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ぜんぶ、すてれば (中野 善壽)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 会社の友人がSNSで紹介していた本です。刺激的なタイトルなので、大いに気になりました。

 著者の中野善壽さんは、日本や台湾の企業にて要職を勤めた後、2011年からは寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOとして幅広い分野で活躍された方です。

 本書では、その中野さんのユニーク?な思考が気さくな語り口で開陳されています。
 なかなかマネできるものではありませんが、期待どおりのメッセージの中から特に印象に残ったものを覚えに書き留めておきます。

 まずは、「慣れを捨てる」

(p58より引用) 人間は慣れるとバカになる。
頭を使わなくなって、衰えていく。
だから、できるだけ不慣れな機会に身を置くことが大切だと、
普段から意識しています。

 私は、初対面の人が苦手で、人付き合いが下手です。ズボラな性格なので、あちこち出歩くこともありません。
 そういう私にとっての “不慣れな機会” のひとつが行き当たりばったりの読書なんですね。雑読で “頭が慣れる” のに何とか抵抗を試みているつもりです。

 もうひとつ、「こだわりを捨て、相手が求めるものを差し出す」の章から。

(p152より引用) 一番大事なのは、こだわりを捨てること。
「こういう店をつくりたい」というイメージをガチッと固めてから挑まないほうがいい。

 戦略的ではありますが、その戦略は “ゼロベースの柔軟な発想” に委ねるというもののようです。委ねるのは、その土地の「文化」や「ルール」といったもの。すなわち「相手」です。

 さて、経営者としてとてもユニークな中野さんですが、もう50年来毎日欠かさないことがあります。それは “自分自身に誓いを立てるお祈り” 。始めたきっかけが「自己啓発本」を読んで影響を受けたからだそうです。

 他人のアドバイスであっても納得できるものは素直に受け入れる、この “素直な心の構え” が、“自分自身に対して正直に生きる” 中野さんの本質なのだろうと思いました。



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