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鮫洲駅の停車時間のような日々で
鮫洲駅と聞いて多くの人が連想するのは、教習所か、または京急線の停車時間なのではないないだろうか?
各駅停車しか泊まらない鮫洲駅は、急行の時間調整のために、長めの停車時間がある。
小さい頃、横浜方面から家に帰るとき、または向かう時に鮫洲で電車が停まると、少しイライラした。
早く家に帰りたいのに。目的地に行きたいのに。電車の中で退屈しているのに。
止まっている時間以上に、長く感じたものだった。
し
君が生まれて、虎ノ門に向かう銀座線で泣き笑いしたくなったことを思い出した
自分の人生の底と言えば、いまからちょうど7年前だ。
思い返すと、自分で引き起こした出来事がうまくいかず、それでもう世界の終わりみたいな気分になって、なかなか浮き上がることができなくなってしまった。
最近「鬱の本」といういろんな人の鬱な感情や出来事のエッセイ集を読んでいて色々と思い出したのだけど、自分がそのテーマで文章を書くとしたら間違いなくその頃のことを書くと思う。
妻との出会いや家族や友人の支
さらば! 椎名町の隣人よ
私には密かに好きな隣人がいた。それがマンションの大家さんである松本さんだった。年齢は70歳くらいか、あまり詳しいことはわからないが、品のある女性だった。
松本さんはおそらく旦那さんと二人暮らしで、いつも私とパートナーが住むマンションの共用部を掃除してくれた。そして、共用部には観葉植物が飾られ、季節に合わせたお花が置かれることもあった。また、クリスマスやハロウィーンのときにはそれに合わせた飾りもさ
明大前で降りて、大学生と並んで食べた家系ラーメン
社会人5、6年目の頃、京王線と京王井の頭線で、渋谷の会社まで通勤していた。
さすがに学生気分は消えけていたけれど、学生時代の思い出にまだ少し後ろ髪を引かれていたような時期だった記憶がある。
仕事が忙しくて終電やタクシー帰りをすることも多かったけれど、会社で仕事をするのに疲れてしまった時は、途中で切り上げて家に持ち帰ることもあった。
ある日、会社を出て井の頭線に乗り込んだ時に、無性に家系ラーメンが