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生きる自由と、インボイスとやら(タクシー編)
去年の10月からインボイス制度という名のもとに領収書には(消費税)納税者の登録番号が記されるようになった。ぼくは消費税免税事業者を維持するので登録番号は持てず、その制度には不参加ということに。
それまで、個人タクシーのほとんどの事業者は売上額が一千万円以下なため消費税は免税となっていた。
が、タクシー料金を経費として処理する場合、この登録番号がないと適格領収書とみなされず、それがないタクシーには
タクシーとフィクション [猫がいる理由]
人間は街を造る。そのわけは、造ったその街に人間を操らせるためだ。人々は、出来上がったその街の個性に合わせて振る舞い、ただただ身を任せ、そうしているだけで街は勝手に個性を強めていくんだけど、その特徴が魅力的であれば人は集まるし、でまた、みんながその街に似合った行動をしたりしていると自然に、街は更に勝手に育っていく。で、そうしてようやく街を造った目的が果たされて、街が人間を操り出す。
人間が街に
たいやきとコーヒーの店へ行くわけ
少し離れたホームセンターからの帰り道、何となく、少しでも近回りしようと思い、何でもない知らない道を、ひとりスタスタと歩いていた。
住宅街に小さな町工場がぽつぽつ紛れているような、そんな街並み。車もすれ違うのが困難な狭い道で、「たいやき」と書かれたのれんを見つけて立ち止まった。半年ほど前のことである。
受け渡し用の小さな窓の向こうに若い店主らしき男の人が映り、一瞬目を合わす。「こんにちは」という声
若さ信仰へのラブレター(批評小説、中編並み長さ)
ほったらかしにされ、残された文章と、批評遊び
ぼくはあちこちで営業するから、そこここに顔見知りがいて、まあタクシー運転手なんてみんなそんなものなのだけど、ろくすっぽ連絡先も、名前すらも知らないような相手と仕事の話だの世間話やらを長々としたりするもので、でも何の前触れもなく姿が見えなくなったなと思ったら、それ以来もう二度と会っていない、なんて人も珍しくなくて、彼女も、そんなふうに突然に姿を消しち