彼女とすごく時間はいつもとても穏やかで満たされていた。 そう、とても満たされていた。 そしてあの音がした。身体の中で。 小さいけれど確かに カチッ、とはまる音が。…
すれ違う偶然が重なるごとに、私たちは微笑み、軽く会釈をしてくれるようになった。それだけで毎回通り過ぎる。なかなか声をかけられない弱気な自分に呆れてしまう。でも声…
初めて彼女とすれ違っとき、空気の流れが違うことを肌で感じた。 ちょっと鳥肌が立って 「なんだろうこの空気は・・・」 と戸惑った。 そんなことを毎日意識して生活なん…
彼女と付き合い始めてしばらくして、ずっと見つからなかったパズルの最後のピースが見つかったと身体が感じた。 いつもそこに意識があったわけじゃない。 でも身体の中で…
現在50歳を少し越える4歳年上の姉は、中高とお堅い女子校に通い、知る限りボーイフレンドなるものはおらず、ひたすら『ロック命』を貫いて生きてきた女性だ。それは今も…
兄は年上が好みらしい。 妹である私がいるから、私と同じ歳や年下はナニか違和感があるようだった。 高校生の時の初体験の相手は1歳年上の女の子だった。 彼女は運動も…
「結婚している人と付き合っていた事があったのよ」そう話し始めた時、 母は60代初めだった。 「隠して付き合っているのはとても苦しかったわ」 付き合い始めた頃、母…
数年前からかなり心臓に負担がかかってる状態でも交際相手に会いたくて、会いに行っていた90歳のチチだった。 体調が悪いのを家族に知られたら外出禁止になるからと隠して…
20年間援助をしてくれた90歳の交際相手からいきなり連絡が取れくなり、その交際相手はどう理解しているのだろうか。 家族にバレたことはチチから聞き知っている。 銀行…
母の”生活に困っている人を援助しているのではないか”という感は当たったようだった。 だからと言って我が家がリッチなのかと言ったらそうではない。 普通と言ったら何が…
チチはその女性と相思相愛だったようだ。 と、チチは信じていたに違いない。 ガラケー携帯からスマートフォンに買い替え、使い慣れるまで、携帯に全く必要性を感じていな…
携帯のメールのやりとりは5年前から始まっていた。 姉に間違っておくったEメールも5年前だったから。 それまではテレホンカードで連絡のやり取りをしていたようだ。 会話…
今年90歳になるチチ(父)には女がいる。 会社時代からの知り合い、お世話になった人だと言うが、怪しい。 行動が怪しい。 カラオケ仲間でもあると言うが、怪しい。実に怪し…
流風
2024年7月12日 17:59
彼女とすごく時間はいつもとても穏やかで満たされていた。そう、とても満たされていた。そしてあの音がした。身体の中で。小さいけれど確かにカチッ、とはまる音が。ずっと見つからないから、存在さえも忘れていたパズルの最後のピースみたいに。きっと自分に合ったピースを探していた時もあったんだろう。いつもそこに意識があったわけじゃないけれど「何かが欠けている」と身体と心が感じていた時が。そし
2024年7月6日 07:46
すれ違う偶然が重なるごとに、私たちは微笑み、軽く会釈をしてくれるようになった。それだけで毎回通り過ぎる。なかなか声をかけられない弱気な自分に呆れてしまう。でも声をかけてしまったら、この幸せな数秒のすれ違いが崩れてしまう気がして。「ただすれ違う度に彼女が微笑でくれて、あの穏やかな空気の流れを数秒感じられるならそれだけでもいいかな・・・」と、どことなく完結した想いに近いものにもなっていた。でも
2024年6月29日 15:39
初めて彼女とすれ違っとき、空気の流れが違うことを肌で感じた。ちょっと鳥肌が立って「なんだろうこの空気は・・・」と戸惑った。そんなことを毎日意識して生活なんかしていないし、気に止めてなんかもいない、空気の流れのことなんか・・・・でも確かだった。それを証拠に、何人かが足を止めて深く深呼吸をしていた。それも口からからではなく鼻から。そこに漂う空気を肺一杯に吸い込むように。まだ霧が
2024年6月28日 16:43
彼女と付き合い始めてしばらくして、ずっと見つからなかったパズルの最後のピースが見つかったと身体が感じた。いつもそこに意識があったわけじゃない。でも身体の中で、カチッと、そのピースがはまった音がした。「あぁ、そうか・・・最後のピースが欠けていたんだ」それが自分に欠けていたことにも全く気ついていなかった。でも身体で、心で、実感してやっと理解ができた。 安堵と納得。
2024年4月18日 14:14
現在50歳を少し越える4歳年上の姉は、中高とお堅い女子校に通い、知る限りボーイフレンドなるものはおらず、ひたすら『ロック命』を貫いて生きてきた女性だ。それは今もでも変わっていない。規則が厳しい私立女子校だったので、ロックなんか、コンサートなんかに行くことは当然禁止だった。でももちろん行っていた。軽音楽部なるクラブに所属し、表向きはクラシックを主にギターを弾き語るクラブだったけれど、主(裏では
2024年3月22日 10:21
兄は年上が好みらしい。妹である私がいるから、私と同じ歳や年下はナニか違和感があるようだった。高校生の時の初体験の相手は1歳年上の女の子だった。彼女は運動もでき頭も良い才女だった。だからその才女を射止めるためにかなり努力をしたようだ。射止めた年上の彼女からはフィジカルアクティビティも教えてもらったけれど、宿題や勉強もかなり教えてもらっていた。もともと成績は悪くなかったけれど、彼女と同じ選
2024年3月9日 04:42
「結婚している人と付き合っていた事があったのよ」そう話し始めた時、 母は60代初めだった。「隠して付き合っているのはとても苦しかったわ」付き合い始めた頃、母は40代だった。母が働いていたパート先での出会い。ありきたりなどこにでもある出会いだった。その頃私は中学生だった。そして母も父と結婚していたから、それは不倫関係ということになる。その付き合いは熱い関係から温かい関係になるまで、母が
2024年1月25日 16:03
数年前からかなり心臓に負担がかかってる状態でも交際相手に会いたくて、会いに行っていた90歳のチチだった。体調が悪いのを家族に知られたら外出禁止になるからと隠していた。 と言っても、かなり体調が悪いことは私達家族は皆気がついていたけれど。 母の言葉にも耳を貸さず、里帰り中の孫娘や娘が「早く帰ってくれたら、会えるのにな」とメールの交換を入院前日まで続けていた。緊急入院して医師の診断が終わ
2024年1月25日 15:48
20年間援助をしてくれた90歳の交際相手からいきなり連絡が取れくなり、その交際相手はどう理解しているのだろうか。家族にバレたことはチチから聞き知っている。銀行から援助金も引き出せなくなり、家族が行動開始したことは気がついたはずだ。連絡を取ろうとするだろうか?でも携帯もすでに解約しているから簡単に連絡を取る方法はもうない。自宅に電話をするほど心配をしているか、そこまでするほど愚かではなか
2024年1月18日 11:41
母の”生活に困っている人を援助しているのではないか”という感は当たったようだった。だからと言って我が家がリッチなのかと言ったらそうではない。普通と言ったら何が普通なのか?と言うことになるかもしれないけど、住んでる家は集合住宅で、食べ物は自分達が働いたお金で買うことができる。そんな普通の生活だ。今は簡単に住んでる場所など探せてしまうご時世。守りが甘かったせいで残された数枚の発送伝票に記載
2024年1月13日 16:49
チチはその女性と相思相愛だったようだ。と、チチは信じていたに違いない。ガラケー携帯からスマートフォンに買い替え、使い慣れるまで、携帯に全く必要性を感じていない母の携帯に残されたメールのやり取りの文章は、ただのお茶友達以上の恋心があるのは一目瞭然だった。90のチチが、ハートを散りばめ、相手の甘えた文章に答えていた。20年前といえば、チチはまだ70代。その頃にはすでに定年していたからその
2024年1月10日 18:10
携帯のメールのやりとりは5年前から始まっていた。姉に間違っておくったEメールも5年前だったから。それまではテレホンカードで連絡のやり取りをしていたようだ。会話の端々に「テレカを買うの忘れたちゃったよ」やら「テレカ買っておいたよ」と書いてあったから。その女を自宅がある家のショッピングセンターまで呼んで、仲良く買い物をしているところを姉が目撃したこともある。E メールの件もあるし、無視するの
2024年1月6日 12:42
今年90歳になるチチ(父)には女がいる。会社時代からの知り合い、お世話になった人だと言うが、怪しい。行動が怪しい。カラオケ仲間でもあると言うが、怪しい。実に怪しい。酒、タバコは飲まない。賭け事は好きだ。そして浪費家。今年はボーナスは出ないと母に言い、そのボーナスは全部自分で使ってしまったこともあるらしい。定年後の借金3回。その度に自分では返せず母に泣きつくビビり。挙げ句の果てに脳梗