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【エッセイ】 家族と呼んでもいいかな-まとめ

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伴侶タレちゃんとの日常を綴っています。
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紅しょうがのイタズラな魔法★

2015年、現在の伴侶タレちゃんと出会ったばかりの頃。 明け方の歌舞伎町。 路上ではホストが女の子を囲い、 カラスはゴミをあさっている。 私たちは朝までひとしきり呑んだ帰りだった。 胃袋が鳴り響いて、塩分と糖質を欲している。 体がアルコールを分解したがっていた。 牛丼屋の松屋に入り席に着くと、 ほどなくして並盛牛丼が運ばれてきた。 いざ食べ始めようとすると、トイレに行きたくなる。 「先、食べてて」 私は御手洗に向かった。 御手洗から戻ると、私のどんぶりは様変わりしてい

海から届いた珍妙な土産

生きていると、人並みにお土産をもらう。 お土産は消え物がありがたいが、中にはクラフト雑貨で「これどうするかな…」と自分の生活様式にはどうしても当てはめられない物もある。 そんな時、私は潔く手放してしまう。 贈り物は相手に渡したら、その後どうするかはもらった側の自由だ。 何より気持ちを受け取ることが大事。 その多寡にもよるが、そう考えると贈り物も気楽になるし、使わない物をもらってもありがたい気持ちでいられる。 わたしの伴侶タレちゃんも、よくお土産を買ってきてくれる。 大抵

地震が起きた夜、相棒がはないちもんめ状態だった

わたしの相棒タレちゃんは、災害時に生き残れないタイプだ。 数ヶ月前のこと。 深夜に震度3~4の地震が起きた。ゆらゆらと長く続く気持ちの悪い揺れ方に、大地震の可能性が頭をよぎった。急いで、玄関のドアを開けて逃げ道を確保。廊下にぶら下げてあるヘルメットもかぶった。 幸いその後すぐに揺れは収まり、別に暮らす私たちは互いの無事を確認し合い再び眠りについた。 数日後、タレちゃんと地震の夜の話になったのだが、 あろうことかタレちゃんは怖くてずっとお布団をかぶっていたというではないか。