず日本は、国民負担率や社会保険料が毎年上がり続けており、規制の数も量産されています。民営化された郵政やJRは株主が政府機関であるため、実質国営のままです。
また、歳出や国債発などの政府支出額も過去更新をし続けており、新自由主義国家とは思えないデータです。日本は新自由主義国家ではなく、ただのケインズ型資本主義の国なのです。
誰かのせいにしても生活は変わらない
いくら経済左派の人達がSNSで「低賃金で生活が苦しいなのは、政府のせいだ!富裕層のせいだ!新自由主義のせいだ!グローバル主義のせいだ!」とか誰かのせいにしても決して生活は良くなりません。そんなに質の高い生活を求めるなら、企業の上層部に対して賃上げ交渉をしたり、転職や副業をしたり、投資などでお金を増やしたりすれば良いのです。現在の社会では、誰もが質の高い生活を求めて目指す自由があります。また、一般庶民でもスマホだけで株式投資などで、知識がある限り気楽に金を増やすことができます。日本の個人株主数は2021年で5981万人となり、国民の半数以上が投資をしています。
もちろん、賃上げやビジネス活動がしやすくするように規制改革や税率の引き下げは必要ですし、極度の貧困者に対しては最低限度の生活ができるような福祉の提供や、また誰もチャンスが訪れる機会平等の構築もするべきです。ですが、何でもかんでも政府に親のようにねだり続けたり、富裕層を叩いても、決して社会は良くなりません。このような感情で政治をするのではなく、国益に繋がる現実的な政策を考え、動かなればなりません。
最後にマーガレット•サッチャー元英国総理の名言の一部をご紹介します。
強者を弱くすることによって、弱者を強くすることはできない。
byマーガレット・サッチャー
以上。