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【詩】人生の答え合わせ

いつのころからか
人生の答え合わせをするようになった

振り返ると
頼んでもいないのに
背中に
たくさんの過去が振り積もっている
まるで殻を背負ったかたつむりのようだ

もっと大きく
もっと頑丈に
そう願うほど
のろのろ
とろとろ
歩みは遅くなるいっぽうだ

重い
放りだしてしまいたい
でも
塩をまかれるのが怖い
溶けて消えるのは嫌だ

逃げ出したいくせに
重たい殻を脱ぎ捨てられずにいる

もうとっくに未来は見通せなくなってしまった
近ごろでは
現在も見失っている

それでも
かたつむりは前に進むことをやめない
のろのろ
とろとろ
おっかなびっくり
触覚を引っこめながらでも
前に進む

 答え合わせをしてる暇なんてないよ
 ほら
 空から塩の雨が降ってくる前に
 たどり着け

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