押川剛の「YES!ホンネ NO!キレイゴト」
50歳にして大学生になった俺が、大学に通う中で感じたことを感じたままに書いてます!
自分でいうのもなんだが、俺は「タイトル」や「キャッチコピー」を作るのが得意だ。例えば2015年に新潮文庫から出版した『「子供を殺してください」という親たち』。これはタイトルを思いついた時点で「勝ち」が見えた。担当編集者はもちろん、知り合いのメディア関係者も、一様に「いいね」という反応だった。結果として漫画化もされたから、いいタイトルだと思う。 タイトルやキャッチコピーを考えるときに“センス頼み”のひともいるが、俺の場合、「本質」を考えて考えて考え抜いた先に浮かぶことが多い
俺は長年、「精神障害者移送サービス」を通じて、病識のない対応困難な精神障害者に携わってきた。説得による「精神障害者移送サービス」を世に打って出たのは1996年のことだ。それまで日本では、民間タクシーなどの強制拘束による移送が水面下で行われていたが、「精神障害者を説得して病院に連れて行きます」と明記してサービスを始めたのは、俺が初めてだった。 あれから約30年が経つ。この間に、メディアの取材を受けたり、著書(『「子供を殺してください」という親たち』2015年刊)を出版したり
札幌ススキノの頭部切断事件。瑠奈被告の死体への異常な執着はさすがに予想を超えていたが、親と子の力関係が逆転し、子供の違法行為すら増長させるパターンは、漫画『「子供を殺してください」という親たち』でも繰り返し描いてきた。 精神疾患の発症には遺伝や社会環境などさまざまな要素があるが、成人した際に社会適応して生活できるかどうかは、家庭環境によるところが大きい。端的に言えば、①親の社会的地位などによる子への抑圧②金や物を過剰に与えるなど、ピントのずれた甘やかし③早い段階で医療や警察
5月13日、FRIDAYデジタルのインタビュー記事が公開されました。 ぜひお読みください! ♯1「ギリギリ真実を書けるのはもう漫画しかない」…「児童養護施設」のリアルを描いた漫画が訴えること ♯2「親がシャブ中で、前科5~10犯なんて人も全国に普通にいます」…「児童養護施設」の闇が向かう先
累計170万部突破!『「子供を殺してください」という親たち』5月9日、『「子供を殺してください」という親たち』15巻が発売します。 おかげさまで累計170万部を突破。15巻では「教育虐待」に鋭く斬り込みます。精神疾患のある子供を、無理に大学に行かせようとする親……その結末とは。 コミックバンチkaiでは最新話&現場ノートが読めます 最新漫画「それでも、親を愛する子供たち」私が新たに原作を手がける「それでも、親を愛する子供たち」は、児童養護施設が舞台。スタートまでに足かけ約
5月14日(土)、長野県域で障害者グループホームを運営する(株)ハルハウスさん主催の講演会に登壇します。オンラインですので、外部の方も参加できるそうです。支援者の方向けの話がメインになると思いますが、興味のある方はぜひご参加ください! 先日も厚労省が「医療保護入院の縮減」の検討を発表したが、家族にとっては、病識のない患者に入院治療を受けさせる手段がいよいよなくなるということだ。違う見方をすれば、家族が当事者のサポートを放棄したところで、責任は問われない、ということでもある。
本日(日曜)深夜1時25分~FBS福岡放送『目撃者f』で、私の活動を追ったドキュメンタリーが放送されます。 「俺がつなげてやる~コワモテ“説得屋”の生き様~」 すげーやべータイトル(笑) 福岡・佐賀・長崎・鹿児島では同日放送。熊本は、3/6(日)昼0時55分~の放送になります。 皆様、ぜひご覧ください! 「目撃者f」公式サイト #目撃者f
兵庫県稲美町で11月19日、住宅が全焼し、この家に暮らす小学生の兄弟が遺体で発見された。県警加古川署捜査本部は24日、殺人と現住建造物等放火の疑いで、同居していた伯父(51)を逮捕した。 近所の住民らによると、全焼した住宅は松尾容疑者と、妹に当たる兄弟の母親の実家だった。同容疑者は長男で、もともとこの家に住んでいたが、15年ほど前に妹家族が移り住み、入れ替わるように大阪に引っ越した。生活に困窮し、24日に身柄を確保された大阪市北区の公園で路上生活することもあったという。
文春オンラインからインタビューを受けました。 短い取材時間の中でかなり濃い目の話ができ、芯をくった記事にしてもらったと思います。同じく文春オンライン(コミック)では、漫画『「子供を殺してください」という親たち』の第一話と最新話も読むことができます。 インタビュー前編 「寝ている布団ごと縛られたり、車のトランクに入れられて病院に強制移送される人もいた」 精神障害者を医療機関につなげる“移送”のリアル | 文春オンライン (bunshun.jp) インタビュー後編 「子
被害妄想のターゲットになったら……誰も助けてくれない!?4年前の2017年4月、神戸市北区に住む男性(当時27)が、祖父母と近隣住民の三人を殺害し、別の近隣住民と母親に重傷を負わせた事件で、11月4日、神戸地裁は男性に対し、無罪判決を言い渡した。 この事件の初公判(裁判員裁判)では、弁護側は「客観的事実に争いはない」とした上で、「被告は統合失調症で心神喪失状態だったため無罪です」と述べた。検察側は冒頭陳述で、部分的には責任能力があった、として心神耗弱を主張、無期懲役を求刑し
この間、大学の集まりで学生ちゃんに会い、またしても「へえ!」という話を聞かせてもらった。それはイマドキの学生ちゃんは「他人に干渉しない・干渉させない」という生き方を徹底しているということだ。彼らがその生き方を選んでいるというより、そのシステムの中で育てられてきた、というほうが正確だな。 彼らにも友達付き合いはあるし、孤高に生きているわけではない。だが、とにかく必要以上に他人に関わらない。聞けば、小・中・高校の教育の中で、「他人に介入しない。干渉しない」ことを教えられているの
大学の夏休みも終わり、そろそろ後期が始まる。3年前期の成績表も届いた。1年の時は仕事との両立が難しく、とくに後期は単位を落としまくったのだが、去年と今年はコロナで仕事も以前ほど動き回ることができず、授業もオンラインになったことで、時間のやりくりがうまくできた。まあ、一番は「成績(単位)の取り方が分かった」ことだな(笑)。 成績はさておき、ガキの頃から変わらない俺自身の性格的な共通項に気づいた。それは、「成績が最高にいい奴と最低に悪い奴の、両方と友達になる」ということだ。学年
「親ガチャ」という言葉が話題になっている。 一部では「親ガチャ」について、「親に経済力があるか」「習い事や校外学習など能力を伸ばしてくれる環境があるか」等……つまり今風に言えば、実家が「太い」(裕福である)かどうかに焦点が当てられている。しかし俺が思うに、そういった裕福な環境に生まれ落ちても、心を病んだり、犯罪に走ったりする子供はいる。それは拙著『「子供を殺してください」という親たち』でもさんざん書いてきたことだ。 俺は親からの依頼で、心を病んだり犯罪に走ったりした多くの
先日の記事の続きでもあるのだが、大学3年生ともなると、学生ちゃんたちは皆、“就職”について真剣に考え始める。傾向としてはこのご時世、公務員狙いが圧倒的に多い。本人の意向はもちろんのこと、話を聞いていると、家族の意向も強いのを感じる。コロナもある、震災や災害もいつ起きるかわからない。地元に残って堅実な職業に就いてほしい。親も子も、崩れないものを目指しだした、という感じがする。 俺は北九州で生まれ育ったが、物心ついた頃には「東京に行くぞ!」という気持ちが強かった。叔父が東京に住
「孤独」とは、永遠に“一人で”考えつづけること 新型コロナウイルスが世界に蔓延し、各国でロックダウンやステイホームが実施されはじめた頃、ある尊敬する方と「孤独」について話をした。その方曰く、「コロナが収束しても次のウイルスが出てくる。自然災害もある。それらの危機を回避するためには、安全な場所を選んで、人と接することなく孤独に生きていくしかない」。だけど、とその方は続けた。「孤独に耐えられるのは、本当の意味で“一人でいる”ことができる人だけ」。 それは究極を言えば、本を読んで
コロナだオリンピックだと落ち着かない日々を過ごしているうちに、俺の大学生活も3年目を迎えた…というか、3年生の前期も終わってしまった。若い学生ちゃんたちと勉強に取り組めるのも、実質あと半年か一年といったところだろう。 大学に行って良かったと思うことは、若者のレベルの高さと、自分の脳みその客観的な現在地を知れたことだ。昭和のおじさんである俺は、今の若い人のコミュニケーションを見ていて、「おいおい、大丈夫か」と言いたくなることもある。でも勉強に関しては、絶対的に今の若い人のほう