旬果放浪記

「旅するパティシエ」 旅で出会った素材、生産者、地域について感じたことを綴ってます。 …

旬果放浪記

「旅するパティシエ」 旅で出会った素材、生産者、地域について感じたことを綴ってます。 果物の収穫からジャム作りまでを現地で行う「ジャムの旅」進行中。 好きな本や山登りのことも…。 https://linktr.ee/Yusuke.Kokubo

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記事一覧

「ルバーブ」って野菜?果物?

「ジャムの旅」を始めてから3年、行かなきゃ行かなきゃと思いながらも、なかなかタイミングが合わなかった食材。 「ルバーブ」 「ルバーブ」ってなんとも欧米っぽい響き…

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「あれ?去年よりも外国人のお客様が多いぞ」

1年ぶりに青山ファーマーズマーケットに出店して感じたこと。 都内を歩いてると外国人観光客増えたな〜ぐらいだけど、いざ自分がマーケットに出店してみるとインバウンド…

旬果放浪記
4週間前
8

かわいいから許す。

やはり今年も雨だな。 6月初旬、山形への「ジャムの旅」。 今年で3回目。 梅雨時期だから当たり前だけど、毎年雨の中の出発となる。 宇都宮に入り、サービスエリアでひ…

旬果放浪記
1か月前
8

牛乳の一番搾り!

北海道の東部、中標津町。 一番搾りの牛乳を飲みにきた。 「一番搾り」とは? この言葉は365日24時間完全放牧で酪農をされている、 養老牛山本牧場の山本照二さんから教…

旬果放浪記
1か月前
10

種ありか?種なしか?

5月の「ジャムの旅」で目指すのは宮崎県日南市だ。 もう何度も来てるし「ジャムの旅」としても3回目。 2年ぶりかな。 宮崎県日南市で柑橘栽培をされている「緑の里りょう…

旬果放浪記
2か月前
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もっとゆっくりでいいんじゃないか?

便利だ。ほんとに便利。 今はLINE、メッセンジャー、メールなんかですぐ連絡が取れる時代。 連絡が取れない。待ち合わせで会えない。 なんてことはほぼない世の中。 情…

旬果放浪記
2か月前
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「ジャムの旅」〜湘南テロワール〜

書くのを2ヶ月サボってしまった…。 ますます「いいね」がつかなくなるぞ。 さて…。 春のように暖かかった2月中旬。 旬の柑橘「湘南ゴールド」を収穫しに神奈川県二宮町…

旬果放浪記
3か月前
7

やっぱり世界を元気にしてるのは女性だ!

今年初めの「ジャムの旅」は2月から。 柑橘の旬、真っ只中の愛媛県宇和島市と愛南町に行くことにした。 宇和島を訪ねるのはちょうど2年ぶり。 もう2年か…。時が経つのが…

旬果放浪記
5か月前
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不思議な縁だ…

ようやく冬らしい寒さになってきた。 次の「ジャムの旅」を考える。 どこに行こうか…。 これからは柑橘の旅になるんだけど、僕の中で柑橘といえばやっぱり愛媛県なんで…

旬果放浪記
6か月前
10

「そりゃ、怖いよ…熊は。」

10月下旬。 残暑が長くて暑い秋だがりんごの季節だ。 青森行かなきゃ。 「熊出ますよ、マジで。」 りんご農家、おりかさ蜜ツ星農園の成田晃さんに言われて、今年はりんご…

旬果放浪記
7か月前
18

湘南オリーブオイルっていいね!

あまり知られてはいないが、神奈川県の湘南エリアはオリーブの産地でもある。 有名なのはやっぱり小豆島のオリーブかな。 あるお仕事のご縁でここ1年くらいはよく湘南に来…

旬果放浪記
9か月前
18

「26年も続けてるのに、まだ難しいな…。」

昔、ヨーロッパのパティスリーで働いている時、そのミルフィーユの美味しさに感動した。 ザクザク、ほろほろのパイ生地に濃厚なバニラのクリーム。 毎朝、ミルフィーユの…

旬果放浪記
9か月前
8

祝・3年連続4回目!!

今回で岡山への「ジャムの旅」は 3年連続4回目。 (甲子園の出場校紹介っぽい…) もう来たというより帰ってきた感が強い。 迎えてくださるブリガーデンの原田さん、山下さ…

旬果放浪記
9か月前
8

「ジャムの旅 〜栗〜」

秋の「ジャムの旅」スタート! っと言ってもまだまだガッツリ真夏日の9月中旬。 栗の産地、埼玉県日高市の武州農園さんを訪ねた。 知ってました? 埼玉に栗の産地があるな…

旬果放浪記
10か月前
13

「びしゃびしゃのブランデーケーキ」

「古典とケーキ」 この本を読んでブランデーケーキが作りたくなった。 古典の小説家や登場人物の世界観と重ね合わせて、筆者が作ったお菓子が出てくる。 面白い視点の読み…

旬果放浪記
10か月前
10

沖縄の小麦「島麦かなさん」

昨年、「ジャムの旅」で沖縄を訪れた際、沖縄産の小麦粉が売っているのを目にして驚いた。 小麦粉という素材はパティシエにとって、日々触れるものであり、あまりにも身近…

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「ルバーブ」って野菜?果物?

「ルバーブ」って野菜?果物?

「ジャムの旅」を始めてから3年、行かなきゃ行かなきゃと思いながらも、なかなかタイミングが合わなかった食材。

「ルバーブ」

「ルバーブ」ってなんとも欧米っぽい響きでオシャレ。

でも実際、日本の食卓には並ばないし、どんな食材なの?
野菜?果物?って思ってる人がほとんどじゃないかな。

そんなオシャレなルバーブを作っているのは、長野県富士見にある「かぼちゃん農園」の五味一典さん。

趣味は大型バイ

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「あれ?去年よりも外国人のお客様が多いぞ」

「あれ?去年よりも外国人のお客様が多いぞ」

1年ぶりに青山ファーマーズマーケットに出店して感じたこと。

都内を歩いてると外国人観光客増えたな〜ぐらいだけど、いざ自分がマーケットに出店してみるとインバウンド効果をひしひしと感じる。

朝早くからカップル、家族連れ、おひとりさま、国籍も韓国や台湾、アメリカ、ヨーロッパからの旅行客が多かった。

同じアジア人は日本人に見えちゃうから、結構日本語で説明した後、

「日本語ワカリマセン…。スミマセン

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かわいいから許す。

かわいいから許す。

やはり今年も雨だな。

6月初旬、山形への「ジャムの旅」。
今年で3回目。

梅雨時期だから当たり前だけど、毎年雨の中の出発となる。

宇都宮に入り、サービスエリアでひと休み。
ここには朝8時から営業している餃子屋さんがあるのだ。

前日は遅くまで仕事が入っていたからあまり寝ていない。
眠いのだ。
がっつり餃子でも食べて目を覚そう。

年に一度の朝餃子。
ちょっとした背徳感が心地いい。

山形とい

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牛乳の一番搾り!

牛乳の一番搾り!

北海道の東部、中標津町。

一番搾りの牛乳を飲みにきた。

「一番搾り」とは?

この言葉は365日24時間完全放牧で酪農をされている、
養老牛山本牧場の山本照二さんから教えてもらった言葉だ。

完全放牧だから牛たちは牧草だけを食べて育つ。

大地が雪に覆われる冬は青草がないから干草を食べる。

雪が溶けた春、最初に生えてきた生命力溢れる新草を食べて出た牛乳。

これが「一番搾り」だ。

この時期

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種ありか?種なしか?

種ありか?種なしか?

5月の「ジャムの旅」で目指すのは宮崎県日南市だ。

もう何度も来てるし「ジャムの旅」としても3回目。
2年ぶりかな。

宮崎県日南市で柑橘栽培をされている「緑の里りょうくん」の田中良一さん、聖子さん夫妻に会いにいく。

余談だが、先日の朝の情報番組「THE TIME」の安住キャスターが、農園から生中継で田中さんの国産グレープフルーツの魅力を伝えていた。

田中さんが育てるグレープフルーツは「樹上完

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もっとゆっくりでいいんじゃないか?

もっとゆっくりでいいんじゃないか?

便利だ。ほんとに便利。

今はLINE、メッセンジャー、メールなんかですぐ連絡が取れる時代。

連絡が取れない。待ち合わせで会えない。
なんてことはほぼない世の中。

情報も人間関係も、あらゆることがスピードアップ。

そのスピード感は楽しいし、刺激的ではあるのだが、

「そんなに急いで僕らはどこへ向かうんだ?」

って感じる時もある。

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「ジャムの旅」〜湘南テロワール〜

「ジャムの旅」〜湘南テロワール〜

書くのを2ヶ月サボってしまった…。
ますます「いいね」がつかなくなるぞ。

さて…。

春のように暖かかった2月中旬。
旬の柑橘「湘南ゴールド」を収穫しに神奈川県二宮町へ。

採れたての果実でジャムを作る「ジャムの旅」だ。

今回は少し思考を変えてこんなアプローチ。

同じ土地で育った食材の相性を考えて作った商品。

「湘南テロワール」

テロワールって?

僕もちゃんと説明できないけど、なんか響

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やっぱり世界を元気にしてるのは女性だ!

やっぱり世界を元気にしてるのは女性だ!

今年初めの「ジャムの旅」は2月から。

柑橘の旬、真っ只中の愛媛県宇和島市と愛南町に行くことにした。

宇和島を訪ねるのはちょうど2年ぶり。
もう2年か…。時が経つのがほんとに早い…。
お目当てはもちろん「ブラッドオレンジ」。
ちょうど最高の時期だ。

生産者の児玉恵さんと久しぶりの再会。

でも「先週も会ってたよね」的なあいさつ。

なごむ。

ふっとリラックスできる雰囲気を持っている人だ。

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不思議な縁だ…

不思議な縁だ…

ようやく冬らしい寒さになってきた。
次の「ジャムの旅」を考える。

どこに行こうか…。

これからは柑橘の旅になるんだけど、僕の中で柑橘といえばやっぱり愛媛県なんですよ。

レモン、みかん、ブラッドオレンジ、河内晩柑などなど。
さすが「柑橘王国」。

おそらく一番頻繁に訪れている県のような気がする。

愛媛に初めて訪れたのは7年前の8月の猛暑日。

あまりに暑かったのでよく覚えている。

もともと

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「そりゃ、怖いよ…熊は。」

「そりゃ、怖いよ…熊は。」

10月下旬。
残暑が長くて暑い秋だがりんごの季節だ。
青森行かなきゃ。

「熊出ますよ、マジで。」

りんご農家、おりかさ蜜ツ星農園の成田晃さんに言われて、今年はりんご畑でのテント泊を諦めた。

熊には勝てん。
りんごの甘い香りで目覚めるという素敵な朝はおあずけだ。

今年は全国で熊の出没が大きなニュースになっている。
襲われている人も少なくない。

旬果放浪記のロゴはかわいいクマさんだけど、本物

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湘南オリーブオイルっていいね!

湘南オリーブオイルっていいね!

あまり知られてはいないが、神奈川県の湘南エリアはオリーブの産地でもある。
有名なのはやっぱり小豆島のオリーブかな。

あるお仕事のご縁でここ1年くらいはよく湘南に来ている。

もともと近くの丹沢には山登りによく来ているから土地勘はある。

山も近くて海も近い。
小高いオリーブ畑からは相模湾がきれいに見える。
反対側には富士山も。

自然好きな僕にとっては理想的な場所じゃないか。

10月中旬、ちょ

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「26年も続けてるのに、まだ難しいな…。」

「26年も続けてるのに、まだ難しいな…。」

昔、ヨーロッパのパティスリーで働いている時、そのミルフィーユの美味しさに感動した。

ザクザク、ほろほろのパイ生地に濃厚なバニラのクリーム。

毎朝、ミルフィーユの仕上げ担当だった僕は、切れ端を爆食いしていた。
幸せな仕事だ。

思い返してみたら、この仕事を始めた1年目は業務用のパイ生地を仕入れて、それでお菓子やデザートを作っていたな。

忙しい都会のホテルだったから、一から手作りはできない環境だ

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祝・3年連続4回目!!

祝・3年連続4回目!!

今回で岡山への「ジャムの旅」は
3年連続4回目。
(甲子園の出場校紹介っぽい…)

もう来たというより帰ってきた感が強い。

迎えてくださるブリガーデンの原田さん、山下さんも「昨日も会ってたよね。」くらいの温度感。

さっそくいちじく担当の山下さんに、今年の黒いちじく「ビオレソリエス」と、白いちじく「蓬莱柿」の状況を見せていただく。

今年は雨が少なくて暑かったせいか、白いちじくの収穫数がいまいち

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「ジャムの旅 〜栗〜」

「ジャムの旅 〜栗〜」

秋の「ジャムの旅」スタート!
っと言ってもまだまだガッツリ真夏日の9月中旬。

栗の産地、埼玉県日高市の武州農園さんを訪ねた。
知ってました?
埼玉に栗の産地があるなんて。
僕も去年、縁あって視察させていただいて初めて知った。

こんなに近くに栗の産地があるなんて嬉しいな〜。

2年前は高知の四万十町で栗ジャムを作ってきたけど遠かったな〜、あの時は。
「しまんと地栗」っていう立派な栗を使わせていた

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「びしゃびしゃのブランデーケーキ」

「びしゃびしゃのブランデーケーキ」

「古典とケーキ」
この本を読んでブランデーケーキが作りたくなった。
古典の小説家や登場人物の世界観と重ね合わせて、筆者が作ったお菓子が出てくる。
面白い視点の読み物だ。

「おかん、ブランデーケーキ好きやわ。昔っぽいブランデーびしゃびしゃのやつ。」

昔、よく母が言っていたな。
たまに思い出すが作ってあげたことはない。

子供の頃、料理人の父がたまに持って帰ってきたブランデーケーキやウイスキーボン

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沖縄の小麦「島麦かなさん」

沖縄の小麦「島麦かなさん」

昨年、「ジャムの旅」で沖縄を訪れた際、沖縄産の小麦粉が売っているのを目にして驚いた。

小麦粉という素材はパティシエにとって、日々触れるものであり、あまりにも身近過ぎてあまり深く考えてこなかった。

若い頃から現場では一般的に流通している「バイオレット」と呼ばれる業務用薄力粉をメインで使ってきた。

パン職人がよく言う「粉の味がしっかり出ている」的な言葉も正直ピンとこない…。

ならば麦畑に行って

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