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口紅 《詩》

「口紅」

君が僕を求めたから 

僕は此処にいる


僕が君を求めたから

君は此処にいる



彼女の髪に触れていた


彼女は半分吸った煙草を
僕に手渡した

フィルターに付いた口紅を
愛おしく眺めて 

僕は煙草を口にした


午後の強い日差しが包み込む 


違う場所でしか叶わない夢を持つ
ふたりを同化していく様に見えた


夏も終わりに近づいていた

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