世間ってなんだ (鴻上 尚史)
(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)
ちょっと前に、鴻上尚史さんによる「人間ってなんだ」「人生ってなんだ」というエッセイ集を読んでいます。
それらは、鴻上さんが20年以上にわたって「週刊SPA!」に連載していたコラムから、これはというものを選りすぐって書籍化したものですが、本書は、その流れの第3作目です。
今回のテーマは「世間」。
昨今流行りの “同調圧力” “忖度” といった日本独特?の風土を、鴻上さん一流の感性が数々のエピソードを通して掘り起こしていきます。
今までも、鴻上さんは自身の多くの著作で、“日本人における「世間と社会」” についていろいろな切り口から論じていますが、本書では、たとえばこんな感じです。
日本人は、身近な “世間” の中では話せても、外部環境である “社会” と交流する方法は知らないという指摘です。
あと、もうひとつ take note。
これは同じような内容を別の本でも目にした覚えがあるのですが、第二次世界大戦時のCIA資料と伝えられている「サボタージュ・マニュアル」からの抜粋です。
ちょっと長い引用になりましたが、この列挙は見事です。
しかし、絶対 “変” ですよね。こんなことに躍起になっている組織も人も。
こういった “意味不明なおかしなしきたり” をなくすのは、実はとても簡単なのです。「変だから、やめよう!」と、変だと思った人がこのしきたりを破ればいいのです。
ただ、それが何故だかなかなかできない・・・。そこに、まさに鴻上さんが問題視している“世間と社会” の相克という命題が横たわっているのだと思います。
では、どうするか?、これも簡単です。
「変だから、変えよう!」と、実質的に権限のある人が決めて指示すればいいだけです。
“周り(世間)の目の方が間違っていることを宣言する”、“一人の行動でみんなを変える”、これこそ「リーダーの役割」でしょう。
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