Photo by kei02 風(詩) 9 水木三甫 2024年6月24日 08:39 山を切り開いて作られた道は、たわみながら山の稜線の中に消えていく。一歩一歩確実に歩む僕に、いくつもの風がこれ見よがしにぶつかってくる。風になりたいと願うが、知識を詰め込みすぎた重い脳みそを持った僕が、風になれないことは最初からわかっていた。すべてが機械化された現代において、山道を登るのは人力に頼らざるを得ないなんて。僕はぶつかろうとした一筋の風を吸い込んで、地面に向かって吐き出した。風の落ちた地面を三回靴で踏み固めてから、僕は再び山道を登り始める。 ダウンロード copy #詩 #風 #山道 9 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート