listude。奈良の四条大路にある音工房。 ここで開催されるライブに足を運ぶと、いつも音の銀河を旅しているような夢見心地になる。 今夜の演目はHOUSE。 阿部海太郎さんと…
旅先の奈良で とほん を訪ねた 金魚の町 奈良県は郡山にある本屋さんだ 近頃は かつてのように頻繁に本屋には行かないようにしていた 理由は明白で 欲しい本が次から…
2024年7月に今年3度目の奈良を訪れると 明らかに外国人旅行客が増えていた オーバーツーリズムでパンク寸前の京都のお裾分けだろうか? 神社仏閣も カフェも ラーメン屋…
コンビニ前の喫煙所でタバコを吸っている旅行者がいた 灰皿の横にはブロックで作った小さな座椅子 こじんまりと収まりがよく 彼は上機嫌に煙を吹かしている わたしの視線に…
彼は人がいい 色んな人の気持ちを汲み 愛想よくふるまう 月に一回の入院 しばしばの診察 暴飲暴食の輪から抜け出せずにいる 体を壊してまで 人に好かれる必要なんてない …
ワールドツアー中のバンドのボーカルがこんなことを言っていた 飛行機で移動するというのは実はとても不自然なことだと思う 体は海を渡って運ばれる でも大切ななに…
去り際になって はじめて知ることがある もっとこうしておけばよかった 別れるたびに 小さく後悔する その反発で少しだけ前を向く 後ろ向きだから 前を向けることもある …
曇天の夜 川面 白々と きらめき流れる 月無く 星絶えて はじめて見える光もある
一面のシロツメクサ 白と緑 輝いて 風吹き あつかぜいたる 夏が来る
公園の木々が風と囁きかわしている さわさわ さわさわ ざわざわ ざわざわ 葉擦れの音が激しくなっていく 嵐の前触れ 帆を張るように 枝がしなり 鳴る
鉄塔を見上げていた 空を区切るように 電線が走る ある映画の話 中国の最奥の地に住む少女は飛行機を見たことがなかった 飛行機なるものの話を聞いた少女は訊ねる 空にレ…
老齢の男性と妙齢のご婦人が 向かい合ってスツールに腰かけている 男性の声は レトロなカセットテープのようで (テープが伸びたように間延びしている) ぼくは ぼくは と…
百九十センチある後輩と並んで歩く 足も長い 風のように先を行く 必死になって追いかけているうちに じぶんが縮んでいくような錯覚に陥る するり と それまで舞台袖に隠…
この世界には声が溢れている 話したい 喋りたい 伝えたい いつだって 言いたいが聞きたいを追い越していく 言葉のかけちがいなんて言うけれど そもそも言葉は噛み合わない…
六月の晴天 公園の木々が 風にそよいでいる さわさわ さわさわ ひそやかな声 陽のきらめき 白緑に 耳を澄ます
いつのころからか 人生の答え合わせをするようになった 振り返ると 頼んでもいないのに 背中に たくさんの過去が振り積もっている まるで殻を背負ったかたつむりのようだ …
ゴリュウジ
2024年7月16日 18:03
listude。奈良の四条大路にある音工房。ここで開催されるライブに足を運ぶと、いつも音の銀河を旅しているような夢見心地になる。今夜の演目はHOUSE。阿部海太郎さんと武田カオリさんが十余年の時をかけて紡いだ、ある架空の女性のポートレート。武田さんの心に光を点すような歌と朗読が、残されたモノたちに宿った記憶の欠片をきらめかせる。前半はピアノと弦楽四重奏が奏でる密やかな調べ。悲壮、哀惜
2024年7月15日 13:08
旅先の奈良で とほん を訪ねた金魚の町 奈良県は郡山にある本屋さんだ近頃は かつてのように頻繁に本屋には行かないようにしていた理由は明白で 欲しい本が次から次に目に入ってくるからだ旅先は 特に購買意欲が増す離れた土地であればあるほど 一期一会の出会いに思えてきて この本もあの本も と手に取ってしまう家には積読の塔がすでに何本も聳えているこのうえさらに塔を増やしてどうしようというの
2024年7月14日 13:25
2024年7月に今年3度目の奈良を訪れると 明らかに外国人旅行客が増えていたオーバーツーリズムでパンク寸前の京都のお裾分けだろうか?神社仏閣も カフェも ラーメン屋も ホテルも 大浴場も飛び交う言葉の意味がわからないこちとら湿気むしむしの北陸育ち根っからの小心者で内弁慶だ関西弁でもビクッとしてしまうのに知らない言葉は心臓に悪いふらりふらり と歩くうちに表通りから外れていたてく
2024年7月13日 11:10
コンビニ前の喫煙所でタバコを吸っている旅行者がいた灰皿の横にはブロックで作った小さな座椅子こじんまりと収まりがよく彼は上機嫌に煙を吹かしているわたしの視線に気づくと彼はくいっと眉を上げてみせた街は無数のルールで溢れている不法侵入禁止ここは禁煙です規則を守りましょうみんが気持ちよく過ごすためにみんなとは誰のことだろう?そこにわたしは含まれているのだろうか?あの旅行者は?
2024年7月12日 18:28
彼は人がいい色んな人の気持ちを汲み愛想よくふるまう月に一回の入院しばしばの診察暴飲暴食の輪から抜け出せずにいる体を壊してまで人に好かれる必要なんてないどうせ太るならくまのプーさんを目指せばいい高い木に登ったはいいが降りられずに困っている友人の危機に平然とその友人のお弁当を食べてしまえるのん気さ気配りはほどほどにじぶんへのいたわりを忘れずにね
2024年7月11日 18:44
ワールドツアー中のバンドのボーカルがこんなことを言っていた 飛行機で移動するというのは実はとても不自然なことだと思う 体は海を渡って運ばれる でも大切ななにかがこぼれ落ちてしまっているような気がする 速すぎる速度は体に悪いそうか時差ボケはなにかがこぼれ落ちてしまった体が上げている悲鳴だったのかわたしには歩く速度がちょうどいい自転車でも怖い車は暴力的で新幹線は走るたび世界を
2024年7月10日 17:41
去り際になってはじめて知ることがあるもっとこうしておけばよかった別れるたびに小さく後悔するその反発で少しだけ前を向く後ろ向きだから前を向けることもあるなかなか人生は捨てたもんじゃない
2024年7月9日 17:53
曇天の夜川面白々ときらめき流れる月無く星絶えてはじめて見える光もある
2024年7月7日 11:38
一面のシロツメクサ白と緑輝いて風吹きあつかぜいたる夏が来る
2024年7月6日 15:56
公園の木々が風と囁きかわしているさわさわ さわさわざわざわ ざわざわ葉擦れの音が激しくなっていく嵐の前触れ帆を張るように枝がしなり鳴る
2024年7月6日 11:05
鉄塔を見上げていた空を区切るように電線が走るある映画の話中国の最奥の地に住む少女は飛行機を見たことがなかった飛行機なるものの話を聞いた少女は訊ねる空にレールが敷かれているの?都会から来た人たちはそんな少女を笑った航空力学わたしたちは飛行機が空を飛ぶものだと知っている……つもりになっている本当は空にはレールが敷かれているのかもしれない人間だけが知らない見えないレールがあっ
2024年7月5日 17:17
老齢の男性と妙齢のご婦人が向かい合ってスツールに腰かけている男性の声はレトロなカセットテープのようで(テープが伸びたように間延びしている)ぼくはぼくはと語る声は滔々と淀みない話はアメリカの大統領選挙に及んでいた候補者Aはここがだめで候補者Bはここがだめで批評の川は流れ続けわずかな岸辺を見つけてはご婦人が感嘆符を口にする話がこの街の選挙に及んだときはじめて男性が
2024年7月2日 16:43
百九十センチある後輩と並んで歩く足も長い風のように先を行く必死になって追いかけているうちにじぶんが縮んでいくような錯覚に陥るするり とそれまで舞台袖に隠れていた劣等感が姿を現すほらほら見て見てチビが通るよ と外へ向いていたわたしの視線を内へと引っ張るその呪力全人類の負の引力を集めたら地球がぺしゃんこになってしまうかもしれない比べるにはものさしがいる計る量る
2024年6月30日 19:39
この世界には声が溢れている話したい喋りたい伝えたいいつだって言いたいが聞きたいを追い越していく言葉のかけちがいなんて言うけれどそもそも言葉は噛み合わないものだわたしの見ている世界がきみの見ている世界と違うようにボタンのかけちがいなら最初からやり直せばいいボタンには合う穴が用意されている言葉のかけちがいにやり直しはきかないやり直そうとすればするほど穴は深く大きくな
2024年6月30日 13:56
六月の晴天公園の木々が風にそよいでいるさわさわ さわさわひそやかな声陽のきらめき白緑に耳を澄ます
2024年6月29日 15:21
いつのころからか人生の答え合わせをするようになった振り返ると頼んでもいないのに背中にたくさんの過去が振り積もっているまるで殻を背負ったかたつむりのようだもっと大きくもっと頑丈にそう願うほどのろのろとろとろ歩みは遅くなるいっぽうだ重い放りだしてしまいたいでも塩をまかれるのが怖い溶けて消えるのは嫌だ逃げ出したいくせに重たい殻を脱ぎ捨てられずにいるもうと