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あの人の『ありがとう』は切れ味の悪いナイフ
どういう訳か、
ある友人に『ありがとう』と言われると
釈然としない気持ちになった。
礼を言われて気落ちするというのは珍しい。
「君に礼を言われる筋合いはない!」
なんて台詞をよく耳にするが、
私とその友人に限ってその台詞は当てはまらない。
礼を言われる筋合いのある、旧友だからだ。
その友人をPさんとしよう。
付き合いも長くなったあるとき、
Pさんが持つ二面性に気づいた。
『誠実』と『不誠実』
紅しょうがのイタズラな魔法★
2015年、現在の伴侶タレちゃんと出会ったばかりの頃。
明け方の歌舞伎町。
路上ではホストが女の子を囲い、
カラスはゴミをあさっている。
私たちは朝までひとしきり呑んだ帰りだった。
胃袋が鳴り響いて、塩分と糖質を欲している。
体がアルコールを分解したがっていた。
牛丼屋の松屋に入り席に着くと、
ほどなくして並盛牛丼が運ばれてきた。
いざ食べ始めようとすると、トイレに行きたくなる。
「先、食べ
好きな映画が「ベタだ」と笑われて
大学生の時、
映画は、”ショーシャンクの空に”が一番好きだと言うと、
「うわ~、超ベタベタだなー 」
と笑われて、恥ずかしい気持ちになった。
―――――――
あなたの好きな〇〇を聞かれたとき、
定番を外して、他の人が知らないようなセンスを見せつけたくなる。
10代20代にありがちな、
そういう自意識の渦中に私もいた。
好きな音楽は?と聞かれたら、
当時まだマイナーだった星野源とか、
デビ
海から届いた珍妙な土産
生きていると、人並みにお土産をもらう。
お土産は消え物がありがたいが、中にはクラフト雑貨で「これどうするかな…」と自分の生活様式にはどうしても当てはめられない物もある。
そんな時、私は潔く手放してしまう。
贈り物は相手に渡したら、その後どうするかはもらった側の自由だ。
何より気持ちを受け取ることが大事。
その多寡にもよるが、そう考えると贈り物も気楽になるし、使わない物をもらってもありがたい気持
地震が起きた夜、相棒がはないちもんめ状態だった
わたしの相棒タレちゃんは、災害時に生き残れないタイプだ。
数ヶ月前のこと。
深夜に震度3~4の地震が起きた。ゆらゆらと長く続く気持ちの悪い揺れ方に、大地震の可能性が頭をよぎった。急いで、玄関のドアを開けて逃げ道を確保。廊下にぶら下げてあるヘルメットもかぶった。
幸いその後すぐに揺れは収まり、別に暮らす私たちは互いの無事を確認し合い再び眠りについた。
数日後、タレちゃんと地震の夜の話になったのだ
どうか死んだあとは楽になっていて欲しい
2016年春、とある土曜日。
桜が美しく咲き誇っていたこの日、わたしはタレちゃん(現在の伴侶)にお花見の約束をすっぽかされ、新宿シネマカリテで映画を観ていた。
前日の金曜からタレちゃんと連絡がとれていなかった。
昼に送ったLINEに既読はついている。
だが夜になっても返事は来なかった。
様子がきになるが、仕事で疲れて寝てしまったのかもしれない。
お花見の確認は当日朝でもいいかと、電話はせずに眠っ