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満員電車(詩)

電車が息を吐くように、たくさんの人たちを押し出していく
吐いた息を取り戻そうと、今度はたくさんの人たちを吸い込む
身動きの取れない体
足の場所だけどうにか確保する
電車の揺れに合わせて、人たちも波になる
次の駅に着くまでの間に、私たちは酸素から二酸化炭素に変わってしまう
目的地に着いて、ようやく電車から吐き出され、私も自分の息を吐き出す
二酸化炭素だった私は、酸素になるヒマもなく、会社へと向かう

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