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小説『JADE~表象のかなたに~(悠冴紀著)』関連マガジン

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2012年に出版した社会派ミステリー小説『PHASE(フェーズ)』で人気を博した登場人物たちが、ヨーロッパ(主にドイツ)を舞台に活躍するスピンオフ小説『JADE~表象のかなたに~… もっと読む
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📚ドイツ舞台の小説『JADE ~表象のかなたに~』紙の本のご案内📚 (電子書籍は kindle unlimited対象)

【紹介文】ご無沙汰しております、皆々様。
このところ新作の追い込みと本作『JADE~表象のかなたに~』の仕上げの作業に手いっぱいで、すっかりnoteから遠ざかっておりました m(_ _)m

ちなみにこの作品は、2016年に株式会社文芸社から刊行した文庫本を、上下巻に二分冊して加筆修正した改訂版です。文庫本との一番の違いは、単行本サイズ(正確にはA5)にサイズアップした点です。そう。シリーズ一作目

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J「壁はどこにでもある。一つの壁の崩壊は、新たな壁との遭遇だ」

【小説】混沌の先に……(📖登場人物たちの言葉や回想、印象的なシーン等:📚小説『JADE ~表象のかなたに~』より)



※本作の概要とプロローグの試し読みは、こちらのnote記事でご覧いただけます▼

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●憲玲:

「あなたがまさか、一国の威信や利益のために他国と利権の奪い合いをするような組織に身をおいてきたなんて……。それも政治的都合次第では、時に教団と戦った過去のあなたと同様の、怪物化した勢力に対抗する活動家たちや、どこかの国の人民解放軍を標的に、力を行使しかねない情報機関よ? もちろん

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J「100%の正解などない。どの道を選んでも正負両面がついてくる」

📖 見えざる凶器たちの行方📖 (本文切り抜き紹介『JADE~表象のかなたに~』より)



 ハイリガー湖南端には、ゴシック・ビブリオテークと呼ばれる小ぢんまりとした建物がある。『ビブリオテーク』は直訳すると『図書館』の意味だが、元々プロイセン王ヴィルヘルム二世が、個人所有の蔵書のために建てさせたものだ。その蔵書の殆どが1930年代に王城へ移された上に、1945年の戦火で焼失してしまったため、現在は当初の名前が残るのみとなっている。
 ゴシック礼拝堂様式で造られたその建物の一階部分は

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過去の詩作が予言に見えるのは、人類が歴史を繰り返している証。

📖戦火の痕跡📖 (本文切り抜き紹介:小説『JADE ~表象のかなたに~』第二章「水辺の表象」より)



「──お前も知っているだろうが、ここは大戦時に壊滅的に破壊されて、一度は廃墟と化した街だ」

 ドレスデンの街の一角を歩きながら、Jが解説口調で語り出した。今は焼け野原ではないにしても、西側地域に比べるとまだ少し閑散としたところがあり、観光地化されて賑わいでいる箇所は限られている。

「この宮殿なんかも、戦後になって復元されたものの一つさ」

 街の中心部にどっしりとそびえる、壮麗なバロック様

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J「大事なのは記憶そのものより、それを昇華した感性だ」

【小説】継承者 〜活動家たちのリング📖 (本文切り抜き紹介:📖『JADE〜表象のかなたに〜』より)



※試し読み①②はこちら▼

📖 試し読みⅠ:『見えざる凶器たちの行方』
📖 試し読みII:『戦火の痕跡』---------

 Jは現在の仕事場である訓練施設へと向かう前に、グルーネヴァルトの持ち家に立ち寄った。この前憲玲と一泊したとき、置き忘れてきた腕時計を取りに戻ったのだ。
 だがJが、GPSを無効にした車で敷地内に乗り入れたとき、思いがけず門の手前にランゲ大佐の姿を認めて、眉をひそめ

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J「大事なのは記憶そのものより、それを昇華した感性だ」

シリーズ小説の受難 💧

トップ画像は、つい先日、8月29日に訪れた馬見丘陵公園のリコリス・スプレンゲリーという花(彼岸花のなかま)です。これ、実は、私の手持ちの新作(小説)の一つに関係する、取材対象の花だったんです🌼 昨年は、自然災害の影響もあってタイミングを逃し、この一種だけとうとう取材できずに終わってしまいました。一年に一度、ほんの一週間程度しか咲かないものを取材するとなると、チャンスを逃せば 次は一年後まで待たね

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過去の詩作が予言に見えるのは、人類が歴史を繰り返している証。

著作品の案内 & サイトマップ

〚 著者プロフィール 〛2007年、二人のロシア人サッカー少年を主人公にした純文学系小説『クルイロ~翼~』でデビュー(文芸社)。芸術心理学の観点から、スポーツ芸術としてのサッカーを描きつつ、密接な共依存関係の光と闇に着目した 異色の友情物語に仕上げている。

2012年、同出版社より、謎が謎を呼ぶカルト教団との攻防戦を縦軸に、人間心理や社会の闇に斬り込んだ社会派ミステリー『PHASE』を出版。20

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J「大事なのは記憶そのものより、それを昇華した感性だ」

【小説】📕最新作「それぞれのパンデミック ~そのとき彼等は……」 紙の本およびkindle電子書籍のご案内!



内容紹介▼「どうしても聞きたかったんです、あなたの口から。今の状況において、あるいは、ウィルスとともに暮らさねばならないこれからの世界において、僕達にとっての『プラス』とは何なのか。僕達人類は、一体どこへ向かおうとしているのかを」

「弱いところを衝かれたんだ。
 グローバル化のユートピアが
 丸ごとそのままの形で
 ディストピアに反転したわけだ」

科学や医学の著しい発展にもかかわらず
起き

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J「大事なのは記憶そのものより、それを昇華した感性だ」