生きる意味 (姜 尚中)
(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)
いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。
ご存じのとおり姜尚中さんは政治学者ですが、エッセイの達人でもあります。
本書はコロナ禍が収まりきらない今日、心の安寧に誘うエッセイを採録したものです。姜さんの穏やかな言葉の中から、私の心に響いたくだりを覚えとしてひとつ書き留めておきます。
姜さんと中村哲さんとの関わりに触れた小文「『川上』に向かう生き方」より、新型コロナ感染症への対応の構えについて。
当初医療活動で赴いたアフガンの地で、中村さんが井戸掘りや灌漑用水路の開削に邁進された理由を、姜さんはこう捉えました。
そして、このコロナ禍に対峙したとき、姜さんはこう思ったのです。
中村哲医師。返す返すも、なんと素晴らしい方を失ってしまったのかと起こった出来事の理不尽さに心が沈み入りますね。痛恨の極みです。
さて、私より10歳ほど年上の姜さんですが、本書に採録されているエッセイの中には、少し先を行く先輩として今の私にも響く心情を語ったくだりもありました。
翻って、私はといえば、通勤・外出の機会がめっきり減ったここ数年、体力の衰えは隠しようもなく、かといって面倒くさがりの私は取り立てて運動もしていません。こうまで熱波が続くと近所を散歩することすら無理ですね・・・。
情けない限りですが、退職の時期も間近に迫りつつある今日、なんとかネジを巻き直さなくては。
“レジリエンス(resilience)” という言葉もよく目にするようになりました。思うだけではなく、ともかく「行動」なのは分かっているつもりなのですが・・・。
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