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生き死に・世の中・哲学・心理

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閉鎖病棟の中の世界が正常で、おかしいのは外の世界だと思っていた

閉鎖病棟の中の世界が正常で、おかしいのは外の世界だと思っていた

閉鎖病棟に一年だけ看護師として勤めていたことがある。 

あのころ、閉鎖病棟の中の世界が正常で、おかしいのは外の世界なんじゃないかと思っていた。

今でもたまに思う。

最近、眠剤を処方してもらうため精神科クリニックに通うようになった。

そこの待合場には色んな人がいる。

見るからに辛そうな人。落ち着かない様子の人。支援員の同行を受けている人。風呂に何日も入れていないのかな…という人。一見メンタ

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【障害当事者の本音】 #私は優生思想を許しません  と言える側に立ちたかった 

【障害当事者の本音】 #私は優生思想を許しません と言える側に立ちたかった 

今年7月下旬、Twitterにて
#私は優生思想を許しません

のハッシュタグをつけたメッセージが多数投稿され、トレンド入りしていた。

2016年7月、神奈川県相模原市の知的障害者施設「やまゆり園」にて、元施設職員の植松被告が入所者19名を刺殺する事件が発生。
植松被告は犯行動機について「社会のために劣った存在を排除するべき」という優生思想的な発言を繰り返していた。

有志のメンバーにより、毎

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史上最も有名で美しい自殺写真

史上最も有名で美しい自殺写真

1947年5月12日に発刊された「LIFE」誌を飾った一枚の写真に、アメリカ中が騒然となりました。

その写真とは、24歳で簿記家のイブリン・マクヘイルがニューヨークのエンパイア・ステート・ビルから投身自殺をした時のもの。

死後の彼女の姿のあまりの美しさに「史上最も美しい自殺」と称される前代未聞の事件になりました。

イブリン・マクヘイルの投身自殺
1947年4月30日午前10時40分ごろ、

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【長期化した重度ひきこもりの問題を解決できる、現実的思考】

【長期化した重度ひきこもりの問題を解決できる、現実的思考】

私の経験では、長期化した「重度のひきこもり」は、なんらかの精神疾患に罹患しているケースばかりだった。そもそも精神疾患の症状としての「ひきこもり」は昔からあり、たとえば統合失調症にも、ひきこもりの症状はある。そのため家族も、偏見や体裁から本人の状況を受け入れきれず、第三者の介入を拒む傾向がある。これは、長くひきこもりの問題に携わる専門家の間では周知の事実である。

今や世の中にはメンタルヘルスにまつ

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東京都練馬区・長男殺害事件【殺害することでしか解決できないのか】

東京都練馬区・長男殺害事件【殺害することでしか解決できないのか】

今月1日、東京・練馬区で44歳の息子を刺殺したとして、父親(76歳)が逮捕された。

元事務次官が息子刺殺 部屋に“殺意”メモ
東京・練馬区で44歳の息子が包丁で刺されて死亡し、農林水産省の元事務次官の父親が逮捕された事件で、父親が神奈川県川崎市で小学生ら20人が死傷した事件を念頭に、「息子が周囲の人に危害を加える恐れがあると思った」などと供述していることが分かった。
(略)
熊沢容疑者は英一郎さ

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貧困学生に対して、でもスマホはあるんでしょ?という大人の心理

貧困学生に対して、でもスマホはあるんでしょ?という大人の心理

先日、#生理の貧困が話題になった。

「#みんなの生理」が高校生以上の学生を対象に、「生理の貧困」についてインターネット上でアンケートを行ったところ、3月2日時点で671件の回答があり、過去1年間に「経済的な理由で生理用品を買うのに苦労した」という学生が、20%にのぼることが分かりました。また、「生理用品を買えなかったことがある」と答えた学生も6%いたということです

連日テレビでも取り上げられて

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25歳の私が、"未来ある若者"という言葉に感じるモヤり

25歳の私が、"未来ある若者"という言葉に感じるモヤり

子どもは国の宝だ

未来ある若者が、、、

そんな言葉に、最近もやもやしている。

前提として、それらの言葉は正しいと思うし、間違っていないと思う。

ただ、

「自立して社会に貢献する大人」になれなければ自己責任論を振りかざされるこの国の風潮に、辟易としているのかもしれない

大人は、その未来を生きている大人になると宝じゃなくなってしまうの?

若者と中年だと価値が変わるの?

いや、そんなへ理

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「貧困家庭×中学3年間不登校」でも、地域で一番の進学校に受かった私の「居場所」

「貧困家庭×中学3年間不登校」でも、地域で一番の進学校に受かった私の「居場所」

私にはいつも、居場所がなかった。

私は、中国地方の出身で、超ど田舎の超貧困家庭で育った。

幼い頃から、家では障害を抱えた父の暴力が止まず、家には本やゲームも、エアコンもなかった。

家には、学習できるどころか、安心できる居場所がなかった。

父の怒鳴り声を聞きたくなくて、いつもどうしたら家にいる時間を減らせるか考えあぐねていた。

山奥で育った私は、中学1年のとき、事情があって、引っ越しはせず

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生理の貧困は単体で取り上げられるべき問題です。生理の貧困叩きに反対します。

生理の貧困は単体で取り上げられるべき問題です。生理の貧困叩きに反対します。

現在、わたしはノンフィクションライターの立場で生理の貧困問題を追っています。

そこで、生理の貧困の報道が加熱する中で、生理の貧困問題が誤って認識され、生理の貧困叩きが始まっていることに危機感を抱いています。

わたしが問題視しているのは、
生理の貧困が、経済的困窮のみから起きること誤解される報道が続いることです。

コロナ禍の貧困で女性がナプキンを買えなくなっている、と、無理矢理コロナや学生の貧

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【閲覧注意】本当はライブなんか出たくなかった。

先に言っておく、お前ら活動者に夢を見過ぎるなよ。
あいつらカスだぞ。

どうも、お久しぶりです、私です。

1月7日、ライブ前日の深夜3時にこの文章を書いています(寝ろ)。
今日は最終リハです(寝ろ)。
今日上げる動画の制作作業もあります(マジで寝ろ)。

いや寝ないが。

せっかくなので、記念にこの文章を書き終わった時間も最後に書いておきます。

ていうか、こうやって文章を書くのが久しぶりすぎる

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50歳の私が考えたこと

50歳の私が考えたこと

この「わたしのでこぼこ日記」にはいつも「50代からの生き方」というハッシュタグをつけています。何のことはない私が今50歳だからで、まあ日記だしこんな感じだろう、9年間使えるしという大したことのない思いでつけています。

しかし、このハッシュタグをつけていると、自分で見たときも下の方に「こちらもおすすめ」ってところに、やはり50代からの生き方や人生観を記したnoteが表示されてくるんですよね。いやま

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今の日本で”インクルーシブ教育”なんて無理なんじゃないか説④

今の日本で”インクルーシブ教育”なんて無理なんじゃないか説④

日本の全体主義教育はインクルーシブに相反する インクルーシブ教育の大前提は「多様性を尊重する」ということだと思います。

 ところがいまの日本の公立義務教育が目指す(少なくともそのように感じられる)のは「全員同じことができる力をつける」であるように感じるのは、おそらく私だけではないはずです。

 例えば、私の子どもたちが通う小学校では、授業は全員同じ姿勢で着席した状態で、机の上には同じ教材が準備さ

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「今日何もしてない…」という罪悪感から抜け出す、4つのヒント

「今日何もしてない…」という罪悪感から抜け出す、4つのヒント

久しぶりの冷たい雨、風ですねぇ。昨日までのポカポカ陽気はどこへやら…。

こういう日は、まったく身体が動きません。天気に左右されるなんて、自分もやっぱり動物なんだなぁって思います。せっかくの休みなんですけど、朝起きてからずーっとリビングのソファにいます。時計の針だけがどんどん、私を置いて進んでいく…おねがい…これ以上置いてかないで…。

こういう時に襲ってくるのが「今日何もしてない…」という無力感

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寝たきりの親友と話していた「自信」に対する考察

寝たきりの親友と話していた「自信」に対する考察

生前、よく自宅からリモートで働いていた番田雄太と「一緒に働くってどういう事?」「所属してるって何?」「自分を好きになれって言われても・・・」というような話を、それはもう頻繁にしていた。
 
いかに人は絶望状態から希望を得て、自分を信じる状態へ至るのか。私と番田の経験に則り、5段階仮説としてまとめてみる事にした。

番田はよく「孤独」を私に訴えた。
番田雄太とは、2013年12月から2017年9年に

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