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エラリー・クイーン『Xの悲劇』読了。
再読。
犯人もトリックも完全に忘れていたので、純粋に推理小説を楽しめた。
国名シリーズとはまったく違う重苦しい雰囲気は、老俳優ドルリー・レーンという探偵役に負うところが大きい。しかし、論理的な解決方法はさすがはエラリー・クイーンだ。
日本の本格推理小説の元ともなっているエラリー・クイーン、アガサ・クリスティ、ディクスン・カーは、ミステリーファン必読の書と言っていいだろう。
登場人物の名前を
6月の読書(25冊)
・スウィフト『ガリバー旅行記』
・安部公房『東欧を行く―ハンガリア問題の背景―』
・森沢明夫『水曜日の手紙』
・香月夕花『あの光』
・東野圭吾『毒笑小説』
・宮野入羅針『八事の町にもやさしい雪は降るのだ』
・貴戸湊太『そして、ユリコは一人になった』
・間埜心響『ザ・レイン・ストーリーズ』
・ドストエフスキー『白痴(上)・(下)』
・川上未映子『春のこわいもの』
・小川洋子『夜明けの縁をさ迷う人々』
寺地はるな『大人は泣かないと思っていた』読了
連作短編集。
「ない」という言葉が7作品中6作品もある。
「ない」という思い込みが間違っていた表題作を始め、「ない」なら別の方法を探したり、自分の人生を見つめ直した結果としての「ない」。
否定的なはずの「ない」を肯定的に書ききる著者の腕は、『水を縫う』にも活かされていた。
人それぞれ長所もあれば短所もある。短所だけで相手を見ていたら親友など作れないが、短所を相手に伝えてあげられるのも親友だ
伊坂幸太郎『フィッシュストーリー』読了
今回は短編集。
それぞれ独立した作品であるが、一部で登場人物が錯綜するところは伊坂幸太郎らしい。
表題作『フィッシュストーリー』では、人間の繋がりの不思議(『ポテチ』にも繋がっているが)がひとつのテーマになっている。偶然知り合った、それも一度だけの出会いがそれぞれの人生を変え、世界を救うことになる。まるで「ほら話」のように。出会いがすべて誰にでもわかる正義の方向へ向かっているのも楽しい。
正