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やっぱり世界を元気にしてるのは女性だ!

今年初めの「ジャムの旅」は2月から。

柑橘の旬、真っ只中の愛媛県宇和島市と愛南町に行くことにした。

宇和島を訪ねるのはちょうど2年ぶり。
もう2年か…。時が経つのがほんとに早い…。
お目当てはもちろん「ブラッドオレンジ」。
ちょうど最高の時期だ。

生産者の児玉恵さんと久しぶりの再会。

でも「先週も会ってたよね」的なあいさつ。

なごむ。

ふっとリラックスできる雰囲気を持っている人だ。

それが僕にとってはめちゃくちゃ嬉しいし、また会いに来たくなる。

訪れた時期はブラッドオレンジの中でも「モロ」という品種が最盛期。
「モロ」は果肉が深い赤。まさに「血」の色だね。
見た目も味も強烈だから、ジャムやピール、ジュースにするのに向いている。

「モロ」が終わった後の品種は「タロッコ」という品種。なんか可愛らしい名前だね。
こちらは果肉も淡い赤色で、酸味もそれほど強くないから生食でも美味しい。

「タロッコ」はまだ木になっていた。

「なぜだか今年のタロッコはいつもより赤いんだよね〜。なんでやろね?」

ベテランの児玉さんが不思議がっていた。
雨の量や樹齢によって、果実も変化していくみたいだ。

昨年は雨が少なかったせいで果実が比較的に小さいそうだ。

でも果肉をかじると糖度、酸もしっかりあって濃縮された美味しさだと児玉さんが言うので、普通サイズと一緒に小ぶりの果実もいただいた。

こうやってブレンドしてジャム作りができるのは楽しいな。
畑に来る醍醐味だね。

宇和島に来るようになって7年が経つけど、毎回児玉さんと畑に入ってお話しができるのは楽しいし、こういう素晴らしいブラッドオレンジを使わせていただけるご縁に感謝しかない。

ほんとにありがとう。また来るね、児玉さん。

「ブラッドオレンジ」綺麗な色!
これが「モロ」
生産者の児玉恵さん
宇和海の向こうにうっすら大分が見える。

そして今回は宇和島からさらに南下し、愛媛の西南端の町、愛南町まで行く。
愛南町まで来るのはコロナ禍もあってなんと5年ぶり。
ほんとに久しぶりだ。

こちらのお目当ては和製グレープフルーツとも言われる「河内晩柑」。

みなさん知ってますかね?

河内晩柑は品種名で、呼び方は「愛南ゴールド」「美生柑」「宇和ゴールド」「天草晩柑」「灘オレンジ」「夏文旦」など、生産者や生産地によって様々。

愛南町では「愛南ゴールド」が総称で統一されたらしいんだけど、地元の人たちはみんな「河内晩柑」って言ってたよ。

なんでだろ…?

あんまりうまく浸透してないみたいだね…。

愛南町は河内晩柑の生産量日本一なんだけど、全国的にはあまり知られていないような。呼び方が曖昧だからかな?

晩柑だから夏になっても木に実をつけているらしい。
木の上でだんだん熟成されて酸と水分が抜け、糖度が上がって味が濃くなっていくんだろうな。

「樹上完熟栽培」ってやつか。

地元の方は暑い時期に冷やして食べるのがうまい!って言ってたな。

でも今回はこいつでマーマレードを作るから、まだまだ酸っぱくて若い果実を収穫させていただいた。

酸好きの僕にとっては生で食べても美味しく感じる。

この時期の果実は皮からもいい香りがするのだ。
なんだかちょっと柚子に似た香りもする。
マーマレード向きだね。

河内晩柑の生産者は山平祥三さん。

優しい口調で河内晩柑の歴史や、栽培の苦労話を畑で話していただけた。
河内晩柑は強い風が吹いたり、雪の重さで落果しやすいのが特徴。
数年前に視察させていただいた時も、おびただしい量の果実が落ちていたのを覚えている。

そのための工夫が「防風林」。
他の園地ではあまり見かけない光景だった。

防風林も高すぎると日光が当たらないし、低いと風が通ってしまうしで、調整が難しいそう。

そんな事情も現地に行ってみないと分からないこと。
やっぱりその土地に足を運ぶのは大事なことだ。僕にとっては。

写真からも匂ってくるでしょ?いい香りが。
綺麗な黄色だね。
畑の周りには防風林が。
表情も口調も優しい。生産者の山平祥三さん。
もぎたてをマーマレードへ。

いつもの「ジャムの旅」ではほとんどがひとりきりの作業で孤独な時間となる。
特に柑橘類は下処理に時間がかかるからハードワークを覚悟しなければならない。

その覚悟で愛南町に乗り込んだのだが、なんと地元で柑橘の加工品作りをされているお姉さんたちがヘルプに来てくださっていた!

なんと4人も!

事前に役場の方が声をかけてくださっていたみたいだ。

みなさん自分の母親くらいのお歳なんですが、まだまだお元気で仕事が早いのだ。
果実を洗って、皮を切り落として、湯がいて刻む。
この一連の流れがとてもスムーズなんだ。

えっ⁉︎ プロっすか?

そしておしゃべりも尽きない。
ワイワイ、ガヤガヤ…。あははは〜!

でも手は絶えず動かす。

楽しかったな〜。

大根の漬物の漬け方とか、煮魚の話とか、旦那さんの話とか。
面白いね〜、女性の話は。
次から次へと話題が変わる。

ひとり男性の僕は横でニコニコするしかない。

やっぱり世界を元気にしてるのは女性だ!

お姉さんたちの活躍で予定していた時間をはるかに短縮して作業を終えた。

こうやって訪れる先で一期一会のお仕事ができていることに喜びを感じる。

やっぱり「旅」はいいね。

次の「ジャムの旅」ではどんな出会いがあるのか。
ワクワクはまだまだ続きそうだ!

ブラッドオレンジの下処理。助かる〜。
さすがベテラン。手際が素晴らしい!
いい香りだ。
搾りたての河内晩柑ジュース。うんまっ!
河内晩柑のマーマレード。
濃厚な仕上がり。ブラッドオレンジジャム。


前回のブラッドオレンジの話もどうぞ。
         ↓


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