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OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

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私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。
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#エッセイ

なんかいやな感じ (武田 砂鉄)

なんかいやな感じ (武田 砂鉄)

(注:本稿は、2024年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。

 武田砂鉄さんの著作は、以前「マチズモを削り取れ」「べつに怒ってない」の2冊を読んでいるのですが、その論旨には、概ね同意するところとちょっと違うかなと感じるところが合い混じっていた印象があります。
 とはいえ、気になるライターさんではあるので本書も手に取ってみた

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〔再読〕ひとり旅 (吉村 昭)

〔再読〕ひとり旅 (吉村 昭)

(注:本稿は、2024年に初投稿したものの再録です。)

 吉村昭さんの小説やドキュメンタリー等は今までも何冊も読んでいて、私の好きな作家のひとりです。

 本書は、いつも利用している図書館の書架で目についたものですが、その帯には「最後の随筆集」と記されていました。ちょっと気になりますね。
 目次を覗くと、吉村作品の舞台裏を垣間見ることができる数々のエッセイに加え、巻末には、小沢昭一さんとの対談も

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新・地図のない旅 II  (五木 寛之)

新・地図のない旅 II (五木 寛之)

(注:本稿は、2024年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。

 五木寛之さんのエッセイ本をみると、いまだについ手が伸びてしまいます。「地図のない旅」というタイトルの本ははるか昔読んだ記憶があるのですが、長い年月を経ての “新” 版です。
 先に読んだのは「Ⅰ」で、こちらは同時期に出版された「続編」になります。

 内容は、

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新・地図のない旅 I  (五木 寛之)

新・地図のない旅 I (五木 寛之)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。

 五木寛之さんのエッセイを見かけると、いまだについ手が伸びてしまいます。「地図のない旅」というタイトルの本ははるか昔読んだ記憶があるのですが、長い年月を経ての “新” 版です。

 内容は、最近の五木さんの語りのとおりで、特に目新しい視点があるわけではないのです

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IKKO 人生十転び八起き。ケ・セラ・セラ (IKKO)

IKKO 人生十転び八起き。ケ・セラ・セラ (IKKO)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも聴いている笑福亭鶴瓶さん、上柳昌彦さんのpodcast番組にIKKOさんがゲストで出演されて紹介していた本です。

 IKKOさんの半生、そしてその中で培われてきたIKKOさんならではの考え方などに惹かれるものがあって手に取ってみました。
 とても興味深いエピソードが満載ですが、それらのうちから印象に残ったところをいくつか書き留めて

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世間ってなんだ (鴻上 尚史)

世間ってなんだ (鴻上 尚史)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 ちょっと前に、鴻上尚史さんによる「人間ってなんだ」「人生ってなんだ」というエッセイ集を読んでいます。
 それらは、鴻上さんが20年以上にわたって「週刊SPA!」に連載していたコラムから、これはというものを選りすぐって書籍化したものですが、本書は、その流れの第3作目です。

 今回のテーマは「世間」。
 昨今流行りの “同調圧力” “忖度”

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東大8年生 自分時間の歩き方 (タカ サカモト)

東大8年生 自分時間の歩き方 (タカ サカモト)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも聴いている茂木健一郎さんのpodcast番組に著者のタカサカモトさんがゲスト出演していて紹介していた著作です。

 内容は、“自分の時間を生きる” というライフスタイルを実践しているタカさんの、今に至るまでの多彩で痛快なチャレンジの様子を綴ったエッセイです。

 メキシコやブラジルでの経験、ネイマールとの出逢い等、とても刺激的なエピ

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スローなブギにしてくれ (片岡 義男)

スローなブギにしてくれ (片岡 義男)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 ちょっと前に片岡義男さんの最近の書き下ろしエッセイ集「僕は珈琲」を読んだのですが、その独特の感性が気になって、彼の往年の代表作を読んでみようと思い立ちました。

 1975年に雑誌「野生時代」で発表されたとのことなので、もう50年ほど前の作品です。

 本書は、表題作「スローなブギにしてくれ」をはじめとして「モンスター・ライド」「ハートブ

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ぜんぶ、すてれば (中野 善壽)

ぜんぶ、すてれば (中野 善壽)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 会社の友人がSNSで紹介していた本です。刺激的なタイトルなので、大いに気になりました。

 著者の中野善壽さんは、日本や台湾の企業にて要職を勤めた後、2011年からは寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOとして幅広い分野で活躍された方です。

 本書では、その中野さんのユニーク?な思考が気さくな語り口で開陳されています。
 なかなかマネできるも

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一旦、退社。~50歳からの独立日記 (堀井 美香)

一旦、退社。~50歳からの独立日記 (堀井 美香)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。

 著者の堀井美香さんは、元TBSアナウンサー。2022年4月、50歳でTBSを退社しフリーとして歩を進めました。

 本書は、その節目を迎えてのさまざまな想いを綴った堀井さんのエッセイ集です。
 期待どおり私の興味を惹いたところは数多くありましたが、その中から特に印象に残った部

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生きる意味 (姜 尚中)

生きる意味 (姜 尚中)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 ご存じのとおり姜尚中さんは政治学者ですが、エッセイの達人でもあります。

 本書はコロナ禍が収まりきらない今日、心の安寧に誘うエッセイを採録したものです。姜さんの穏やかな言葉の中から、私の心に響いたくだりを覚えとしてひとつ書き留めておきます。

 姜さんと中村哲さんとの関わり

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僕は珈琲 (片岡 義男)

僕は珈琲 (片岡 義男)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。

 片岡義男さんの著作はそれほど読んでいないのですが、この歳になって、改めてちょっと気になり始めました。

 私よりも20歳ほど先輩ですが、独自の感性で綴り続けるエッセイには懐かしさと心地よさが同居しています。
 数々の小文のなかから、私の関心を惹いたくだりをひとつ書き留めておきます。

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人生ってなんだ (鴻上 尚史)

人生ってなんだ (鴻上 尚史)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 少し前に、鴻上尚史さんによる「人間ってなんだ」というエッセイ集を読みました。
 鴻上さんが20年以上にわたって「週刊SPA!」に連載していたコラムから、これはというものを選りすぐって書籍化したものですが、本書はその流れの第2作目です。

 今回のテーマは「人生」です。
 これまた壮大なテーマですが、鴻上さん一流の感性が数々のエピソードを通

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旅のつばくろ (沢木 耕太郎)

旅のつばくろ (沢木 耕太郎)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 ちょっと前に沢木耕太郎さんの「飛び立つ季節:旅のつばくろ」というエッセイ集を読んだのですが、その本はシリーズ第2作目とのこと。
 なので、当然のごとく “第1作目” にもトライすることにしました。

 テーマは同じく「国内旅」。
 いったい沢木さんはどこを自らの旅の始発に据えていたのか、楽しみにページをめくりました。

 まずは、16歳の

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