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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを… もっと読む
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記事一覧

寂しき風船(詩)

寂しき風船(詩)

何もない青空を
老いた風船が横切っていく
人間の欲望という手から逃げ出し
やっと自由になれたのも束の間
今度は空気圧と対峙するはめになった
しばらくすれば
人間からも青空からも無視される
ゴミ屑になることを
風船はすでに知っている

スズメに涙は似合わない(詩)

スズメに涙は似合わない(詩)

歌えよスズメ
笑えよスズメ
踊れよスズメ
そして
戯れよスズメたち

君らの声に悲しみはなく
君らの表情に孤独はない
スズメの涙ほどなんて言葉もあるが
君らに涙は似合わない

だから
歌えよスズメ
笑えよスズメ
踊れよスズメ
そして
戯れよスズメたち

シングルぼっち(詩)

シングルぼっち(詩)

君は今、シングルぼっち?
僕は今、シングルぼっち!
シングルぼっちは淋しいから
もし君もシングルぼっちで淋しいなら
僕とダブルぼっちにならないかい?

飢え(詩)

飢え(詩)

くたびれた町の
くたびれた部屋の
くたびれた鏡に
くたびれた俺が映っていた

ヒビ割れた町の
ヒビ割れた部屋の
ヒビ割れたコップに入った水を
ヒビ割れた俺は一口だけ飲む

干からびた町の
干からびた部屋の
干からびたベッドに
干からびた俺は倒れ込んだ

そして俺はベッドの上で
もう開くことのないだろう瞳を閉じる

ダイアモンドにならないで(詩)

ダイアモンドにならないで(詩)

傷ついている多くの者たちよ
傷つきたくないからといって
ダイアモンドになりたいとは思わないでくれ
確かにダイアモンドは傷つかないが
ダイアモンドは平気で相手を傷つけるから

下から目線(詩)

下から目線(詩)

自分の言いたいことも言えず、呼吸するのもしんどくなって、それでも愚痴をこぼさず、自分が我慢すればいいと思う。

いつもまわりを気にして、そんな自分が嫌になって、社会という枠の中から出たくなって、それでも絆という鎖を解けずにいる。

それなのに自我を捨てきれず、良心と常識のあいだで傷ついて、いっそ体を道連れに自我を殺してしまいたくなる。

どうせならばロボットのように、自分では何も考えず、ただ人に従

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天気予報(詩)

天気予報(詩)

マイナスの空から降る雨は、草木を蒼く染めるでしょう。
カラスの声と一緒に落ちてくる雨は、水溜りを黒く光らせるでしょう。
コンクリートに降る雨は、棘々しい音を立てて道行く人を傷つけるでしょう。
雲ひとつない冬の晴れ間は、飢えた仔犬に秘密の匂いを授けるでしょう。
プラスの空から降る雨は、永遠に止むことはないでしょう。

桜(詩)

桜(詩)

桜が散った
激しい雨のせいで散った
強い風のせいで散った
公園にピンクの絨毯ができた
水浸しの絨毯ができた
でも散らない桜もまだまだあった
高い枝の先にまだまだ咲いていた
激しい雨にも負けないで
強い風にも負けないで
明日の太陽を待っていた

夢に向かって(詩)

夢に向かって(詩)

僕たちはいつも一番高い木を目指して登っていた。そのてっぺんに何があるかもわからなかった時代の風に揺られた枝が折れて土の上に突き刺さった。

自分がわからなくなって頭の中を歩いている連中たちよ、僕たちを向こう見ずの一言で片づけないでくれ。

僕たちには僕たちの夢があり夢に向かう行動それ自体が自信へと変わるのだから。
このままでは未来の首にギロチンが落とされるから、僕たちは夢に向かうのだ。

人生(詩)

人生(詩)

人生って、ずっと戦いだと思ってた。まわりは敵ばかりで、自分の中にも敵がいた。だからいつも疲れ果てていた。もちろん、一人で世間と戦ったって勝てるわけないっていう諦めもあるにはあった。

だけど自分だけは敵にしちゃいけないよ。世の中で味方になってくれるのは自分しかいないんだから。だから、自分を大切にしなきゃいけない。人生で一番大事のはそれだけって言っても過言じゃない。

この歳になって、やっとそれに気

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つっかえ棒(詩)

つっかえ棒(詩)

私の行きたい先につっかえ棒がある
つっかえ棒は私の行くのをいつも邪魔する
私が違う場所を通ろうとすると
つっかえ棒も移動して邪魔をする
「なんで邪魔するの?」と聞いたら
「邪魔なんてしてない」と答える
「あんた、何様なの?」怒って言うと
つっかえ棒は私の名前を名乗った

前にも言ったことだけど(詩)

前にも言ったことだけど(詩)

前にも言ったことだけど
忘れてるかもしれないから
もう一度君に言うよ
僕は君が大好きだ
聞いてくれてありがとう
忘れたらいつでも言うから
忘れてもらってもいい
そしたらまた君に言うよ
僕は君が大好きだ
僕は君に何度も何度も言いたいんだ
前にも言ったことだけど

咲きほこれ(詩)

咲きほこれ(詩)

君の瞳が開いた
あまり長く寝てたから心配もしたけれど
やっと君は目を覚ました
五つの花びらを大きく見開いて
恥ずかしそうに薄いピンクの顔を見せた
みんなが君を見て笑顔になるって
君はどんな魔法を使ったのか
僕にもその魔法を教えてほしい
笑顔って一番きれいだから
君の笑顔をもっと見ていたいけど
時間がなくなったから
また明日にでもなったら
君に会いに行くつもり
そしたら僕も笑顔になれる
そしたらみん

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窓の多様性(詩)

窓の多様性(詩)

それは、内部と外部の境界線
それは、旧世界と新世界とをつなぐ通路
それは、自我を目醒す陽光の受入場所
それは、温度を調整する体内機能
それは、誘惑を阻む最後の砦
それは、外部からの侵入者の入口であり、残された最後の出口
それは、空へ抜け出せる魔法の額縁
それは、卵を抱えた親鳥の住処
それは、あらゆる世界へ向かうための出発点
それは、最後に帰ってくる秘密基地の隠された終着点