ミッシング ピース 4
彼女とすごく時間はいつもとても穏やかで満たされていた。
そう、とても満たされていた。
そしてあの音がした。身体の中で。
小さいけれど確かに
カチッ、とはまる音が。
ずっと見つからないから、存在さえも忘れていたパズルの最後のピースみたいに。きっと自分に合ったピースを探していた時もあったんだろう。
いつもそこに意識があったわけじゃないけれど「何かが欠けている」と身体と心が感じていた時が。
そしてその音が響いた瞬間、蘇ってきた「あぁ、そうか・・・最後のピースが欠けていたんだ」と。
安堵と納得。
彼女とは人間同士の関係ではなく、なにか違う関係を望んでいる気がする。それがなんなのか今はまだ良くわからないけれど。
穏やかに快く流れる目に見えない空気の波を乱したくない、ような。
静かに流れる川の水の流れを乱したくない、ような。
やっと見つかった、見つけた最後のピース。
「このまま大切にはめたままにしておけたらいいのに・・・」と、 そう心の中で静かに願った。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?