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妻咲邦香(小さな気持ち)詩を書いてます。安曇野の手作りのお菓子屋さん。
2021年2月12日 11:22
深淵はもう飽きました表層に憧れてますうらぶれた地質学に小さな納屋を建て夕陽のことを考えて、戒名と共に暮らす昨日の事を今日のように話す家畜と生活の匂いのしない長さと大小の容れ物に仕舞われた作物と舌先(のようなもの)と戻った時にはひとりだった今度は耐えられるだろうレンズの裏側に捕らえられた展望のうち一体どれだけのものを私は相続出来るだろう?どれだけの足が私の後を追うだろう?
2020年10月15日 09:11
もう忘れたかな?駅までの道が暗くて少し怖かったこともう忘れたかな?ルーズリーフの穴の数が微妙に合わなかったことあの角のタコスサンドは閉店間際は大盛りでもう忘れたかな?君は大勝利を手にあの門を潜る堂々と胸を張って胸を張ってもう忘れたかな?「ありがとう」と「ごめんね」を毎日繰り返してもう忘れたかな?いつまでも好きなままじゃいけないって気付いてハイドパークの白鳥に指を噛まれて
mikieee
2020年9月8日 00:00
物語の主人公になれる人ってだいたいさ、昔ながらのナポリタンとか、駅前の安い立ち喰いそばが好きだよね。社会人何年目になっても、東京には染まらず、高級なお店には背伸びしていくよね。いつまで経ってもそういった安い立ち喰いそばが好きなことが、青春を忘れないための布石になっていて、いつまでも舌が肥えていないことが、あえて、優位になる世界な気がする。私がそういった物差しでしか物事を図れないのかもしれない
Tokko
2020年8月27日 07:00
背中まるめ 隠れるようにタバコを吸う 人がいる手帳を 見つめ 真剣に肺いっぱい 煙を吸うなんの邪魔も 来ませんよあなただけの 箱ですよわたしは 窓を 曇らせる人生という 小さな箱1人のいのち 愛しくおもうズボンを 腰より 上で履き髪は 灰色 肌は 焼けたくさんの 皺がある笑うと どんなお顔ですか歩くと どんなふうですかわたしの いのち
2020年8月22日 07:46
わたしの こころ すくうためわたしは ことば つむぎますなんの やくにも たちゃしないなんの こうして たっているくうきが すんだ あさやけもくうきが ねばる くらやみもことばは いつも まっているひろってくれよと まっているわたしが ことば つまんだらわたしの こころ おどりだすそうこなくっちゃ あそびましょうそうこなくっちゃ うたいましょうおひさ
シノハラケンタ
2020年8月11日 03:33
ふと、雨が止んだ。気が付いたらいつの間にか雨が止んでいた、というのとは違った。雨の終わりを告げるまさにその瞬間、いま、ここで止みました、という瞬間が私にははっきりとわかったのだ。なんて不思議な感覚なんだ、私は興奮して、読んでいた文庫本を捲るページを止めた。クライマックスであと数ページという所だったが、何の迷いもなく本をぱたりと閉じ、スカートの裾についたビスケットのかすを払い落とすと、文庫本をさ
kashumin
2020年8月9日 12:49
例えば君が僕に背を向けたとしても僕は君に背を向けたりなんかしないよだって ほら君が振り向いた時に向き合っていられる僕でありたいから君の言葉を一つ残さず聞いていたいからだから僕は君より先にも後にも背を向けたりしないよ
2020年8月9日 09:33
飛行機雲が稜線に交わる伝えたいもの手に入れたからSTAY HOMEまだ出て行かないよこの星から目も眩む深い谷を渡る木霊に何度も呼び掛けて確かめていたい私の本当の住所それでも明日が来てしまうなんて考えたくなくて動きたくないんだこの橋からペンと紙切れひっ掴んで駆け出した芽生えた気持ち逃がすためのSTAY HOMEまだ出て行かないよ燻ってる炎、消えるまで見届けたいから指先に宿
さめざめさめ
2020年7月11日 02:03
メランコリー(黒胆汁)はきっと部屋に住み着きお墨付きの鬱たちが隅っこで塊になってやがて黒くて大きなくじらになる自由になれるといいね
ホセ(さみだれうさぎ)
2020年7月3日 10:15
はじめて幸せが怖いとおもった半月の夜2人の間では満月のように満ちていて欠けたところは何もなかったううん欠けていたり穴が開いていたり不完全だったのかもしれないけど見えなかっただけで全部がおだやかな光で包まれていた何を話していてもことばを通り越して心の奥の奥の奥に溶けて溢れていったそれでも決して過激ではなくて音もなければにおいも形さえもなくて穏やかさだけが