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seiji_arita
2024年9月27日 10:04
「彼女は息を吐く様に嘘をつく」適正存在者の中に紛れ込んだ不適正な人間が無益な思考と妄想を繰り返す僕等は嘘を掻き集め 仮説を積み上げ物語を描いている其処には費用対効果や生産性は無い白か黒で裁く世界 理論武装と結果論 不要な単体 無用な言葉狩りが続いている好きにすれば良い 生まれたての挫折とプラスチックの玩具を抱いて眠る夜愁に染まる午前一時 反逆の星
2024年7月3日 17:47
「片翼の天使と片足の僕と」片翼の天使が眠っているベッドに眠る彼女には沢山の管が繋ぎ込まれている窓の外には風は無い人の形をした化け物達が沢山居て僕等を狙っている僕はバス停の側に咲いていた小さな花を摘んで持って来たガラスの瓶に其れを飾るごめんね 高価な花束は買えないんだ海で拾った綺麗な貝殻と山で見つけた水晶の欠片片足しかない僕だけど誰かさんの様には
2024年6月10日 23:27
「白い月の光」夜明け前の白い月に 僕達ふたりのそれぞれが抱える事柄の差異が映し出されるその白い月は夜空の端っこで暗示的な光を微かに放つ僕は迷いの中で朝を迎える其れは圧倒的な混乱とは違う 確信のある答えが欲しかっただけなんだ彼女は時計を見つめているその針は宿命的な時を示す僕は彼女の背中をそっと指先で撫で君は静かにうなずいた所有し所有される事の
2024年5月11日 17:47
「黄色い月」春が終わりに近づいた夜 空気は漠然とした湿り気を帯び薄靄に包まれた黄色い月がふたりを見ていた僕の隣りで不規則に美しく揺れる君のスカートの裾 僕は自分を失ってしまうほど激しく君を求めていたはぐらかす様に微笑む君の唇に静かに指先で触れた少しの間の沈黙 其れは彼女の同意を意味している全てが再び現実の位相に服すまで彼女の長い睫毛が僕の心の
2024年1月21日 15:30
「頭上の星」僕は何処まで行っても僕であり彼は彼であり彼女は彼女であり続ける陰が陰であり 陽は陽であり続ける様に川は理由も無くただ流れている動かない水が流れを持つ時 始めて生きている意味を知る想像力の範囲を超えた物語はいとも簡単に圧殺され暗闇の中で彼が僕に話しかける戦場で眠る 兵士の頭上にも星は輝くと僕が僕であり続ける事に気が付いた時彼も
2024年1月20日 14:56
「不実な雨と小さな同意」低く暗い雲が空を覆い垂れ込めていた憂鬱そうに傘をさして歩く人彼女は僕の唇に人差し指を置いて全てを閉じ込めた 不実な恋人がそうする様に彼女は静かに目を閉じて…そう言った僕は小さな声でうなずいた空っぽの空間に何かが流れ込んで来るのを感じていた些細な現実と不必要な寄り道とその遠く先に見える降り出した雨いくら探しても見つから
2024年1月10日 20:40
「真白に輝く黒き羽根」僕は彼女の小さな唇の動きを見逃さなかったほんの少し口元が動いた気のせいじゃ無い君は夢の中で眠り続けている悪い夢を忘れる事が出来ないまま白く鋭利な刃の様な三日月霞んで消えそうな星屑闇に包まれた漆黒の夜時は巡り時間は流れる今は静かに太陽が燃える時を待つやがて生まれた朝が眩しい陽の光を連れ君を照らす黒き羽根は光を帯び真白に輝く
2024年1月5日 12:16
「葡萄酒の上に浮かんだ月」秘密に縛られた心その箱の蓋を開ける事は貴方自身を物語の一部に取り入れてある意味での犠牲者にしてしまい共有していかなくてはならないそう 俯いて囁いた深い沈黙が意味を帯び彼女の語り始めた言葉を注意深く拾い集めた限定された空間の空にしか無い観覧車が廻る ゆっくりと静かに僕は彼女と共に其れに乗っていた大きな運命の輪に結びつけられ
2023年10月21日 15:53
「AC COBRA」チーズと生ハム ガーリックトーストちぎって浮かべたクリームスープ土曜日の太陽が平らな庭を作り出す煌めいた銀色のボディー AC COBRA爆音の中 タイヤが擦れて立ち込める匂いキスをするには最高の午後澄み切った空に彼女の柔らかな声花は夜に咲くらしいキスはおあずけ やるせない仕草空を剥がして月を浮かべ 小さな星を散りばめる静かに無
2023年9月12日 14:58
「未成熟な夜」未成熟な夜 風に運ばれた枯葉新しいルールの新しいゲームは既に始まっていた僕はそれを ただぼんやりと眺めていた街には混線したラジオの音が流れ僕は自分宛てに書いた昔の手紙を破り捨てたもう全ては終わっていて何ひとつ終わって無い事を知っていた聞きたくなかった言葉それを先に口にしたのは彼女の方だった
2023年9月6日 21:44
「口紅」君が僕を求めたから 僕は此処にいる僕が君を求めたから君は此処にいる彼女の髪に触れていた彼女は半分吸った煙草を僕に手渡したフィルターに付いた口紅を愛おしく眺めて 僕は煙草を口にした午後の強い日差しが包み込む 違う場所でしか叶わない夢を持つふたりを同化していく様に見えた夏も終わりに近づいていた
2023年8月26日 15:07
「九月の風」時の彼方から吹き込む九月の風混じり合った何種類ものピースそんな物でこのパズルは出来ている繋がる事の無い断片と断片で違和感を生み出す別に私に名前が無くたって誰も困らないわそう言って彼女は笑ったその時の笑顔と声が今でも僕の中に眠ってる入り口があれば出口もあるよ 安心しなよ僕は最後にそう付け加えた九月の風はもう此処には居なかった
2023年6月26日 15:35
「ノルウェイの森」静かな森を歩いてる君とふたりで君が僕の傍に居た事は決して忘れない風の歌を聞いたノルウェイの森愛してあげるって君が言ったから表参道ですれ違った女昨夜の長電話そんな事より僕はスパゲティを茹でる事に夢中だったビートルズは聞かない違う色をした欠落た花を探した不完全なものを愛してる生の中には必ず死が潜んでる3つ並んだ小さな瓶に飾る花を探
2023年6月17日 00:16
「アカウント」左肩に小さな花の刺青細い足首 長い黒髪 彼女は美しかった瞬きする間に恋に落ちた僕は彼女の方言が好きだった時々真似してみせたそれ 違うよって彼女は笑った忘れて無いよ 好きだった彼女は美しかった 彼女は優しかった彼女は消えて行った何も言わずに一度も逢えないまま彼女のアカウントは消えたただのSNSで知り合っただけの女ただそれだけ 彼女