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チチ(父)の恋 一

携帯のメールのやりとりは5年前から始まっていた。
姉に間違っておくったEメールも5年前だったから。
それまではテレホンカードで連絡のやり取りをしていたようだ。
会話の端々に「テレカを買うの忘れたちゃったよ」やら「テレカ買っておいたよ」と書いてあったから。

その女を自宅がある家のショッピングセンターまで呼んで、仲良く買い物をしているところを姉が目撃したこともある。E メールの件もあるし、無視するのも変だと思い、姉は1度は声をかけたこともあるらしい。その後数回目撃し、これはあのEメールの女に違いない、と思ったという。そして地元のよく行くカラオケ屋にも顔を出していたらしい。

その女は実の娘の姉と同じ年齢らしく、その上名前まで最後に”子”がつくか、つかないかだけの違い。
自分の娘と同じくらいの歳で、名前まで同じ相手を交際相手に選んだというのを父親として心地いいものだったのだろうか?          

そしてこの付き合いは20年くらい前から続いているという。
全く気づかない母、私達である。
すごい。
まさか不倫?イコール 完璧なる援助交際していた女がいたとは・・・・
それも20年間も・・・
ある意味、実に巧みにこの関係を続けていたことに「そう言うことができる男だったんだ」と今までの家族の出来事で一番のドッキリである。

そしてこれはチチにとっては恋だったのだ。



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