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【詩】劣等感

百九十センチある後輩と並んで歩く
足も長い
風のように先を行く
必死になって追いかけているうちに
じぶんが縮んでいくような錯覚に陥る

するり と
それまで舞台袖に隠れていた劣等感が姿を現す
ほらほら
見て見て
チビが通るよ と
外へ向いていたわたしの視線を
内へと引っ張る

その呪力
全人類の負の引力を集めたら
地球がぺしゃんこになってしまうかもしれない

比べるにはものさしがいる
計る
量る
測る
道具が増えるほどに
わたしを苦しめる手管も増えていく

道具を手放せ
劣等感から服を剥ぎ取ってしまえ

わたしがわたしを苦しめるのなら
裸の王様でいてやろう

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